[CML 023216] 憲法決起集会で感じた不満をたらたらと

泥憲和 n.doro at himesou.jp
2013年 3月 18日 (月) 16:22:06 JST


 この土曜日に、はりま憲法集会の成功をめざす決起集会をもちました。
 はりま憲法集会は、昨年まで500名の会場でした。
 しかし今年は情勢に鑑みて800人の会場をとり、これを満員にしようとしています。 

 それで、景気づけに前例のない決起集会を開いた次第です。

  講師は危機的な憲法情勢を語ると共に、
兵庫県下で改憲の動きに対する新しいカウンタームーブのプランを準備中であるなど、 

頼もしい報告もまじえて、90分にわたって話して下さいました。

 しかし、どの講演を聞いてもそうなのですが、
少し物足りないものを今回も感じました。
 それは、改憲をめざして安倍はあんなことを言っている、こんなことをしているという報告が列挙されるのですが、その紹介に留まったことです。
 「あんなこと、こんなこと」がひどいというのは講師には自明なのでしょう。
 が、有権者にとっては必ずしも自明ではないから、
改憲案に支持が寄せられるのではないでしょうか。
 「憲法にこう書いてあるのに、こんな酷いことをめざしているんですよ!」
という説明だけでは、不十分です。
 “こんなこと”をひどいと思わない人がいるからです。
 「こんなことをめざすのは良いことだ、だから憲法を変えよう」
 こういう反応を寄せる人だっているでしょう。
 で、そういう人が多いのです。

 「どうしてひどいのか」「なぜ間違っているのか」を、
憲法理念からではなく、実態論から説く、
具体的な説明がほしいなと思いました。
 どの講演も同じ事で、ここらあたりををわかりやすく腑分けして語って貰えないので、 

どうも隔靴掻痒の感がぬぐえません。
 9条の会の会員も、身近な人たちに改憲の動きのひどさを何と説明して良いかわからないから、
足が止まっているのではないでしょうか。

 いま改憲派から提起されているのは、
具体的な軍事問題です。
 9条支持の人たちは軍事問題が苦手だから、そ
れにどう反応してよいのか、よくわかっていない。
 そんな気がします。

 たとえば、安倍が集団的自衛権が必要だという4類型です。

1.公海上で攻撃された米艦船の防護
2.米国を狙った弾道ミサイルの迎撃
3.PKO参加中に攻撃された他国軍の救援
4.戦闘地域での他国軍への後方支援

 これまでの解釈改憲の枠を大きく踏み出すもので、非常に危ないというのが、講師の説明でした。
 しかし、同盟国の船が攻撃されているのに知らん顔はできないだろうとか、
ミサイルが飛んでいってもアメリカは勝手に守れなんて身勝手だろうとか、
よその軍隊がなぶり殺しにあいそうでも自衛隊は素知らぬ顔をしていなければならないなんておかしいだろうとか、
高邁な平和論よりもこちらの説明の方が俗耳に入りやすい。
 そこで、です。
 これに対して、たとえば次のような説明をしたら、どうでしょう。

1.公海上で攻撃された米艦船の防護
 安倍さんは何もわからずに勇ましいことを言っているだけだ。
 こんなこと、アメリカに無断で決めて大丈夫なのか?
 守ってあげようなどと、そんな偉そうなことを言ったら、誇り高いアメリカ海軍は烈火のごとくに怒るだろう。
 他国軍に守ってくれと頼んだことなど、アメリカ海軍の歴史上、一度もないのだから。 

 起きもしない事態に備えようなどとは、空文句でしかない。
 相手の誇りも彼我の戦力も考慮しないで勝手なことを言っていたら、それこそ「同盟関係」にヒビが入るのではないか。

2.米国を狙った弾道ミサイルの迎撃
 安倍さんは何もわからずに勇ましいことを言っていて、とても恥ずかしい。
 米国を狙うミサイルは日本上空を通過しない。
 地球儀を上から見ればわかるが、
 「北朝鮮」のミサイルは北に向かい、
 サハリン沖からアラスカに抜けるか、
 ロシア上空を通って北極の上を飛んでいくのだ。
 自衛隊が迎撃しようにもできないのだ。
 起きもしない事態に対して、できもしない備えをしようなど、空文句でしかない。
 こんな大事なことを、よく知りもしないで言い放つような総理では心配だ。
 
3.PKO参加中に攻撃された他国軍の救援
 安倍さんは何もわかっていない。
 PKO部隊が襲撃され、重武装の他国軍でさえ防衛がおぼつかないような事態になれば、
他国のことよりまず自国部隊の防衛に備えるのが世界の常識だ。
 それは自衛隊だけではなく、どの国もそうだ。
 他国軍の危難に別の国が助けに行ったことなど、
PKO史上一度もない。
 援軍をあてにするような国も、あるはずがない。
 起きもしない事態に備えようなどとは、空文句でしかない。
 
4.戦闘地域での他国軍への後方支援
 これはすでに行っているが、集団的自衛権行使にあたらないと政府が言明している。 

 はたして他国軍への後方支援は集団的自衛権の行使なのか、そうでないのか、国民に選択を問う前に、自分の考えをちゃんと整理してから出直すべきだ。

 軍事に詳しい人なら、もっと説得力のある説明もできると思います。
 他には、「改憲勢力は竹島問題、尖閣諸島問題をテコに憲法改悪を訴えている」との危機感が訴えられましたが、これもどうなんでしょう。

 竹島問題、尖閣諸島問題で侵略を防ぐために自衛権を行使するのは、9条の会の立場からは憲法問題かも知れませんが、相手にとってはそうではないはずです。
 自国防衛は当然の権利であり、そのために自衛隊が存在するというのが、相手の言い分だからです。
 だったら、防衛のためなら憲法を変える必要などさらさらないではないか。
 そのように説明すればよいのではないでしょうか。

 またせんだってのレーダー照射問題についての話もありました。
 「現実に武力衝突の危険が現存する下で、
平和理念だけを唱えていても響かない状況になった、
非常に難しい状況だ」
との説明でした。
 たしかにそうかも知れませんが、それだけを言っておしまいでは、
聞いている方は何をすればよいのか戸惑うばかりではないでしょうか。

 これについては、
外国艦船との距離は21kmを保つようにとの指示があったのに、
安倍内閣が3kmにしてしまったのが、問題の発端ではありませんか。
 近代艦船は昔の鉄の船のように、大砲をドッカンドッカン撃ち合うことを想定していません。
 一発でも当たればたちまち燃え上がるアルミ合金製なのですから。
 近代艦船は、相手ミサイルが飛んできても回避することを前提に、
互いにアウトレンジから攻撃し合うことを想定しているのです。
 3kmなどという、攻撃されたら回避不可能な近距離に近づくなど、
自衛艦の行動は軍事常識を逸しています。
 ありていに言えば、挑発です。
 そこで中国海軍は「あっちへいけ」アピールをしました。
 それがレーダー照射です。
 こちらが相手の嫌がることをしたのに対し、
相手はこちらの嫌がることをしたのです。
 相手を挑発して逸脱行為を引出し、
武力反撃の口実にするのは、戦争をしたい側の常套手段です。
 日本政府がそこまで目論んでいるとは思えませんが、
それくらい危ないことをしているということです。
 こんな内閣が唱える改憲がどれほど危ういか一目瞭然です。

・・・というような説明を、聴衆は求めているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 



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