[CML 024862] 附記:ある左翼知識人おふたりの論への違和感~「都議会選挙の構図は、『日本共産党』対『靖国派』」という澤藤統一郎さん(弁護士)の構図に倣えば、参院選の構図は、「日本共産党」対「壊憲派」(「生活保護法」改悪派)というべきか

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 6月 12日 (水) 18:16:52 JST


左翼として昔から著名な市民運動家と左翼としてこの人も昔から著名な作家との間で安倍政権及び民主党の評価に関して次の
ような応答がありました。

左翼として著名な市民運動家:
それに2009年「政権交代」は交代しなかったことの何倍も良かったし、あれほど無様な醜態をさらした末期(野田政権)でさえ
自民党政権「よりマシ」だった。

左翼として著名な作家:
そうですね、いまの安倍自民党よりははるかにマシだった。だから、いっそうかなしい。 



以下は、そのおふたりの左翼知識人の会話に強い違和を感じて反駁した私の感想。

        そうでしょうか? 私はそうは思いません。

        民主党が自民党政権「よりマシ」「はるかにマシ」だというおふたりの評価について、今回の衆院での「『生活保護
        法』改悪法案賛成多数で可決」という事態をひとつの事例として反証してみます。

        この今回の「生活保護法」改悪法案に関して民主党の自民党「よりマシ」な点をいうとすれば、同党が生活保護法
        改正案に盛り込まれた申請手続きに関する条文について書類がそろわなくても申請できることを条文でもはっき
        りさせるよう求めることにしたことを挙げることができるでしょう(「生活保護法改正案、民主が修正要求へ 申請手
        続き巡り」朝日新聞 2013年5月27日)。
        http://www.asahi.com/politics/update/0527/TKY201305270370.html

        自民党は民主の修正要求を呑みましたが、その結果が、衆院における「生活保護法」改悪法案の民主党を含む
        賛成多数での可決です。

        この民主党の修正要求を「よりマシ」と評価できるでしょうか?

        昭和25年に成立して以来63年間、現行の生活保護法は、「水際作戦」を許容する余地を残すなどさまざまな問
        題点を抱え込みながらも「最後のセーフティネット」としてまがりなりにも機能してきました。その「最後のセーフティ
        ネット」がいま根底的に突き崩される崖っぷちに立たされているのです。

        ■「生活保護法」改悪法案が衆院で賛成多数で可決 自民、民主、日本維新、公明、みんな、生活各党の暴挙を
        弾劾する(弊ブログ 2013.06.04)
        http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-590.html

        「最後のセーフティネット」をなし崩しにしているという点では民主党と自民党は同罪です。

        民主党を自民党よりも「よりマシ」などと評価できますか? 私は評価しません。

        修正案なるものを提起して「よりマシ」な幻想を抱かせて憲法の根底的原理である「基本的人権の尊重」「個人の尊
        厳」を踏みにじる行為は「より悪質」とみなせるものです。強く弾劾されなければなりません。

        さらに政権交代後の民主党政権の悪政は、そのあまりもの悪政のゆえに自民党政権回帰を導いたという意味でも、
        「『政権交代』は交代しなかったことの何倍も良かった」などととても評価できるものでもありません。

        もちろん上記は、今回の事態に即して見た一例にすぎません。



東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/




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