[CML 022916] 生活保護の人がパチンコ→市民に通報義務 小野市(兵庫)条例案

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2013年 3月 1日 (金) 10:23:36 JST


新聞記事
朝日新聞2013.2.27

生活保護の人がパチンコ→市民に通報義務 小野市条例案
 
生活保護や児童扶養手当の受給者がパチンコやギャンブルで浪費しているのを
見つけた市民に通報を義務づける条例案を、兵庫県小野市が27日、市議会に提案した。 

市は「不正受給防止のための、全国的にも例のない取り組み」という。
市には「全国に広げるべきだ」「相互監視社会になる」と、賛否の声が寄せられている。 


 名称は「市福祉給付制度適正化条例案」。
受給者が給付されたお金を「遊技、遊興、賭博などに費消」することを防ぎ、
「福祉制度の適正な運用と受給者の自立した生活支援に資すること」を目的に掲げる。 


 パチンコや競輪、競馬などによる浪費により「生活の維持、安定向上に支障が生じる 

状況を常習的に引き起こしている」と認められたり、不正受給の疑いがあったりする場合、
市へ情報提供することを「市民の責務」と明記した。
保護が必要な人を見つけた場合も、通報を義務づけている。
受給者に対しては勤労と節約を求めている。

 国は8月から生活保護について生活扶助の支給額を引き下げる方針。
市には、給付額が絞られる中で受給者の自立支援を一層図らなくてはならない、という 

考えがある。
蓬莱務市長は27日の市議会で「福祉給付制度の信頼確保と受給者の自立した生活を
支援することを目的とする。
監視強化ではない」と説明した。

 厚生労働省保護課は「生活保護法など関連法規に違反する面は見あたらない」との解釈だ。
「保護費のギャンブル浪費は制限されているわけではないが、当然、生活再建のためには
望ましいことではない。
それを具体化した条例、と受け止めている」としている。

 市によると、26日までにメールで26件、電話で10件の意見が寄せられたという。 

いずれも大半が市外から。
メールは「受給者がパチンコに興じるのは冗談じゃない。禁止は当たり前」
「条例が全国に広がることを期待する」など賛同意見が8割。
電話では「相互監視は許せない」などと批判する声が多いという。

■手法に疑問の声も

 【広川始】生活再建への支援策となるのか、相互監視を助長するのか――。
生活保護や児童扶養手当の受給者がパチンコなどで浪費するのを見つけたら、市民に
通報を求める条例案が27日、兵庫県小野市議会に提案された。
市は条例で制度の趣旨に見合った給付を果たしたい考えだが、手法に疑問の声も出ている。

 「生活保護世帯の増加とともに社会問題となっている保護費の不正受給を防止するため、
国に先んじた。
福祉給付制度の信頼回復と受給者の自立した生活を支援することを目的とする」。
27日の市議会本会議で、蓬莱務市長は条例案の狙いをこう話し、「監視強化ではない」と強調した。
市は「パチンコやギャンブルなどへの浪費を放置すれば、生活再建はおぼつかない」と説明する。

 ただ、だれが受給者か、市からデータを出すことはない。
特に働いていないのに目に見えて浪費しているといった、暮らしぶりへの疑問を通報してもらう
ことを想定している。
通報された人が受給者ではないこともありうるという。
市は寄せられた情報をもとに実態調査するための専従調査員2人を設ける。
警察や福祉関係のOBを想定している。

 市によると、市内の生活保護受給世帯は120世帯(149人)。
新年度予算案には支給総額約2億9千万円を計上している。
人口に対する保護率は0・29%と全国平均(1・68%)を大きく下回る。
不正受給を疑われるケースはあるといい、受給者への立ち入り調査は2011年度に4件、
今年度も5件実施した。
不正受給発覚による打ち切りは09年度に1件あったという。

 児童扶養手当は、420世帯に支給している。
不正受給を疑う市民からの通報はこれまでにもあり、通報に基づき、不正受給が判明したとして
今年度は10件の支給を打ち切っている。

■橋下・大阪市長「罰則なければ意味ない」

 橋下徹大阪市長は27日、生活保護受給者の浪費に市民の通報を義務づける兵庫県小野市の
条例案について、記者団に対して
「罰則がなければ意味がない。虐待(の通報)だって罰則付きの義務になってないんだから、
法体系を考えれば義務なんてない。問題があればどんどん通報してくれればいい」と否定的な
考えを示した。

■保護必要な人の排除懸念

 《厚生労働省社会保障審議会の生活保護基準部会委員を務める道中隆・関西国際大学教授
(社会保障論)の話》 
相次ぐ不正の発覚で、受給者に対する世論は厳しく、小野市の条例案に賛同する見方もあるだろう。
しかし、プライバシーに踏み込んだ監視になると、そんな目に遭うのはいやだと生活困窮者が
申請を自粛してしまい、その結果、真に保護を必要とする人が排除される懸念がある。 

自立した生活を支援するには、家庭訪問や就労支援を続ける体制を整え、充実させることが
大切ではないか。 



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