[CML 024587] 橋下発言:民主教育研究所「ジェンダーと教育」研究委員会の抗議文

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2013年 5月 30日 (木) 10:37:35 JST


前田 朗です。

5月30日

橋下徹大阪市長の発言に対する抗議声明

2013年5月28日

民主教育研究所「ジェンダーと教育」研究委員会

 橋下徹大阪市長・日本維新の会共同代表の5月13日の発言は、彼の人権感覚の
欠如を示しており、人間の尊厳に対する冒涜です。強く抗議 するとともに、発
言の撤回と謝罪を行い、大阪市長および公党代表の地位を退くことを求めます。

 問題点は以下のとおりです。

1 2013年5月13日の記者会見の中で、橋下 氏は「『慰安婦』制度は世界各国の
軍がもっていた」「あれだけの銃弾の雨、嵐のごとく飛び交う中で、命懸けでそ
こを走っていくとき、そん な猛者集団というか、精神的にも高ぶっているよう
な集団は、どこかで休息じゃないが、そういうことをさせてあげようと思った
ら、『慰安 婦』制度が必要なのは、これは誰だって分かる」と発言しました。

 この発言は「慰安婦」の強制連行の歴史的事実を歪曲するものであり、日本軍
「慰安婦」に されたアジアやオランダの女性達に与えた筆舌に尽くしがたい苦
しみに、人間としての痛みを感じない無神経さと人権感覚の欠如を暴露したも
のです。

 何処の国にもあったことだと開き直っていますが、何ら免罪符にならないばか
りか、ドイツ が戦後の長い年月をかけて戦争中のナチスドイツの蛮行について
謝罪と賠償をし続けているその姿勢に学ぶ必要があると思います。

 橋下氏は「強制連行の証拠はない」と述べていますが、被害女性たちの証言が
何よりの証拠 であり、文書証拠の存在についても最近の国会で安倍総理も認め
たところです。

2 さらに、橋下氏が沖縄の米海兵隊の司令官に対して「風俗を利用す べきと進
言した」と述べ、当の司令官が凍りついた苦笑顔でこの話は打ち切ろうと言った
と自ら述べています。無神経さと品性の下劣さ、人権 としての性意識の欠如と
風俗を含む広義の売買春が重大な人権侵害であるとの認識すらない無知に、私た
ちは驚愕し、大きな怒りを覚えます。

 「米海兵隊の風俗利用」発言は、米軍基地あるがゆえの沖縄の苦しみへの無理
解と沖縄への 蔑視です。今なお沖縄の人々は、癒えることのない戦争の傷と、
米軍基地との共存の強制で日常的な恐怖の中で暮らしています。沖縄の人々に
対するこれ以上の冒涜はありません。

 沖縄における米兵の性暴力が多発している問題の根本は米軍基地の存在にほか
なりません。

3 同月26日 に、橋下氏は「今回の私の発言は、アメリカ軍のみならずアメリカ
国民を侮辱することにも繋(つな)がる不適切な表現でしたので、この表現 は
撤回するとともにお詫(わ)び申し上げます」と公表し、米軍兵風俗活用発言に
関してのみ撤回し、アメリカに対してだけ謝罪しました。

 しかし、「慰安婦」発言は、侵略戦争に駆り出された男性たちにとって必ず
「性的慰安」が 必要であり、女性をそのための道具にするという考えに基づい
ています。そして「米海兵隊の風俗利用」発言も、男の性欲を抑制不能と捉えて
女を男の性欲解消の対象としてみているという点で、「慰安婦」発言と同じ氏自
身の極めて貧しい性的欲求や性的関係についての理解を露呈し ており、アメリ
カに謝罪したとしても、この点を撤回、修正したわけではありません。これほど
女性の人権のみならず男性の性の尊厳を貶める 暴言はありません。女性に対す
る性差別であり、同時に男性に対する侮辱でもあります。

4 橋下氏の発言が世界に発信されるや各国の人々は、驚愕と許しがた い妄言と
して非難の声が巻き起こっています。橋下氏のなお自説を固持し続ける不遜な態
度は、およそ公人として品性を欠き、被害者の痛みに 追い打ちをかけ、国際社
会のなかで孤立してしまいかねない不信を引き起こしました。

 以上より、橋下氏はただちに今回の一連の発言を撤回し、被害者と関係者に謝
罪するととも に、大阪市長および「日本維新の会」の共同代表の地位を退くこ
とを求めます。



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