[CML 027474] 「原発メーカー訴訟 責任免除の規定に挑む」(『東京新聞』11/5(火)朝刊記事)

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2013年 11月 6日 (水) 06:56:33 JST


紅林進です。

 福島第一原発事故を起こした東京電力や国策として原発を推進し、
原発の安全性もチェックできず事故を招いた日本政府の責任は追及
されており、訴訟も起こされていますが、その事故を起こした原子炉
メーカーの責任は不問にされてきました。それは、電気事業者(電力
会社)に責任を集中し、それ以外の原発メーカー等の製造物責任は
免責するとした原子力損害賠償法(原賠法)があるためですが、その
原賠法自体を違憲として、原発メーカーの責任を問う訴訟が来年一月
末に提訴されます。

 この「原発メーカー訴訟」を紹介・解説した記事が昨日11月5日(火)
付の『東京新聞』朝刊の第11面(解説面)の「記者の眼」という欄に
「原発メーカー訴訟」「責任免除の規定に挑む」という見出しの下に
大きく載っています。筆者は東京新聞編集委員の土田修さん。
その記事を以下転載させていただきます。

 この原発メーカーの責任を問う訴訟は、原発を海外に輸出しようと
している原発メーカーに対する大きな牽制にもなると思います。

 福島原発事故がいまだに収束せず、汚染水の流出等も拡がる中、
また事故原因の究明もされない中で、日本の原発メーカーは、安倍
政権と一緒になって、その安全性も保証できない危険な原発を海外
に輸出しようとしていますが、「原子力の平和利用」と称して、日本に
原発を導入させ、原発を売り込んだ米国などが、事故が起こってGE
などの原発メーカーの責任を問われないように、原発メーカーなどの
損害賠償責任を免責する原賠法を押し付けたように、今度は原発を
日本から海外に輸出させようとしている安倍政権や原発メーカーは、
原発メーカーを免責する原賠法を原発輸出先の国々に押し付けよう
としています。このような原発メーカーの事故責任を免責する原賠法
は改めさせる必要があります。ましてそれを輸出先に押し付けること
など許されません。

「原発メーカー訴訟」の会では、この訴訟の原告や支援者を募っている
とのことです。

「原発メーカー訴訟」の会
http://ermite.just-size.net/makersosho/soshonokai.html
 

(以下転載)

原発メーカー訴訟 責任免除の規定に挑む
 
          『東京新聞』2013年11月5日(火)付朝刊第11面(解説面)

 東京電力福島第一原発事故を受けて、都内の市民団体が原子炉メーカー
に対する損害賠償請求訴訟を東京地裁に起こす。原子力損害賠償法(原賠法)
を違憲とする同訴訟には国内外の市民が原告に加わることから国際的な注目
を集めそうだ。

 同事故後、東京電力などに対する訴訟は提起されているが、原子炉メーカー
については不問に付されてきた。原賠法に製造者責任の免除が規定されており、
メーカーを相手に訴訟を起こしても「門前払い」が予想されたためだ。
 今回提訴するのはNNAA-J(アジア非核行動ジャパン)を中心に結成された
「原発メーカー訴訟」の会(会長・渡辺信夫牧師)。原賠法の製造責任免除
規定と同法の制定経過が憲法二九条(財産権の侵害)などに違反するとして、
米ゼネラル・エレクトリック(GE)、東芝、日立製作所の三社を相手に来年一月
末に訴訟を起こす。
 メーカーは製造物責任法(PL法)によって製造物に欠陥があれば、「過失の
有無」にかかわらず賠償責任を負うが、原子炉メーカーだけはPL法が適用さ
れない。弁護団長の島昭宏弁護士は「原子炉メーカーだけが原賠法によって
二重三重に守られているのは、憲法一四条(平等原則)に違反する」と指摘。
原発メーカー保護の背景には「米国からの強い要請があった」として当時の
国会答弁などを証拠資料として提出する方針だ。
 訴訟では、「原子力の恐怖から免れて生きる権利」を憲法一三条(個人の
尊重)などから導かれる「新たな人権」として提起する。原賠法で免責されて
いる原子炉メーカーが安全性より経済性を重視することも考えられるので、
原発を持つ国・地域の住民すべてに共通する権利という認識だ。島弁護士
は「原子力産業の中核であるメーカー責任に切り込む動きは原発体制崩壊
の一歩になる」と展望する。
 この秋、NNAA-Jは、日韓市民による脱核平和ツアーを実施。九州電力
玄海原発(佐賀県)再稼働に反対する市民運動団体や中国電力上関原発
(山口県)建設に反対する祝島の住民らと交流し、アジアの市民連帯による
ネットワークの重要性を確認した。これを受けて、祝島の若者らは今月上旬
にも韓国を訪問し、上関原発建設反対と日本の”地中海”瀬戸内海の漁場
保護をアピールする。
 ツアーに参加したアジア平和市民ネットワーク運営委員長の李大洙(イデス)
さんは「原発事故は日本だけの問題ではない。放射能に国境はない。訴訟を
世界に広げることで原発再稼働と海外輸出を止めたい」と話した。韓国や台湾
でも原告を募り、原発のないアジア平和を目指す。ようやく始まった東アジア市
民連帯は、日本の脱原発運動にも大きな影響を与えるに違いない。
                                    土田修(編集委員)  


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