[CML 025372] 自由と民主主義様、出て行ってください

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2013年 7月 12日 (金) 21:54:57 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

民衆のマグマに押されたエジプトの軍事クーデター直後に書かれた、シャーマイ
ン・ナル ワーニ氏(オックスフォード大学・アントニィ・カレッジの中東研究
者)の一文を、拙訳ですが紹介させていただきます。

女性の視点から、アラブ民衆のエネルギーの核にある「道義と尊厳」に着目し、
これに対 する「軍事化」でコントロールする欺瞞的な米国型「自由と民主主
義」は「中東から出て行ってください」と訴えています。私は、沖縄と日本 か
らも出て行ってほしいと思います。

(なお、米国はエジプトへの軍事援助、武器供与継続のために(要するに紐付き
のため に)、さかんに「軍事クーデターではなかった」と言い張っていますが。)

※【訳注】:著者は、「Freedom and democracy(自由と民主主義)」に対し
て、「Honor and dignity(名誉と尊厳)」を対峙させています。ここでは、
Honorを「道義」と訳してみました。

●出典:Intifada-Palestine: Posted: 06 Jul 2013 01:05
http://feedproxy.google.com/~r/intifada-palestine/yTiY/~3/ktEeNKPM5NM/?utm_source=feedburner&utm_medium=email

*FreedumbAndDemocrazy*

*自 由と民主主義様***

シャーマイン・ナルワーニ(松元保昭訳)
2013年7月6日

自由と民主主義。私はどういうわけ か、この言葉が嫌い になりました。二つの
とても高尚な言葉が結び付けられ、―あらゆる諸国民を骨抜きにする言葉の手
りゅう弾となって―帝国の小間使いたちに まき散らされてき ました。「自由と
民主主義」と聞くと、私は本能的に逃げ出したくなります―いま戦場で次々にア
ラブ人とムスリムたちが撃たれているとき、 彼らが精いっぱい 「アッラー・ア
クバル(神は偉大なり)」と叫ぶように。

「自由と民主主義」は闘争であり、私 の記憶にある西側の体制転換という作戦
のひとつひとつで人は泣き叫んでいます。無垢な民間人を死なせ、街を破壊させ
る作戦のその跡は、犯 罪と堕落、無政府状態です。

私たちのボキャブラリーにすっかり定 着したこの言葉 は、中東においては危険
な言葉です。にせの革命に夢中になった人々は、以前私たちに「自由」という爆
弾を落としたアメリカ人のように、い ま、自分の正義を 確信し狂った目で金切
り声をあげて、この愚かな外来の慣用語をまくしたてています。

しかし、アラブ人とムスリムは、最近 の記憶を深く掘り起こすべきです。:

*米国に支持されたあなた方の独裁者に対して立ち上がったとき、あなた方に最
初 に発っせられた言葉は、「自由と民主主義」ではなく「道義と尊厳」でし
た。*引きつづく混乱のなかで、この事実はどのように道に迷ってしまったので
しょう?

さらに、いったいこの区別によってど んな違いが生まれているのでしょう?

ひとつには、「自由と民主主義」は、 中東になじみの薄い社会的自由と統治の
西側スタイルの基準を、常に、提示してきました。私たちは今のところその段階
にはないし―ともかくありえないし―また、たぶんそうならないでしょう。多くの
地域国家は、明らかに頑迷な政治的進化のプロセスの中にまさに発生期 の姿が
入り込んでいます。彼らの個性的な文化と歴史同様に、土着の独特な統治モデ
ルを例外なく作りあげていて、それをそれぞれの国民が持っているからです。

もし、いくつかの町が彼らの政治プロ セスを時代遅れの 闘鶏で決めたとした
ら、どうでしょう?民族国家の分裂、あるいは少数民族の反乱、または宗派間の
殺戮を妨ぐために、たった一人の有力者が いることが唯一の 方法であるとした
ら、どうでしょう?あるいは、まずは子どもを養い仕事を見つける―ことを想像
して―そうしたいと思うゲイとレズビアンの 権利を、人々が心 からまったく気
にかけないとしたら、どうでしょう?女性の選挙権?ジェンダー融和のサッカー
スタジアム?職場内保育?労働者の権利?大事 な才能…でも…ま ず、食べ物、子
ども。

つぎに、もう一方に不幸な結びつきが あります。自由と民主主義は、兵器とい
うごほうび、軍事基地、米国製無人機でいっぱいの空から浴びせられる爆弾を
いっしょにもたらしま す。さらに財政援助がすべての愚かさのニュアンスと結
びついています。

自由と民主主義は、非常に明敏です。 要するに、それは友好的な独裁政権を無
視するようです。それは、帝国(一般市民を含む)と対立する人々の指導者たち
の上に不可解な正 確さで、結局は打撃を与えます。

そしてそれは、たとえば選挙はすべて 重要という前提条 件で、外国に押し付け
る基本理念なのです。帝国がそれを信じないということを除いてですが。例え
ば、ハマスの勝利を結果したパレスチナの 選挙、立候補者が 都合が悪いという
イランの選挙、あるいは不正の「音がする」というロシアの議会選挙などを、な
ぜ別にして退けるのでしょう?

でも、友好国の専制君主が息子に権力 を手渡すとき、庇護国が民衆の合法性を
配慮しないとき、米国製兵器の巨額の予算が関係する軍事同盟国が公然と選挙を
拒否するとき、帝国の 沈黙は聞こえない防音装置になっているのです。

道 義と尊厳は、そのようなもののひとつもありません。それは選挙を意味しま
せん。個人の権利を意味しません。それは非利己的で寛大です。― それは、正義
が何 であるか、重要さが何であるか、優先されるべきものが何であるかを理解
しています。それは、成果を、復元力を、広まる興奮を、辛抱強く待 つことで
しょう。 でも、即時に訂正すべきものはきっぱりと要求します。*国 家は民衆
の意思に従って評定し行動しなければならないのです。***

この違いが何か、もっと言ってみま しょうか?

自由と民主主義は、米国=イスラエルの覇権とGCC(ペルシャ湾岸協力会議)
のオイルダラーを喜んで迎えます。道義と尊厳は、そうではありま せん。

自由と民主主義は、パレスチナの土地 の植民地化を是正する「プロセス」があ
ると考えます。道義と尊厳は、ただひとつのこと、脱植民地化があると知ってい
ます。

自由と民主主義は、中東における、周 縁に追いやられた非合法な諸集団、諸宗
派、諸民族を中傷し貶めることを捜し求めています。道義と尊厳は、違いからく
るいろんな特徴をもつ 人々の中でさえ、調和的な関係と協力を捜し出します。

自由と民主主義は、軍事化によって統 治されます。―そ れは軍事基地を捜し、
その同盟諸国を武装化し、レッドラインを引き、脅迫し、不均衡な報復をし、安
易に懲罰し、攻撃しやすい弱者をター ゲットにします。道 義と尊厳は、同胞に
よる関与と仲裁といったソフトパワーに信頼します。

自由と民主主義は、*常に、*独裁権力と残虐行為を支援してきました。道義と尊
厳は、それを止めさせたいのです。

自由と民主主義は、外国のアドバイ ザーとNGOの援助による政治的な、社会
的な、経済的な諸計画を実行させるお返しに、トラック一台分の現金をあなたに
与えます。道義と尊 厳は、*自分たちの*間違いから学ぶことを固く決 心してい
ます。

自由と民主主義は、あなた方のために 何がベストか知っています。道義と尊厳
は、自から決定することを望んでいるのです。

自由と民主主義は、まだ「準備してい ない」と考えるあなた方の自立を恐れて
います。道義と尊厳は、それを味見し、それを舐めてみ、それを抱きしめ、それ
をやってみるという、 欲することを我慢しません。

自由と民主主義は、銃を突きつけ、あ なた方の境界を侵犯します。道義と尊厳
は、それは人を撃ち殺してしまい人はそこから学びはしない、ということを知っ
ています。

自由と民主主義は、もちろん自由で民 主的であると考えます。しかし道義と尊
厳は、何よりも興味ある動向に注目します。自由と民主主義は、「自由と民主主
義」についておしゃべ りするほど、さらに自由を法規制し、裏で民主主義を実
らせないのです。

中東における実際の「自由」は、道義 と尊厳を*意味します*。中東における実
際の「民主主義」は、道義と尊厳で*始まります*。アラブ人が、今回初めてそれ
に注目 させました。

道義と尊厳は、きのうとまったく同じ 地政学的経済学的なパラメーターで操作
される選挙や政権を意味しません。道義と尊厳は、それぞれの地域に独自な土着
の解決策―*合意*(コンセンサス)に基づく法の支配の下に あって公正な社会
で*信頼できる統治*を意味しま す。 

エジプト、チュニジア、リビア、そし てイエメンの新し い政権は、可能性はあ
りません。―彼らは、西側の覇権を、地域の問題ではGCCの統制を承認しま
す。さらに経済的な格差という古いパラ メーターのなかで操 作します。彼ら
は、イスラエルと共に演じてパレスチナなど存在しないと偽っています。彼ら
は、かつてこの地域がもっていた最良のレジスタ ンスに対する攻撃 と麻痺の間
で揺れ動いています。彼らは、同胞愛の思想をねじ曲げ、きのうの分割支配でう
まくやっています。そして彼らは、明日の権力支配 の続行を確実にす るため、
今日のシステムを不正に操作しているのです。

あなた方は、従属する経済のために道 義と尊厳をもつこ とができません。―そ
れは、あなた方の自立を妨げるでしょう。あなた方は、あなた方の国に外国の軍
事基地があるため道義と尊厳をもつこと ができません。― それは、自立するあ
なた方の手足を縛るでしょう。あなた方の真ん中にある植民地国家が、あなた方
の無能に向かってべらべらしゃべり、刑罰 を受けないために アラブ人を殺し、
地域の和解に向けたすべての努力を破壊しているため、あなた方は道義と尊厳を
もつことができません。―それは、あなた方 の独立を破壊する でしょう。

自由と民主主義様、どうぞ私たちに任 せておいてください。そうでないと、む
しろそうしないと、道義と尊厳は成り行きの効果をあなたの尺度で教えることを
強要されることになる でしょうから。

自から間違いをするために、自からの 強さを発見するために、自からの進路を
切り拓くために、あなたは中東から出て行ってください。今すぐそうしてください。

そして、条件付きの援助と軍事基地も あなたといっしょに持って行ってください。

(以上、翻訳終り)



CML メーリングリストの案内