[CML 026509] 2020年東京オリンピック招致決定

hayariki.net info at hayariki.net
2013年 9月 12日 (木) 22:18:10 JST


東京が2020年の夏季オリンピック(五輪)開催都市に決定した。オリンピック開催の最大の問題点はオリンピックそのものではない。オリンピック招致を名目とした不要不急の大型開発が強行されることである。イスタンブールのデモも五輪そのものではなく、再開発反対が出発点であった。五輪招致が決定したからこそ不要不急の大型開発に厳しい視線が必要である。 

五輪開催はアベノミクス第四の矢ともてはやされているが、五輪という大型イベントを名目に公共事業を増大し、需要を喚起させようとする政策は古い土建政治そのものである。アベノミクスがレーガノミクスをもじることは失当で、新自由主義経済政策ではない。既にアベノミクスは自民党原理主義政策と批判されているが、その性格は東京五輪招致で一層露骨になった。 

「アベノミクスは蜃気楼です。これまでの20年間ひたすらやってきた「自民党原理主義政策」とでもいうべきものを声高に叫んだにすぎません。金融緩和、財政投入、規制緩和(何一つ成果があがっていない)などすべて変わらず。」(「経済評論家ぐっちーさん「アベノミクスは蜃気楼です」」日刊SPA! 2013年8月26日) 

アベノミクスに好意的な立場からも「オリンピックの追い風に乗って公共投資が増えすぎること」への懸念が表明されている(田村賢司「オリンピックという「両刃の剣」アベノミクスに追い風も、公共投資膨張の懸念」日経ビジネスオンライン2013年9月12日)。 

東京五輪の懸念は不要不急の大型開発の増大であるが、地域的にみると東京に集中することになる。これはコミュニティーを大切にし、住み続けたい東京都民にとって迷惑な話である。一方で東京対地方という観点では公共投資が東京に集中することを意味する。 

日本の国力を考えれば最後の大盤振る舞いになるが、それが東京に集中することは東京一極集中を加速にする。東北地方の復興は東京五輪の大義でもあるために一応は考慮せざるを得ない。そのために東日本と西日本の対比では東日本へのシフトが顕著になる。地方、特に西日本での再開発モデルは破綻が続出するだろう。 

東京の五輪招致成功要因は「計画したことを予定通りに実行・運営できるという、「当たり前のこと」を「当たり前にできる」能力を備えていること」と分析される(小幡績「五輪招致に学ぶ日本企業の「勝ち方」 「当たり前の良さ」を強みに」日経ビジネスオンライン2013年9月12日)。しかし、この当たり前の良さをもたらす社会的基盤が急速に崩壊しつつあることに注目する必要がある。 

ブラック企業の問題である。若者を搾取して使い捨てにするブラック企業が横行し続けるならば、「当たり前の良さ」は確実に崩壊する。これまでワタミはリーズナブルで満足のいくサービスを提供すると概ね消費者には評価されている。それがブラック企業の代表格としてバッシングされながらもワタミが存続できた要因である。しかし、ワタミでは食中毒事故が起きており、しかも食中毒事故隠しも行っている。また、福祉サービスでは死亡事故も起きている。ブラック企業は消費者にも社会にもブラックである。 

ライバルのイスタンブールの評価が下がった要因は、反政府デモと隣国のシリア内戦である。日本でもオリンピックを名目にした開発によって莫大な税金が投入され、住環境が破壊される。トルコの反政府デモと同じ要因を抱えている。トルコでは招致活動に打撃を与える大規模なデモが起きたものの、相対的に日本では静かであった。これは日本社会の後進性を示している。やはり五輪開催に便乗した不要不急の大型開発をどこまで阻止できるかが国民生活を守り、豊かにする上でポイントになる。 

シリア内戦がイスタンブールに不利に働いたことは、五輪が平和の祭典であることを改めて確認させた。これは日本の平和運動にとっては好機になる。五輪開催国としては2020年までに尖閣諸島をめぐって戦争が勃発することは好ましいことではない。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が崩壊することも好ましくない。東京五輪招致決定の事実は、ヘイトスピーチ・ヘイトデモなどの反動的傾向に抵抗する武器になる。 
http://hayariki.net/futako/27.htm
-- 
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
http://www.hayariki.net/
http://hayariki.zero-yen.com/


CML メーリングリストの案内