[CML 026435] 「東京オリンピック招致決定」パロディ第2弾:東京オリンピック開催は「愚民政策」というもうひとつのパロディと「オリンピックファシズム」の道への警告

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 9月 10日 (火) 00:02:12 JST


東京オリンピック招致決定に関するいわゆる識者(注)の意見が出揃った感があります。 


      注:ここで「識者」という語句に「いわゆる」という修飾語を冠しているのはチョムスキー(「現代言語学の父」と評される
      アメリカの哲学者、言語学者)の次のような言葉が念頭にあってのことです。「イデオロギーの分析の場合、視野の広
      さと知力とがいささかあり、それに健全なシニシズムがあればたくさんだ。(略)門外漢にわからないような特殊な知な
      ど、これっぽっちも必要ではない。(略)第一そんなものは存在しない」(「社会分析と『専門家』」)。

私は展開されているその論に決して反対というわけではありませんが、その論者の次のような言葉、あるいは一節には違和感
のようなものを感じました。

      「オリンピックはある種の『お祭り』ですから、それが開かれる以上、大いに盛り上がって被災者を励まし、震災復興
      を後押しするものになって欲しい」(五十嵐仁の転成仁語「56年ぶりに開かれる東京オリンピックが抱える課題とは」
      2013-09-08)
      http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2013-09-08

      「『自信と夢を取り戻す』という喜び一色のムードに水を差すつもりはない。」(水島宏明(法政大学教授・元日本テレ
      ビ「NNNドキュメント」ディレクター)「安倍首相が五輪招致でついた『ウソ』 “汚染水は港湾内で完全にブロック” な
      んてありえない」2013年9月8日)
      http://bylines.news.yahoo.co.jp/mizushimahiroaki/20130908-00027937/

      「2020年のオリンピック開催地が東京に決定されたということで、喜んでいる方も多いのではないでしょうか?」(山
      下かい(日本共産党大分選挙区参院選候補者)「オリンピックの東京開催決定について。」2013-09-09)
      http://ameblo.jp/sobo-katamuki/entry-11609923214.html

上記は良識的な、あるいは常識的な物言いです。その物言いが間違っているとは決して思いません。しかし、なにか違和感
のようなものを感じるのです。その違和感はおそらくその物言いは良識的、常識的なものだけれども「怒り」(本質的な)が感
じられないという私の内心の核にある「怒り」のその本質性、非本質性を診査する内視鏡のようなところからくるものでしょう。
私の内視鏡にはその良識的な、あるいは常識的な言葉が反応、あるいは反射しないのです。「怒り」が感じられない、とはそ
ういうことです。

今回の東京オリンピック招致決定に関してもっとも本質的なことを言っているなと私の心の内視鏡に反応したのは次のような
論です。

      2020年東京オリンピック開催に対して

      1,オリンピックファシズム状況が生まれる

      「一億一心東京オリンピック」が、安倍政権と癒着する大手マスコミによってあおられ、オリンピックに協力しない者
      は、非国民だというムードが作られています。(略)

      2,福島第一原発事故を隠蔽する動きが加速されます。

      マスコミは「東京オリンピックをじゃましないように」と、福島第一原発を報じなくなります。そして事故を克服したか
      のような報道をします。被災者の声を伝えることはしなくなります。

      3,反原発などの市民運動に対する弾圧が強化される

      テロ対策を口実に、首都圏で行われる反原発運動や反戦運動を、権力が公然と弾圧する動きが加速されます。
      活動家やシンパが次々に逮捕されます。経済産業省前の反原発テント撤去が行われます。またホームレス排除
      も行われます。

      4,自衛隊が増強される

      テロ防止と称して自衛隊の強化も行われます。首都圏の自衛隊基地にオスプレイが配備されます。ミサイル基地
      が増えます。イージス艦が東京湾に配備されます。
 
      5,オリンピック祝賀ムードに乗じて右傾化が加速します

      このオリンピックが「がんばれニッポン!」ムードをさらに強化します。日の丸が振られ、天皇陛下萬歳が連呼さ
      れるオリンピックになります。愛国心教育が強化されます。

      6,消費税増税、生活保護法改悪、憲法改正が一気に進む可能性が出ます。 


      東京オリンピック招致成功で、安倍政権と自民党に対する支持率が上がります。この支持率上昇の勢いに乗っ
      て安倍が上記の事項を一気に片付ける可能性はあります。

      7,成田空港完成のために土地強奪が強行されます。

      「オリンピック観光客を乗せた飛行機が増える。成田空港の便が増えてパンクする可能性がある。早く完成させ
      なければならない」と言って、成田空港反対の農家の土地を強奪する可能性があります。空港敷地予定地にあ
      る田畑や家屋を力づくで奪う危険性が高まりました。

      以上の理由により、東京オリンピックに対して私は「開催は喜ばない。一切協力はしない。開催中止をあくまで
      求める」態度を取ります。(以下、略)

      坂井貴司
      福岡県
      http://list.jca.apc.org/public/cml/2013-September/026341.html

以上は絵空事の話だとは私には思えません。鳩尾が激しく痛むような感覚が私を襲ってきます。東京での五輪開催が
決定した日に東京・新大久保でレイシストによる差別デモが再開されました。報道によれば、「日本政府と東京都の五輪
招致活動が大詰めを迎えた状況で、在特会の人種差別的なデモが五輪招致に悪影響を与えるという指摘を受け、一時
的にデモを中断していた」(聯合ニュース 9月8日)という分析もあるようです。当日のレイシストデモの様子は下記のブロ
グに詳しい写真紹介があります。左記はきわめて低級なレベルの「右傾化」の話でしかありませんが、私たちの国のいま
が「右傾化」に傾いている低級なレベルなりのひとつの例示にはなりえているように思います。低級なものは高級ではな
いというだけのことで、高級なように見えるもの(たとえば安倍晋三のIOC総会におけるオリンピック招致のためのプレゼ
ンテーション)が低級ではないという保証はどこにもないのですから(というよりも「低級」(うその羅列)そのものでした)。
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20130908

もうひとつ。私の心の内視鏡に反応したのは東京オリンピックの「愚民政策」と位置づけた次のようなパロディです。

      「東京オリンピック招致委員会を代表して、IOC委員の皆様に心から訴えます。自腹を切ることなく、人の金を
      使って、遠くブェノスアイレスまでやってきました。とても手ぶらでは帰れません。ですから、泣いてのお願いで
      す。

      いまや、ブェノスアイレスの関心事は、フクシマの原発汚染水漏出事故と東京の安全性に集中しています。も
      ちろん、東京の放射線量は今のところ心配しなければならない数値ではありません。そんなことは皆様ご存じ
      のとおりです。問題は7年後の東京に放射線の心配がないかどうか。それは分かりません。全く分からないと
      しか申し上げようがありません。(略)

      おそらく、安倍晋三さんが日本の政府を代表して、「政府が安全のために予算措置をした以上はご安心を」と
      いうでしょう。しかし、政府が事故の「収束宣言」をしたのが2011年12月16日。当時から誰も「収束」を信じ
      ませんし、事態の推移は「収束」の間違いを明らかにしています。しかも、安倍さんはまったくの素人です。自
      信をもっている振りをすることにおいてはプロでしょうが、原子炉の構造も、安全のための土木作業の内容も、
      放射線の生体に及ぼす影響についても、海洋での食物連鎖における濃縮も、ほとんど何も知りません。それ
      でも、笑顔をふりまき、安全対策の予算額を述べれば、招致レースを乗り切れるだろうと多寡を括っているの
      です。

      とはいえ、彼の笑顔の裏に潜む焦慮は透けて見えるでしょうし、大金を注ぎこまなければならないということは
      それだけ危険だということなのです。IOC総会が終わったタイミングを見はからって、またまた新たな事故の報
      告が後出しでなされる可能性も否定できません。仮に、不利な情報がことさらに伏せられて東京招致が決定さ
      れたとなったら…。いったいどうなるのでしょうか。

      フクシマでは、昨日も震度4の地震がありました。再度の大地震がいつ来るか予測はできません。今後7年の
      間には相当に高い確率で大地震がフクシマや東京を襲うものと考えざるをえません。そのとき何が起こるのか。
      とりわけ、メルトダウンした核燃料の残骸や、崩壊した建屋の中に放置されている核燃料がどうなってしまうの
      か。予断を許さないところなのです。(略)

      いま、日本も東京も、多くの困難な課題を抱えています。原発、消費税、改憲、格差貧困、財政危機、近隣諸
      国との軋轢‥。政府や都政への人民の不満もまことに大きいのです。これを何とか、かわしたい。東京オリン
      ピック招致こそはその切り札なのです。はっきりいえば、愚民政策。これにご協力いただきたいのです。(略)」
      (澤藤統一郎の憲法日記「東京が語る苦い真実」2013年9月5日)
      http://article9.jp/wordpress/?p=1123


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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