[CML 027087] 慰安婦記録出版に「懸念」 93年、日本大使館がインドネシア側に伝達

BARA harumi-s at mars.dti.ne.jp
2013年 10月 16日 (水) 10:56:42 JST


新聞記事
朝日新聞・名古屋本社
9月14日

慰安婦記録、出版に「懸念」 93年、日本大使館がインドネシア側に伝達
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310130420.html?ref=pcviewer

駐インドネシア公使だった高須幸雄・国連事務次長が1993年8月、旧日本
軍の慰安婦らの苦難を記録するインドネシア人作家の著作が発行されれば、
両国関係に影響が出るとの懸念をインドネシア側に伝えていた。
朝日新聞が情報公開で入手した外交文書などで分かった

日本政府が当時、韓国で沸騰した慰安婦問題が東南アジアへ広がるのを
防ぐ外交を進めたことが明らかになったが、高須氏の動きは文学作品発禁を
促すものとみられ、当時のスハルト独裁政権の言論弾圧に加担したと受け
取られかねない。

 当時の藤田公郎大使から羽田孜外相あての93年8月23日付極秘公電に
よると、高須氏は8月20日にインドネシア側関係者と懇談し、作家の活動を
紹介する記事が7月26日付毎日新聞に掲載されたと伝えた。

 この記事は、ノーベル賞候補だった作家のプラムディア・アナンタ・トゥール氏が、 

ジャワ島から1400キロ離れた島に戦時中に多数の少女が慰安婦として連れて
行かれたと知り、取材を重ねて数百ページにまとめたと報じた。
公電で作家とインドネシア側関係者の名前は黒塗りにされているが、作家は
同氏とみられる。

 公電によると、高須氏は「かかる資料が『イ』(インドネシア)で発行された場合に 

日・『イ』関係に与える反響を懸念している」と述べた。
これに対し、インドネシア側は「従軍慰安婦問題がきっかけとなり良好な日・『イ』
関係が損なわれることのないよう、注意して取り扱われるべきである」と応じ、
著書名がわかったら教えてほしいと要請。
当局がこの作家の言動を監視し、過去の著作を発禁にしたこともあると伝えた。

 慰安婦問題の著作も発禁の方向で対応する考えを示唆したとみられる。

 この著作はスハルト政権崩壊後の2001年になってようやく出版された。
04年には日本でも「日本軍に棄(す)てられた少女たち」として発行された。
プラムディア氏は06年に亡くなった。

 高須氏は取材に「記憶は全くない」とした上で、公電を見た感想として「懇談の際に 

私が自分の気持ちを述べたのに対して相手がそう反応したのであって、圧力をかけた
というのには当たらない」と回答した。

 (佐藤純、鬼原民幸)

------------

慰安婦問題で政府はどんな調査をした?
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310130421.html?ref=pcviewer

◇韓国でのみ、聞き取りをした。他国では行わなかったんだ

 ホー先生 日本政府は慰安婦問題でどんな調査をしたんじゃ?

 A まず1991~92年に省庁などに残っていた資料を調べ、当時の加藤紘一
官房長官が政府の関与を認める談話を出した。

 ホ それで終わらなかったのか?

 A そう。女性を強制的に連行したことを認めるように求める韓国側が納得
しなかった。
日本側は韓国の元慰安婦16人から聞き取りもした。
この証言を元に、93年の河野洋平官房長官談話で本人たちの意思に反して
集められた事例が数多くあるとした。

 ホ 政府は問題を広げないようにしていたのか?

 A 調査は韓国を意識したものだった。聞き取りは他国では行わなかった。

 ホ ホホウ! 調査で何がわかったんじゃ?

 A 32年の上海事変のころから45年の終戦にかけて、アジア各地に軍の要請で
慰安所が設営された。多くは民間業者が経営したが、軍は管理に関与した。

 ホ 慰安婦だったのはどこの国の女性たちじゃ?

 A 調査でわかったのは日本のほかに朝鮮半島と中国、台湾、フィリピン、
インドネシア、オランダ。人数は不明だ。

 ホ 調査の後は?

 A 政府主導の「女性のためのアジア平和国民基金」が、償いの事業をした。
韓国、台湾、フィリピンで申請した285人に1人200万円を支給した。
基金は07年に解散した。

 ホ 補償は済んだのか?

 A 日本政府は国家間の問題は条約で法的に解決済みという立場だから、
補償としてのお金は出せないとの考えを譲らなかった。
だから償い金は民間からの募金で賄った。
納得して受け取った人がいた一方、政府が国として正式に補償するよう求めた
人たちは受け取りを拒んだ。
中国や北朝鮮など償い事業が行われなかった国もある。

 (小田健司)

--------------

表現の自由、軽視外交 「勇み足」批判も 「慰安婦」出版懸念
http://digital.asahi.com/articles/TKY201310130430.html?ref=pcviewer

慰安婦問題が東南アジアへ広がるのを日本政府が防いでいた1993年、
駐インドネシア公使だった高須幸雄・国連事務次長が慰安婦問題を巡る地元作家の
著作の発禁を促した
とみられる発言をしていた。
表現の自由を侵してでも問題を抑えようとする姿勢に、外務省OBからも疑問の
声があがる。

高須氏が懸念を伝えたインドネシア側の相手は、開示された外交文書で黒塗りに
されていた。一部幹部だけに配る「限定配布」に指定されており、相手は有力者の
可能性が高い。

 国際情報の分析を担当してきた外務省OBは「文面から、発禁を望むと伝えたと
みて間違いない。
発禁を誘因する問題に関与したとすれば、非常に微妙な問題だ」と指摘。
同省アジア局長経験者は「慰安婦問題の沈静化に努力する気持ちはわかるが、
やり過ぎ、勇み足だ」と批判した。

 プラムディア氏はスハルト独裁政権ににらまれ続けた作家だ。
代表作の歴史小説「人間の大地」なども発禁にされた。
65~79年に政治犯として流刑にされた島に、戦時中に少女らが連れて来られたことを
知り、調査して記録にまとめた。

 同氏の文学に詳しい押川典昭・大東文化大教授は「オランダ植民地下でのインド
ネシア国民の誕生を描いた作品を自国民が発禁処分で読めないのは、彼には耐え
難いことだった。日本の外交官がその作家の著作を発禁にするよう働きかけることは、 

彼をさらに苦しめることだ」と話す。

 両国関係に詳しい倉沢愛子・慶応大名誉教授によると、インドネシアでは73年にも、 

日本占領下の強制労働をモチーフにした映画「ロームシャ」が日本大使館の抗議が
きっかけで上映中止になったとし、日本批判が起きたことがあるという。
倉沢氏は「二つの問題は構図が似ている。
いずれも、日本が優位な関係を踏まえれば、日本側は懸念を伝えるだけで相手が
意図を読み取ることは計算済みだったと思う」と指摘する。

 (板橋洋佳、小田健司) 



CML メーリングリストの案内