[CML 022966] IK改憲重要情報(6)

河内 謙策 kenkawauchi at nifty.com
2013年 3月 4日 (月) 15:10:30 JST


IK改憲重要情報(6)[2013年3月4日]

 

 私たちは、内外の改憲をめぐる動きと9条改憲反対運動についての情報を発信します。(この情報を重複して受け取られた方は失礼をお許しください。転載・転送は自由です。)

   弁護士 市川守弘、弁護士 河内謙策

 

連絡先:〒170-0005東京都豊島区南大塚3-4-4-203 河内謙策法律事務所

(電話03-6914-3844,FAX03-6914-3884)

 

 弁護士アピールを支持する市民の会

 http://2010ken.la.coocan.jp/kaiken-soshi/

 

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エア・シー・バトル構想 憲法96条 リーダー論 

 

 オバマ・安倍会談をうけて、沖縄・普天間飛行場の辺野古移設問題が動き出しました。

http://article.okinawatimes.co.jp/article/2013-02-24_45699

  私(河内)は、一時期、沖縄問題にかかわっていた立場から、この間の取り組みの不十分さを反省し、今後どうしたらいいか考えているところです。だから、私が以下に述べるのは、私の模索の産物で、沖縄問題、ひいては日本の平和問題に取り組んでいる方への問題提起です。

 

 私は、沖縄問題が全国的な問題にならない原因の一つは、アメリカのアジア戦略についての民衆運動の側の研究・討論不足にあるのではないか、と思っています。

 

 アメリカのアジア戦略は、中国の台頭の中で大きく変化しています。アメリカと中国が、政治的にも軍事的にもアジアの覇権をめざして争う時代に入ったのです。(これまでの安保分析では、中国が視野に入っていませんでした。今となっては、信じられないことです。)

 2011年11月にオバマ大統領がオーストラリアで、「アジア太平洋地域はアメリカにとって最優先地域である」と演説し、米海兵隊2500名のオーストラリア常駐を発表しましたが、その戦略転換の基礎になっているのが、米国防総省が2010年に発表した統合エア・シー・バトル構想です。

 統合エア・シー・バトル構想とは、「中国軍が米軍を標的に新兵器や戦術を開発していることへの抑止として、中国側の主要拠点への空と海からの攻撃能力の大幅な増強などを主体としている」(はてなキーワード)といわれています。

(この簡単な紹介は、以下のサイトを見てください。)

http://d.hatena.ne.jp/keyword/%A5%A8%A5%A2%A1%A6%A5%B7%A1%BC%A5%D0%A5%C8%A5%EB

 

(この内容の詳細な研究が、海上自衛隊幹部学校の雑誌に掲載されています。)

http://www.mod.go.jp/msdf/navcol/SSG/review/1-2/1-2-8.pdf(上記URLで検索不可能の場合は、Googleに統合エア・シー・バトル構想の背景と目的と打ち込んでください。)

 

  この内容が、民衆運動にとって、とりわけ注目されるのは、中国軍の攻撃に対し、第一段階では、米軍らが、中国のミサイルの射程外に大きく後退することを内容としているからです。俗にいえば、大きく後退してから中国軍に反撃していくというのです。おそらく、沖縄の空軍と海兵隊は、まず撤退するのでしょう。これでは、何のために空軍や海兵隊が沖縄にいたのか、という疑問が出ることは必至です。中西輝政氏は、エア・シー・バトルと同様な発想に立つエア・ランド・バトルに対し、ドイツでは「我々を見捨ててフランスやスペインまでさがってソ連の侵攻に備えようというのか」「アメリカ軍はソ連をこわがって後ろに下がるのか、ドイツはどうなるんだ」という怒りが渦巻いた、アメリカに対して「アメリカが南半球まで下がったら日本はどうなるんだ。守ってくれるのか」と大騒ぎすべきだと述べています(中西輝政「賢国への道」133頁)。具体的にどう国や国民を守るのかという問題は、平和主義者には、一歩下がった論理なので分かりにくいかも知りませんが、民衆にとっては切実な問題です。軽視することは許されないと思います。沖縄だけのことではありません。日本の自衛隊も米軍を守ることを重点にすれば、日本を守らないかも知れないのです。

 もう1点は、沖縄の戦略的価値が低下することです。アメリカは、公式には否定するでしょうが、辺野古に基地を作る必要性が低下するのです。だからオーストラリアに海兵隊を常駐させることを言い出しているのです。アメリカ支配層の中では、沖縄に海兵隊がいる必要はない、という論者が増える可能性がありますこれは、沖縄問題にとって有利な条件が開かれることを意味します。佐藤正久氏も、そのことを指摘しています。

http://blogos.com/article/22509/

 

以上の私論に対し、アメリカの危険を過小評価する議論だ、という反論がなされるかも知りません。しかし、アメリカは平和の敵だということを抽象的に議論してきた過去の悪弊は克服しなければなりません。少なくとも議論をしなければ、平和運動は現実から取り残された単なるイデオロギー運動になってしまうでしょう。

昨年8月に発表された「第三次アーミテージレポート」は、米軍のエアシーバトル構想と自衛隊の動的防衛力構想のリンクを求めています。

沖縄を含めて日本がアメリカのアジア戦略の犠牲になるのはごめんだ、安倍の改憲構想は、国防軍をアメリカのエア・シーバトル構想に差し出すもので、日本を守るためのものではない、というキャンペーンが必要なのではないでしょうか。

 

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 安倍首相が憲法96条の改正を企んでいることは、よく知られていますが、なぜ96条の改正に反対するのか、という論理の研究は遅れています。「河北新報」と「神奈川新聞」の社説は、ずばりとこの問題に切り込んでいます。すばらしい社説です。大きく広める価値があると思います。

http://www.kahoku.co.jp/shasetsu/2013/02/20130223s01.htm

http://news.kanaloco.jp/editorial/article/1302250001/

 

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 日本の民衆運動の現状を大きく見ていると、さまざまなイベントや集会が企画されているにもかかわらず、2013参院選についての企画の少なさに気が付きます。また、2013参院選の重要性を口にしつつも、具体的には何も取組みをしない団体も目につきます。

 これは、非常に深刻な問題ではないでしょうか。

 私(河内)は、これについては、日本の民衆運動のリーダーの責任が大きいと思います。日本の民衆運動が危機的状況にあるときに、それを克服しようというリーダーが登場しないのです。そして、その原因のひとつに、日本の民衆運動で民衆運動のリーダーはいかにあるべきか(民主主義とリーダーシップの関係はどうあるべきか)についての議論をしてこなかったことがあるように思うのです。この点では、日本の支配層は、よく「勉強」しています。

 最近、半藤一利氏の「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」(文春新書)が話題を呼んでいます。これを読めば、日本の社会が第二次大戦の失敗を克服することに、いまだ成功してないこと、「左翼」も日本型リーダー論の影響を受け、その失敗を無意識的に繰り返していることが分かり愕然とします。

 お勧めします。

 

◎弁護士アピールを支持する市民の署名の第2次集約日は3月20日です。よろしくお願いいたします。

http://2010ken.la.coocan.jp/kaiken-soshi/

 

                      以上 

 

 

 

 

 

 

 

 



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