[CML 025245] 東京都府中市のガソリンスタンド「e-Revolutionary(イー・レボリューショナリー)」労組による再建

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2013年 7月 4日 (木) 13:19:08 JST


新聞記事
朝日新聞・WEB
2013.7.4
倒産、でも労組ふんばる 新会社つくりGS再建へ
http://digital.asahi.com/articles/TKY201307030707.html?ref=pcviewer

勤め先のガソリンスタンドが倒産、従業員は全員解雇――。
そんなピンチを迎えた労働組合が、新会社をつくって再建に乗り出した。
スタンドを占拠して営業を続け、借金を返すために競売にかけられたスタンドも取り戻した。

 東京都府中市のガソリンスタンドに1台の乗用車が入ってきた。
従業員が駆け寄り、「申し訳ありませんが、ガソリンを売れないんです。
8月から売れると思いますので、よろしくお願いします」と頭を下げた。

 続いてきたワゴン車は、そのまま洗車機へ。
運転していた近くの主婦(33)は、「月に1、2回来ます。丁寧なので助かります。 

早くガソリンも入れられると良いけど」。

 ガソリンを販売できないのは、スタンドを経営していた柴田商店が1月に破産したからだ。
いまは元社員の高橋顕夫さん(41)が代表となり、6月に設立した会社、「e-Revolutionary
(イー・レボリューショナリー)」が営む。

 帝国データバンクによると、柴田商店は明治時代に米穀卸として創業。
1960年代にスタンド経営を始めた。
大きな甲州街道沿いの好立地だが、同業他社との競争が厳しく、しばしば赤字に陥ることも
あったという。

 だが高橋さんたちは、「本業は黒字だったはずでは」といぶかる。
別の背景もあったのではないかとみている。

 昨年9月に健康診断や有給休暇、残業代がないことについて、社員20人のうち14人が加入する
労働組合で団体交渉を行った。
「これに社長が反発した」

 破産で社員は全員解雇された。
本来なら営業は止まり、スタンドは閉鎖されてしまう。
そこで、高橋さんは労組のメンバーの同僚と泊まり込んで、なかば強引に営業を続けた。 

ガソリンは3日で底をついたものの、点検や整備、洗車のサービスを続けた。
それも無給で。

 スタンドの土地と建物は競売にかけられたが、再建を支援するスポンサーが現れて落札してくれた。
このため本格的な再建をめざし、設立費用が安く、出資した社員全員で業務執行にあたる「合同会社」
として会社をつくった。

 いま高橋さんはガソリン販売をするための手続きの最中だ。
お金の工面にも奔走している。
ガソリンの仕入れには、前払い金や保証金など3千万円ほどが必要だという。

 従業員による事業買収は資金力の乏しい働き手だけでは難しく、スポンサーが必要な場合が多い。
高橋さんは「社員にやる気があっても、あきらめてしまう経営者はいっぱいいる。
会社をつくってもできたばかりでは簡単にはお金を借りられない。
公的な支援制度も必要だ」と話す。(吉田拓史)

 ■新会社に全員出資/賃金は平等

 労組による自主再建事例を調査してきた杉村めぐるさん(工学院大学非常勤講師)は、 

(1)労組をつぶす目的で経営者が破産に持ち込む
(2)嫌気がさした経営者が逃げる
(3)経営が破綻(はたん)して資金繰りに行き詰まる――という3タイプに分類する。 


 (1)や(2)の場合には、サービスや商品が競争力を失っていない場合が多い。
ただ、「すぐに黒字になることは皆無。経営がうまくいくかどうかは、顧客や取引先の信頼が得られるか、
会計や技術がわかる人材が残っているかがカギ」と杉村さんはいう。

 こうした自主再建に取り組んだ企業が1999年につくったのが「自主生産ネットワーク」。
今も15社が参加。
毎月、勉強会を開いて、情報交換をしたり、悩みを相談し合ったりする。

 化粧品容器などのプレスを手がける「ケーティーシー」(埼玉県八潮市)はその一つ。 

00年4月に倒産。翌日から労組が中心になって工場を動かした。
その年の11月、社員18人が資金を出し合って新会社を立ち上げた。
元の会社を2年間にわたり占拠。
今の場所に工場を移して経営を続けている。

 社長の武田和治さん(61)は倒産した時に営業担当の管理職。
経理の経験もある。
それでも「『社長』は一つの役割分担にすぎない。
みんなでやろうと始めたのだから、平等性にこだわりたい」と言い切る。

 社員の賃金は原則として同じ。
財務状況は毎月報告し、話し合って経営方針を決める。
業績が回復してきたので武田さんが「夏のボーナスを復活させよう」と6月の役員会で提案した。
だが、「もう少し様子を見よう」と保留になった。

 最初は労組中心に再建を目指しても普通の会社になるケースも多い。
自主生産ネットワークは、
(1)全員が出資し、年1回は全員での会合を開く
(2)労組とのつながりを維持する
(3)外部を入れた経営委員会をもうけて監査を受ける
(4)全員の賃金を公開する――などのルールを提案している。

 (編集委員・沢路毅彦)



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