[CML 025184] 被曝量、『線量計』で自己管理・帰宅を提案 福島で政府説明会 再除染応ぜず
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2013年 6月 29日 (土) 23:50:07 JST
新聞記事
朝日新聞・朝刊 2013.6.29
被曝量、『線量計』で自己管理・帰宅を提案 福島で政府説明会 再除染応ぜず
http://digital.asahi.com/articles/TKY201306280672.html?ref=pcviewer
政府が福島県田村市の除染作業完了後に開いた住民説明会で、空気中の放射線量を
毎時0・23マイクロシーベルト(年1ミリシーベルト)以下にする目標を達成できなくても、
一人ひとりが線量計を身につけ、実際に浴びる「個人線量」が年1ミリを超えないように
自己管理しながら自宅で暮らす提案をしていたことが分かった
■「希望者には線量計」
田村市都路(みやこじ)地区は避難指示解除準備区域に指定され、自宅に住めない。
政府が計画した除染作業は一通り終わったが、住宅地は平均毎時0・32~0・54マイクロに
とどまり、大半の地点で目標に届かなかった。
政府は今月23日に住民説明会を一部非公開で開いた。
朝日新聞が入手した録音記録によると、住民から「目標値まで国が除染すると言っていた」と
再除染の要望が相次いだが、政府側は現時点で再除染に応じず、目標値について「1日外に
8時間いた場合に年1ミリを超えないという前提で算出され、個人差がある」と説明。
「0・23マイクロと、実際に個人が生活して浴びる線量は結びつけるべきではない」としたうえで
「新型の線量計を希望者に渡すので自分で確認してほしい」と述べ、今夏のお盆前にも自宅で
生活できるようにすると伝えた。
説明会を主催した復興庁の責任者の秀田智彦統括官付参事官は取材に「無尽蔵に予算が
あれば納得してもらうまで除染できるが、とてもやりきれない。
希望者には線量計で一人ひとり判断してもらうという提案が(政府側から)あった」と述べた。
除染で線量を下げて住民が帰る環境を整える従来の方針から、目標に届かなくても自宅へ帰り
被曝線量を自己管理して暮らすことを促す方向へ、政策転換が進む可能性がある。
環境省は取材に対して説明会での同省の発言を否定した。
録音記録があり、多くの住民も証言していると伝えたが、明確な回答はなかった。(青木美希)
■福島県田村市の除染結果
〈A〉除染前の線量水準と測定地点数
〈B〉除染前の平均線量
〈C〉除染後の平均線量(目標値は0.23)
*
【宅地】 〈A〉 〈B〉 〈C〉
1.0以上/ 383地点 1.24 0.54
0.75~1.0/1107地点 0.86 0.50
0.5~0.75/2789地点 0.62 0.41
0.5未満/2179地点 0.42 0.32
【農地】 〈A〉 〈B〉 〈C〉
1.0以上/ 93地点 1.14 0.76
0.75~1.0/ 565地点 0.86 0.60
0.5~0.75/1654地点 0.63 0.48
0.5未満/ 685地点 0.45 0.37
(地上高1メートル測定。単位は毎時マイクロシーベルト)
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政府、被曝量の自己管理を提案 「除染完了」説明会で
http://digital.asahi.com/articles/TKY201306280625.html?ref=reca
【青木美希】政府が福島県田村市の除染作業完了後に開いた住民説明会で、
空気中の放射線量を毎時0・23マイクロシーベルト(年1ミリシーベルト)以下にする目標を
達成できなくても、一人ひとりが線量計を身につけ、実際に浴びる「個人線量」が年1ミリを
超えないように自己管理しながら自宅で暮らす提案をしていたことが分かった。
「その気なら増産してもらう」
田村市都路(みやこじ)地区は避難指示解除準備区域に指定され、自宅に住めない。
政府が計画した除染作業は一通り終わったが、住宅地は平均毎時0・32~0・54マイクロに
とどまり、大半の地点で目標に届かなかった。
政府は今月23日に住民説明会を一部非公開で開いた。
朝日新聞が入手した録音記録によると、住民から「目標値まで国が除染すると言っていた」と
して再除染の要望が相次いだが、政府側は現時点で再除染に応じず、目標値について
「1日外に8時間いた場合に年1ミリを超えないという前提で算出され、個人差がある」と説明。
「0・23マイクロと、実際に個人が生活して浴びる線量は結びつけるべきではない」としたうえで
「新型の優れた線量計を希望者に渡すので自分で確認してほしい」と述べ、今夏のお盆前にも
自宅で生活できるようにすると伝えた。
説明会を主催した復興庁の責任者の秀田智彦統括官付参事官は取材に「無尽蔵に
予算があれば納得してもらうまで除染できるが、とてもやりきれない。
希望者には線量計で一人ひとり判断してもらうという提案が(政府側から)あった」と述べた。
除染で線量を下げて住民が帰る環境を整える従来の方針から、目標に届かなくても自宅へ
帰り被曝線量を自己管理して暮らすことを促す方向へ、政策転換が進む可能性がある。
環境省は取材に対して説明会での同省の発言を否定した。録音記録があり、多くの住民も
証言していると伝えたが、明確な回答はなかった。
■被曝管理、住民に転嫁
《解説》地域の放射線量が目標値に下がるまで国の責任で除染を進め、避難区域が解除されて
から自宅へ帰る。
原発事故で避難した住民の多くはそう思っているに違いない。
だが、政府が23日の住民説明会で提案したのは、除染目標を達成できなくても自宅に戻り、
線量計を身につけながら被曝線量を自己責任で管理するという生活スタイルだった。
被曝線量「年1ミリシーベルト以下」という除染目標は平常時の国際基準と同じ値で、政府は
「1ミリ以上の地域を国の責任で除染する」としてきた。
住民が再除染を求めるのは当然の心情だ。
福島県田村市の農業の女性(60)は「自宅の線量は目標値の2倍近く。2歳の孫が安全か
分からない。
壁を塗って線量を下げようと思う」と心配そうだった。
除染は大幅に遅れ、作業後も目標に届かない地域が相次ぐ一方、今年度までに1・5兆円を
投入し、最終コストは見通せない。
政府は今夏に除染計画を見直し、帰還工程表をつくる。
避難区域解除や自宅に帰る時期を明示するかが焦点だ。
23日の説明会では、除染目標に届かなくても帰還をなし崩し的に進める政府の本音がにじんだ。
国費で開発した小型線量計を自宅に戻る希望者に無償配布して被曝量を抑える生活を工夫して
もらい、帰宅者を増やして避難区域解除の環境を整える狙いが垣間見えた。
解除後には賠償が打ち切られる。自宅に戻らずに暮らしていけるのかという不安も広がる。
除染に責任を持つと言いつつ、再除染を拒んだまま住民に責任を転嫁する形で帰還を進めるのは、
国の責任の放棄だ。
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