[CML 027119] 小泉元首相「脱原発」発言評価はどういう地点に行き着くか。また、毎日新聞「風知草」の小泉元首相「脱原発」発言評価の自画自賛について

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 10月 17日 (木) 21:11:42 JST


小泉元首相の「脱原発」発言を評価する人に共通する意見は次のようなものでしょう。 


      「今は【脱原発】この一点で皆がやる時なのです。小泉さんにはドンドン吠えてもらいましょう!」
      「脱原発を言う前にまず謝罪をと考えるより、今は使えるものは何でも使う脱原発の一念で一気に進みたいですね。」
      「過去の言動がどうであれ、脱原発をはっきりと表明することは、脱原発を実現するためにプラスに作用する。」

上記は小泉「脱原発」発言は「プラスに作用する」という見方で一致しています。

しかし、ほんとうにそうでしょうか? というのが、私が今月のはじめから書いてきた6本の小泉「脱原発」発言批判記事で問題
提起してきたことです(10月4日から同16日までの弊ブログ記事参照)。
http://mizukith.blog91.fc2.com/

とはいえ、これまで何度も繰り返し私なりに警鐘を鳴らしてきたことなので、今回の6本の記事では明示的に触れなかったこと
があります。

その明示的に触れなかったことをひとことでいえば、先の参院選挙の際に「脱原発」というシングルイシューを掲げて「eシフト」
や「緑茶会」という政治団体が設立、結成されましたが、その「eシフト」、また「緑茶会」の選挙運動なるものは、「脱原発」とい
うシングルイシューさえ掲げていれば(「脱原発」政策の内容は問わない)、自民党、民主党、みんなの党、生活の党、社民党、
共産党などの政党の枠を超えて「脱原発」というシングルイシューに重点をおいて投票しようと呼びかける体のものでした。し
かし、「脱原発」政策の中身を吟味しようともせずに、ただ「脱原発」を呼号するだけの政党・議員への投票呼びかけでは実質
「原発推進」政党への投票呼びかけにならないとも限らないではないか、という「eシフト」や「緑茶会」のシングルイシュー運動
に対する私の見方、批判的見解でした。

このような見方は私だけのものではありません。私と同様の批判的見解を表明している人たちも少なくありませんでした。以下、
2例挙げておきます。

      「『緑茶会』が(「反原発・脱原発」の)シングルイシューで選んだ応援対象の候補者が、憲法問題や教育問題その他
      で信頼に足りる議員となる保証は全くない。/みんなの党所属候補4人の推薦がこの運動の性格をよく表している。
      みんなの党は強固な改憲志向政党ではないか。天皇の元首化や、憲法に『日の丸・君が代』を書き込むことを明言
      している右派勢力の一員ではないか。96条改憲の主要勢力の一員でもある。急進的な新自由主義政党として、TP
      Pの積極推進派としても知られる。維新とともに右からの保守補完勢力であって、うっかり原発問題だけで支援する
      と、とんでもないことになる。/6年前川田龍平は市民運動票の支持を得て参議院議員となった。そして、その選挙
      民の支持を裏切って、みんなの党に入党して憲法改悪勢力の一員となった。このような節操に欠ける政治家を緑茶
      会はまた推そうというのだ。呆れた話しではないか」(「出がらし『緑茶会』には問題山積」(澤藤統一郎の憲法日記 
      2013年4月30日)
      http://article9.jp/wordpress/?p=223

      「緑茶会は「脱原発候補が複数立候補する選挙区においては、当選確率がより高いと客観的に判断できる候補を
      推薦する」として、東京選挙区では、大河原まさこ候補(無所属)だけを推薦している。吉良よし子候補はもちろん、
      その他の「脱原発・原発ゼロ」を掲げる候補の推薦はない。端的に言えば、有権者の脱原発票を大河原候補に集
      中しようとしているのだから、排他性の高い運動となっている。大河原候補を推薦したければ、その実績や政策を
      訴えればよいこと。同候補を「当選確率がより高いと客観的に判断できる」などとまで根拠のないことを言って、脱
      原発志向の有権者を惑わせるのは罪が深い。(「参院選・投票日まであと3日ー脱原発を願う有権者の皆様に」
      (澤藤統一郎の憲法日記 2013年7月18日)
      http://article9.jp/wordpress/?p=823

      「TPPや、それを先取りする国家丸ごと売り渡し策についてほとんど触れず、反原発を言う政治家ならやつらの党
      (注:みんなの党)でも支持してしまう緑茶会などという代物がまぎれこむ反原発運動に、うさん臭さを感じる」(「日
      本の主権は侵害されるべきではない」【ブログ主宰者コメント欄】(マスコミに載らない海外記事 2013年10月14日)
      http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-7028.html

そして、結局、選挙は真の「脱原発」(原発再稼働反対・原発ゼロ政策)の座標軸を定めることができず四分五裂して自民党
の独り勝ちを許す結果となってしまいました。結果として野党間に分断を持ち込み、四分五裂の状況をつくだした大きな要因
のひとつとして「eシフト」・「緑茶会」の運動を挙げることができるだろう、というのが私の一端の参院選総括です。

小泉元首相の「脱原発」発言に対する過度な期待と評価は、第2の「eシフト」・「緑茶会」騒動のように私には見えます(小泉
発言を評価するご本人たちは「過度な期待」などしていないと言われるのでしょうが、次々と繰り出される小泉発言への評価
発言は結果として第2の「eシフト」・「緑茶会」騒動の二の舞を演じているように私には見えます)。それが私の危惧です。

ついでに毎日新聞の手前味噌な小泉「脱原発」発言評価についてもひとことのべておきます。

毎日新聞の10月5日付けの社説「小泉氏のゼロ論 原発問題の核心ついた」は、「原発をめぐる小泉氏の主張は毎日新聞
のコラム『風知草』(8月26日付)が取り上げ、強い関心を集めるようになった」と、自社の他社に先んじての小泉「脱原発」
発言報道に先見の明があったかのように自画自賛し、そういうこともあってか10月14日付けの同紙のコラム「風知草」は、
現役キャリア官僚の覆面筆者の『原発ホワイトアウト』(講談社)という新刊の紹介に関連して「自民党における小泉純一郎
元首相の造反を見よ。原発推進勢力はなお強力だが、政府・与党の亀裂は深まり、動揺が広がっている」とこれも鼻息荒く
自身の小泉発言評価に自信を深めているようですが、その鼻息の荒さの挫折する日はそう遠くないだろう、と私は見ていま
す。その「風知草」の記事は、「三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した」道中で
の小泉の「脱原発」発言であったという事実に対する記者としての考察と洞察があまりにもなさすぎるからです。いわゆる「見
る目が浅い」ということです。すなわち、ジャーナリストの見る目とは言い難い、というのが私の「風知草」を読んだ感想です。

後日の物笑いのタネ(としか私には思えませんが)として同紙の社説とくだんの「風知草」の記事のURLを下記に示しておき
ます。

■社説:小泉氏のゼロ論 原発問題の核心ついた(毎日新聞 2013年10月05日)
http://mainichi.jp/opinion/news/20131005k0000m070141000c.html
■風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男(毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊) 

http://mainichi.jp/opinion/news/20130826ddm003070155000c.html



東本高志@大分
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