[CML 024435] 「表現の自由を守るためにヘイト・スピーチを処罰するべきだ」

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2013年 5月 23日 (木) 10:27:38 JST


前田 朗です。

5月23日

昨日のNEWS23で、5分程度と短めでしたが、ヘイト・スピーチが取り上げ
られました。

小谷順子さん(静岡大学教授?)が「表現の自由だから処罰はできない」と述
べ、私が「表現の自由を守るために ヘイト・スピーチを処罰するべきだ」と述
べています。

小谷さんの意見が憲法学の常識であり、圧倒的多数説です。

私の意見は、今のところ、少数説とさえ言えない、奇論の類と看做されています。

この間、多数の新聞記者から取材を受けて、「表現の自由を守るためにヘイト・
スピーチを処罰するべきだ」と話 してきたのですが、採用されませんでした。

実は私も以前は「表現の自由があるから処罰はできない」と考えていましたが、
2001年の人種差別撤廃委員会 で「表現の自由を守るためにヘイト・スピー
チを処罰するべきだ」という趣旨の発言を聞いて、驚きました。聞き間違えかと
思ったほどです。

2010年の人種差別撤廃委員会でも同じ趣旨の発言がありました。この10年
間、考え続けて、私も確信しまし た。本当に10年もかかりました。

そこでこの間、ミニコミに書いたり、口に出してきたのですが、今回、はじめて
マスメディアにのりました。

昨日の取材打合わせの時、最初にこの話を持ちだしたところ、ディレクターが驚
いて、くいついてきました。「そ ういう意見は初めて聞いた。いったいどうい
う意味ですか」と。そこで補足説明をして、ぜひこれを流してほしいと頼んだと
ころ、ちゃんと流 してくれました。

「新大久保の現場に立って、これは表現の自由ですなどと言う人に憲法学者の資
格があるのか」とまで言ったので すが、さすがにこれはボツになりました。

これまでヘイト・スピーチの問題はいつも「表現の自由」の前で立ち止まってき
ました。表現の自由と言ったとた んに思考停止してきたと言ってよいと思います。

しかし、私たちはもっと正面切って「表現の自由を守るためにヘイト・スピーチ
を処罰するべきだ」と言うべきで す。

表現の自由の根拠は、憲法13条の人格権と、民主主義です。「朝鮮人を殺せ」
と叫ぶことが、いったい人格権に 合致するのか。民主主義に合致するのか。そ
んなことはありえません。こんな発言を許しておくと、表現の自由が自己崩壊す
る。表現の自由を 守るためにヘイト・スピーチの規制を、と強調しましょう。

これは私のオリジナルではありません。人種差別撤廃NGOネットワークに結集
してきたみなさんの意見と重なる はずです。ヘイト・スピーチ被害者の思いと
重なるはずです。人種差別撤廃委員会のソーンベリ委員やディアコヌ委員から教
わったことです。



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