[CML 025651] なぜ宮崎駿「風立ちぬ」を批判しないの?

上原丘 spilliaert at jcom.home.ne.jp
2013年 7月 30日 (火) 16:32:25 JST


CMLの皆様

日本のアジア太平洋戦争を否定し反戦の立場であるCMLで、なぜ宮崎駿の「風
立ちぬ」を批判する声が聞こえてこないのでしょう?あの映画は事実上、東條英
機を肯定した映画「プライド」と同じような反動映画でしょう。

「風立ちぬ」は零戦設計者の話といいながら、設計者の戦争責任を問わざるを得
ない悲惨な話になるから零戦は登場させず、戦時中に戦争に強くかかわった実在
の人物の話なのに戦争の様相や意味はまったく描写しません。逆に「飛行機は兵
器じゃない純粋に美しいモノだ」と主人公に夢の中で言い訳させる暗黙の戦争肯
定映画になっています。また病身の恋人にただ男に尽くす事を要求する、酷い男
尊女卑映画でもあります。

毎日新聞(7月21日・日曜版)では藤原帰一氏が「戦闘機の美しさは戦場の現実
と裏表の関係にある(略)戦争の現実を切り離して飛行機の美しさだけに惑溺す
る姿は(略)子供っぽい」と批判しています。宮崎駿氏は、自分で告白している
ように、戦車の仕様表だけを眺めても嬉しくてニヤニヤしてしまう程の、究極的
な”兵器オタク”です。

兵器オタクの言い訳の「兵器は好きだけど戦争は嫌い」が間違いなのは、零戦を
B29や原爆と置き換えれば日本人ならすぐに判ることです。宮崎もそれがいけ
ない事だと十分知っているから雑誌「熱波」を配ったのでしょう。しかし映画の
影響力の方が雑誌よりはるかに大きいし、映画人である彼がやるべきだったの
は、映画で憲法改悪に反対することでしょう。だが宮崎駿がやったのはその正反
対の「兵器いいじゃん」だった訳です。


「風立ちぬ」を見て上記のように感じなかった方は、週末に以下のNHK番組と
比較して考えてみてください。

NHKBSプレミアム「零戦〜搭乗員たちが見つめた太平洋戦争〜」(前・後編)
放送:2013年8月3日(土)・10日(土)午後9:00〜10:30
「零戦はなぜ悲劇的な運命を迎えたのか。そして渦中に置かれた搭乗員たちはそ
の現実とどのように向き合ったのか。番組では、今は僅かになった元零戦搭乗員
の証言や零戦を作り上げた天才設計者の苦悩と葛藤など、零戦をあらゆる角度か
ら描き、その全体像に迫ります。また、最初の特攻隊の一員として戦死した搭乗
員・大黒繁男さんとその家族の物語をドラマで描きます。」
http://cgi4.nhk.or.jp/navi/detail/index.cgi?id=09_0005

CMLの一読者より


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