[CML 025431] 東電用地買収に裏金疑惑 青森の核燃料中間貯蔵施設

BARA harumi-s at mars.dti.ne.jp
2013年 7月 17日 (水) 01:58:32 JST


新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.16

東電用地買収に裏金疑惑 青森の核燃料中間貯蔵施設 西松建設、2億円肩代わり
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307150312.html?ref=reca

 【市田隆、久木良太】東京電力が青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料中間貯蔵施設をめぐり、
2007~08年に西松建設の裏金2億円で用地買収工作を進めていたことが、関係者証言や西松建設の
内部資料で分かった。
東電の清水正孝元社長と皷(つづみ)紀男元副社長(当時はいずれも副社長)が西松側に資金支出を
依頼したという。
原発関連施設の立地で東電首脳が関与した裏工作疑惑が表面化した。

「東電の影」、裏交渉役

 問題の買収対象地は、使用済み核燃料が陸揚げされる港と中間貯蔵施設を結ぶ約1・5キロメートルの
専用道路に貫かれる形で両側に隣接する二つの土地計約1ヘクタール。
地権者からこの土地の買い上げを東電側が求められていた。

 東電幹部らによると、東電側は当初、この土地の買収を避けるため、地下トンネルを掘ることを検討
したが、建設費が高額となるため断念。
買い上げ交渉を、東電役員と付き合いがあった警備会社「ニューテック」(青森県六ケ所村)の白川司郎
会長に依頼した。
白川氏の周辺関係者によると、白川氏は買収前、「トンネルを通すと費用がかさむため、自分が東電から
相手方との調停役を頼まれた。
数億円かかる」と話していたという。

 朝日新聞が入手した西松建設の内部資料や、同社の石橋直副社長(当時)の証言によると、
東電副社長だった清水、皷両氏が07年11月ごろ、西松の国沢幹雄社長(当時)、石橋氏と東京・新橋
周辺の飲食店で面談。
清水氏らは、むつ市の用地買収で「法外な金額を要求されており、2億~3億円かかる」と打ち明けた上で、
「白川氏は『西松建設に頼んだらどうか』という。
工面してもらいたい」と依頼し、西松側はその場で了承した。
東電側は「白川氏と相談してほしい」と西松側に伝えたという。

 朝日新聞が入手した白川氏の顧問弁護士名の文書には、西松が調達した2億円が地権者側に渡り、
さらに不足分を白川氏側が立て替えたとの記載があった。西松側の作成資料にも、同じ内容が記されていた。

 内部資料によると、西松側は使途を明らかにしない資金から2億円を支出したとされ、その時期に近い
08年6月、東電の関連会社で、中間貯蔵施設を運営する「リサイクル燃料貯蔵」は、この対象地を額面上は
約2千万円で買収した。
買収工作が完了した後、ニューテックは10年までに、施設の警備業務を数十億円で受注している。

 一方、西松側資料には、石橋氏が用地取得後に東電幹部と会い、「10年間で計500億円の発注を
約束するとの発言を得た」との記述もあった。
西松は、東電福島第一原発の増設工事などを希望したが、東日本大震災の後、増設計画は白紙撤回された。

 東電や西松関係者によると、東電の発電所などへの設備投資額は年間5千億~7千億円で推移し、
ゼネコン各社は東電を重要な取引先と位置づけている。
西松建設は、発注額が大きい原発関連事業の受注を狙い営業活動を強めていた。

■東電「承知せず」 西松「資料ない」

 朝日新聞の取材に対し、東京電力広報部は「当時の役員の一つ一つのやり取りについては承知して
おりません」と答え、現時点で清水元社長らに事実確認をする意思はないとの見解を示した。
西松建設は広報部長名の文書で「内容を確認できる内部資料は、弊社には存在せず、回答はできません」
とした。
白川司郎氏は文書で「用地買収などに関係したことは一切ございません」などと自身の関与をすべて否定した。
「東京電力社員にお会いしたのは、過去から現在までせいぜい5~7人でなかろうかと思います」と述べている。

 「リサイクル燃料貯蔵」は、「私契約に関することであり、回答は控える」とした。 


■しわ寄せ、利用者に

 【村山治】電力会社は一般の会計監査に加え、経済産業省の監査もあり、秘密資金を捻出することが難しい。
電力会社が前面に出ず、ゼネコンが「前さばき役」として地元対策を代行することがあるとされてきた。

 東京電力が西松建設に裏資金を肩代わりさせ、西松側には後から工事発注で穴埋めしようとしたのだ
とすれば、工作を露見しにくくするためコンプライアンス違反を犯した疑いが濃い。

 東電の経営は、ほぼ電気料金収入で成り立っている。原発関連施設の立地に伴うこうした裏のコストは、
結局は電力利用者が負担させられる。

 東電福島第一原発の事故以降、将来も原子力エネルギーを選択すべきか否かの国民的議論が起こった。
もし、裏のコストを隠したまま原発運転を強行することになれば、利用者の理解を得られまい。

 東電は「当時の役員のやりとりは承知していない」というが、問題の施設はまさにこれから稼働するものだ。
東電は早急に自ら事実関係を調査し、結果を説明する義務がある。

     ◇

 〈中間貯蔵施設〉 原発の外で使用済み核燃料を再処理するまで保管する施設。
震災前、全国の原発から出る使用済み燃料は年約1千トンで、六ケ所村再処理工場で処理できる年最大
800トンを超えるため、中間貯蔵が必要とされた。
原発内の貯蔵量が限界に近づき、原発の運転継続には、中間貯蔵の整備が不可欠とされる。
青森県むつ市で建設中の「リサイクル燃料備蓄センター」は、東電80%、日本原電20%の出資による
全国初の施設。
使用済み燃料計5千トンを最長50年間貯蔵する予定だ。
2010年8月に建屋の工事を始め、建設費は約1千億円。
今年10月の操業を目指してきたが、国は12月施行の新規制基準への適合が必要だとしている。

----

「東電の影」、裏交渉役 施設誘致から関与か

「原子力施設の立地は裏仕事なしに実現しない」。
東京電力幹部はこう語り、日本初の使用済み核燃料中間貯蔵施設の立地に貢献した警備会社ニュー
テック会長の白川司郎氏(67)を評価していた。
白川氏やその側近らは、施設用地の買収だけではなく、青森県むつ市に誘致する段階から東京電力に
先行して重要な役割を果たしていたという。
地元関係者は白川氏らを「東電の影」と呼んだ。

東電用地買収に裏金疑惑(7/16)

 施設の立地計画では、2003年に当時の杉山粛(まさし)・むつ市長(07年死去)が正式に施設
誘致を表明。
05年には青森県知事も受け入れ表明と順調に進んだ。同年までに用地買収もほぼ終了したが、
最後の懸案として残ったのが問題の買収対象地だった。

 東電関係者らによると、この地権者は買い上げを求める一方で、中間貯蔵施設のあり方に異議を
唱える文書などを青森県知事やむつ市長に送っていたという。

 東電社員らが何度も交渉にあたったが、東電側が最終的に頼ったのが白川氏だった。 


 そもそも、白川氏のグループはむつ市が施設を誘致するきっかけとなった場面から動いていた、と
東電関係者は明かす。

 誘致の中心人物で、むつ市長だった杉山氏が生前、朝日新聞記者に証言したところによると、
1999年に杉山氏に誘致を打診したのは、白川氏の当時の側近だった。
杉山氏はその後、この側近の勧めで東電本店に行き、山本勝・総務担当副社長(当時、01年死去)
と初めて会った。
そこから施設誘致の本格的な交渉が始まったという。

 杉山氏は取材に対し、上京した際に白川氏と会合を持ったことを認めた。
東電に代わり地元対策を担っていた白川氏のグループについて、杉山氏は「東電のゴースト(影)」
と呼んだ。

 一方の白川氏は、「むつ市の関係者と会ったことは一度もない」と完全否定した。

 白川氏らは85年にニューテックの前身である「日本安全保障警備」を設立。
同社は、青森県六ケ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の警備や警備システムのリースが
主な業務だ。

■「別に8千万円立て替えた」 西松と金銭トラブル

 【田内康介、野上英文】東電が西松建設に裏資金の捻出を要請した疑惑で、当時、西松を
捜査した東京地検も把握できなかった両社の首脳同士の密議。
これが発覚したのは、用地交渉にかかわった警備会社会長・白川司郎氏と西松の間で金銭トラブル
が起き、西松で社内調査が実施されたためだった。

 複数の西松関係者によると、白川氏は09年、西松が調達した2億円とは別に、むつ市の用地買収
資金として自分が8千万円を立て替えたとしてこれらの追加支払いを西松側に要求。
ほかの過去の取引でも西松に対する債権があると主張したという。朝日新聞が入手した西松の内部
資料は、こうした白川氏側の要求や、西松の社内調査結果をまとめたもので、A4判で数十枚に上る。

 さらに白川氏側は、顧問弁護士名で「経過の概要」と題した文書にこの要求内容をまとめて
西松側に通知したとされる。

 この文書では、東電をT社、西松をN社などとイニシャルで表記。
白川氏側が「土地を2億8000万円で買い受ける合意を取り交わすことに成功しました」としたうえ、
2億円は「N社で調達」、残る8千万円は「やむなく当方が立て替え」と記載されていた。

 一方、08~09年に東京地検特捜部が西松の裏金について捜査。
国沢幹雄社長らが別の違法献金事件などで逮捕され、有罪判決を受ける事態になった。 


 当時、特捜部は東電と西松のつながりにも関心を持ち、西松関係者らを事情聴取するなどしていた。
むつ市の用地取得の動きは、この捜査中に進行していた。
ただ、特捜部は事実関係をつかみきれなかったとされ、西松側の資料には、石橋直副社長が東電
幹部に「事件化はしていない。安心してほしい」「当社側からも、白川氏側からも公にならずに済み
そうだ」と説明したことが書かれていた。

■東電元副社長、面識は認める

 用地買収で裏金2億円の支出要請があった会談の出席者とされる東京電力と西松建設の首脳4人。
朝日新聞の取材に、西松元副社長の石橋直氏以外は事実関係を認めなかった。

 東電元社長の清水正孝氏には、自宅に質問状を送ったが回答はなかった。
同元副社長の皷紀男氏は「記憶がないし、そういう事実も知らない」と述べた。
ただ、白川氏と面識があることを認め、「中間貯蔵施設の建設では、当初お世話になった」と話した。

 西松建設元社長の国沢幹雄氏は「記憶にない」と話した。
石橋氏は、国沢氏と一緒に東京・新橋周辺の飲食店で東電の清水、皷両氏に会い、用地買収の
依頼を受けたことを認めた。
ただ、石橋氏はこの取材から1週間後、「否定ということにしておいてください」と記者に電話をかけてきた。

 用地を売却した地権者は2億円について「もらってない」と否定している。 



CML メーリングリストの案内