[CML 027880] 「戦中振り返り参院の良識を」秘密保護法案で大田昌秀さん

BARA harumi-s at mars.dti.ne.jp
2013年 11月 26日 (火) 18:48:51 JST


新聞記事
2013.11.26
朝日名古屋・夕刊
http://digital.asahi.com/articles/OSK201311260024.html?ref=com_top6

特定秘密保護法は必要ない――。
元沖縄県知事の大田昌秀さん(88)も、こう指摘する一人だ。
「衆院のように党利党略にとらわれずに審議し、国民を縛ることになる法案を
廃案に追い込んでほしい」。
参院議員を務めた経験から「良識の府」に注文する。

 特定秘密保護法案は、国民の「知る権利」を危機にさらします。
国旗国歌法の制定(1999年)や「愛国心条項」を盛り込んだ教育基本法の
改正(2006年)に続き、国民をがんじがらめにしていく動きの一つといえます。
だから、私は反対するのです。

 みなさん、「民主主義が成熟した現代で、政府が国民に知らせるべき情報を
隠したり、知る権利や言論の自由を脅かしたりはしないだろう」と思って
いませんか。
もし、そうだとしたら間違っています。
国家権力は外に出たら都合が悪い情報を隠し、漏れようとする動きを抑え
込みます。

 沖縄にも苦い経験をした人がいます。
戦時中、日本軍の軍人が沖縄風の偽名で教師として離島に赴任し、島民に
厭戦気分が広がっていないか監視しました。
そして、軍は機密電報で「沖縄県民は他県よりも国に命を捧げる気持ちに
欠ける」と報告していたのです。

 今はどうでしょうか。
国は米軍基地に反対する市民を警戒しています。
陸上自衛隊のイラク派遣(04年)に異を唱える市民の個人情報を陸自が
ひそかに集めていたこともあります。
これまではジャーナリストや国政調査権を持つ国会議員らが調べ、市民から
見て不適切といえる国の情報隠しを表沙汰にしてきました。

 特定秘密保護法ができれば、内部告発者は減るでしょう。
政府は「スパイやテロから国民を守るため」と言っていますが、国民への
監視はさらに強まり、情報隠しにつながります。

 沖縄県の知事だった時、基地政策の情報を独自に得るため米議会の
有力者らと会いました。
米側の情報を使い、日本政府と話して基地問題を前に進めるためです。
しかし、基地の情報が「特定秘密」に指定されれば政府が話に一切応じなく
なるだけではなく、日本に米軍の核兵器が持ち込まれても隠し通すでしょう。

 米国留学中、米国の国立公文書館で公開されていた沖縄戦の資料を
集めることができました。
交渉相手との信頼関係を保つための秘密は否定しませんが、「60年は
公開せず」なんて、とんでもありません。

 国民が悲劇に巻き込まれた戦前・戦中をもっと振り返る。
そして、参院の審議では国民が疑問に思っている法案の根本的な問題点を
突いてほしい。
今こそ「良識の府」らしい参院の姿を見せる時です。

     ◇

 〈おおた・まさひで〉 1925年生まれ。45年の沖縄戦では鉄血勤皇隊の
一員として従軍。
戦後、米シラキュース大大学院修士課程を修了し、琉球大教授を経て
90~98年に沖縄県知事。
2001年の参院選比例区に社民党公認で初当選し、1期務めた。
現在はNPO法人「沖縄国際平和研究所」の理事長。



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