[CML 024770] 日本軍「慰安婦」問題 軍・官憲による暴行・脅迫を用いた「強制連行」性について――吉見義明さん(中央大学教授)の「橋下徹市長への公開質問状」(2013年6月4日付)の論のご紹介を兼ねて

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 6月 7日 (金) 16:35:57 JST


いまだに日本軍「慰安婦」問題に関して、当時の日本軍の「慰安婦」に対する「強制連行」性について疑う者がいます。

その一端としての現代史家の秦郁彦や日本維新の会国会議員団代表の平沼赳夫の妄言についてはこちらの記事
(-2)(注1)でもすでにご紹介させていただいていますが、泥憲和さん(姫路総合法律事務所事務局)が発信された
「日本軍慰安婦について連続ツイート」(注2)という記事に関して本人は正論を述べているつもりなのでしょうが上記
の妄言者と同様の無知を揚言する人がいました(同左)。
注1:http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-583.html
注2:http://civilesociety.jugem.jp/?eid=21455

いわく、

        「娘を売らざるを得ないのは貧困が原因です。戦争以前からの問題でした。買ったのは軍隊ではなく業
        者であることは残っている資料からわかります。従って、これは「国や軍隊による強制」の証拠ではあり
        ません。」

        「買ったのは業者だという証拠です。軍隊とは関係がありません。」 


しかし、自信たっぷりのこの揚言者の発言も本人の「主観」を一歩も踏み出ない、すなわち、すでに明らかになってい
る数々の「事実」をまったく無視した、そういう意味で客観性のない妄言にすぎません。 


そのことを「慰安婦」問題研究の第一人者の吉見義明さん(中央大学教授)の「橋下徹市長への公開質問状」(2013
年6月4日付)に即して証しておきたいと思います。参照するのは同公開質問状の「第5 
 軍・官憲による暴行・脅迫を
用いた連行」の項です。以下、吉見義明さんの表現をそのまま用います。引用者の注もご参考にしてください。
http://bit.ly/1896i6W

        1 あなたは、本件書簡(引用者注参照)において、インドネシアのスマランで軍・官憲が暴行脅迫を用
        いた連行(略取)によりオランダ人女性を慰安所に入れたことを認めておられますが、これは軍・官憲
        による強制連行ではありませんか。
        *引用者注:2012年10月29日付の橋下大阪市長の吉見義明氏宛書簡のこと。

        2 オランダ政府の報告書(引用者注参照)によれば、上記スマラン事件以外に、ブロラでの軍による
        略取(監禁・レイプ)、1944年1月のマゲラン事件、同年4月のスマラン・フロレス事件、1948年3月
        のシトボンド事件など8件の軍・官憲による略取(未遂を含む)が挙げられていますが、 あなたはこれ
        を知っていますか。
        *引用者注:「慰安婦にされた女性たち-オランダ」(アジア女性基金)参照。
        http://www.awf.or.jp/1/netherlands.html
        *オランダ政府報告書の前文は下記を参照。
        http://www.awf.or.jp/pdf/0205.pdf

        3 また、 白人女性ではなく、インドネシア人女性の軍・官憲による略取については、アンボン島で、海
        軍が「慰安婦狩り」を行ったという元主計将校坂部康正さんの証言、サパロワ島で民政警察が強制的
        に連行したという禾晴道さんの証言(引用者注参照)、モア島で地元の女性を強制的に慰安所に入れ
        たという、極東国際軍事裁判証拠記録(オハラ・セイダイ陸軍中尉の証言)(引用者注参照)などがあ
        りますが、あなたはこのよう証言があることを知っていますか。
        *引用者注:坂部康正さんの証言と禾晴道さんの証言は下記参照。
        http://www.geocities.jp/yubiwa_2007/gunkyouseirenkou.html
        *引用者注:オハラ・ セイダイさんの証言は下記参照。
        http://space.geocities.jp/ml1alt2/data/data5/data5-04.htm

        4 日本の裁判所は、中国の山西省と海南島で、軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した事実に
        関して、たとえば「日本軍構成員によって、駐屯地近くに住む中国人女性(少女も含む)を強制的に拉
        致・連行して強姦し、監禁状態にして連日強姦を繰り返す行為、いわゆる慰安婦状態にする事件が
        あった」とを認定しています(中国人第一次裁判東京高裁判決・2004年12月15日)。これ以外にも、
        中国人第二次裁判東京地裁判決・2002年3月29日、同東京高裁判決・2005年3月18日、山西
        省裁判東京地裁判決・2003年4月24日、同東京高裁判決・2005年3月31日、海南島裁判東京
        高裁判決・2009年3月26日などで、軍による暴行・脅迫を用いた連行の事実を認定していますが、
        あなたは日本の裁判所がこのような事実認定をしていること知っていますか。
        *筆者注:坪川宏子・大森典編『司法が認定した日本軍「慰安婦」』(かもがわブックレット、2011年)
        参照 。
        http://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC/dp/4780305144

        5 上記2乃至4に照らせば、日本軍が暴行・脅迫を用いて女性たちを連行した多数の事実が認めら
        れているのではありませんか。



東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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