[CML 022895] モハンティ弁護士のお話を伺って/原発メーカーの賠償責任・製造物責任を巡って(紅林)

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2013年 2月 28日 (木) 08:52:22 JST


紅林進です。
 
昨日2月27日(水)は、eシフトが、、「発送電分離プロジェクト」、
「日本消費者連盟」と共催で開催しました「発送電分離」問題に
ついての院内集会<どうなる「発送電分離」?!~電力システム
改革のゆくえ>とグリーンピース主催のモハンティ弁護士に聞く
インド原賠法~インドでは、原発にも「メーカー責任」があるって
本当ですか?~(「原発にもメーカー責任を」グリーンピース・
セミナー)という2つの院内集会があり、私は両方に参加しました。
 
ここでは、後者のグリーンピース主催のモハンティ弁護士に聞く 
インド原賠法~インドでは、原発にも「メーカー責任」があるって
本当ですか?~(「原発にもメーカー責任を」グリーンピース・
セミナー)に参加しての私の感想を述べさせていただきます。
 
原子力分野における賠償責任等を規定した国際的な枠組みでは、
1.原子力設備を運営するもの(原子力事業者)が、集中して、原子
力損害賠償責任を負う、2.事業者は厳格/無過失責任を負う、
3.他国の裁判所を排除し、一国の専属管轄権を認めている、4.賠
償責任が期間、金額ともに有限である、5.事業者の賠償責任の経
済担保を義務付けているという原則を持つが、このセミナーでの、
モハンティ弁護士のお話によると、インドは現在、サプライヤー
(メーカー)が、原子力賠償責任を有する法律を持つ唯一の国との
ことです。それは、明確にメーカーの「製造物責任」を規定したもの
ではないが、原子力事業者(電力会社)に、(サプライヤー・メーカ
ー等に対する)求償の法的権利を与えており、メーカー等の法的
責任を問えるようになっているとのことです。
 
インドがこのような賠償法を持つことになった背景には、多国籍
企業ユニオン・カーバイト社が、1984年にインドで引き起こした
ボパール化学工場事故の悲惨な経験があるとのことです。(グリ
ーンピース・インドのキャンペーンも同法成立に大きな影響を与え
たとのこと。)
 
以下は、昨日のビカーシ・モハンティ弁護士の話を伺って、私が
感じたことです。
 
原子力分野における賠償責任等を規定した国際的な枠組み・
国際条約(日本は、それらの国際条約には加盟していないが、
実質同様の法的規定をしている)で、「原子力設備を運営する
もの(原子力事業者)が、集中して、原子力損害賠償責任を負う」
ということ、つまり原子力メーカー等は責任を負わない、免責され
るという規定は非常に問題だと思います。
 
他の製品については、「製造物責任法」(PL法)等で、メーカーの
「製造物責任」(無過失責任)が厳しく問われる中、原発メーカー
だけは例外とされ、免責されるというのは、非常におかしな、不条
理なことです。そして、原発メーカーを賠償責任から免責させる、
この国際条約・国際的枠組みが取り分け重要な意味を持つのは、 
原発輸出企業を法的・経済的に保護し、海外の輸出先で、たとえ
大規模な原発事故を引き起こしたとしても、賠償責任を免責させる
ことにあると思います。
 
ゼネラル・エレクトリック社(GE)インド部門の社長兼最高経営責任者
(CEO)のジョン・フラナリー氏は、(メーカーに対して損害賠償責任を
認めたインドの)「原子力損害賠償法(民事)がこのままの形で残るの
であれば、当社は(インドでの原子力)事業を継続しない。」と語り、
インドが同法の規定を変えるよう圧力をかけているが、「原子力事業
者への責任集中=原子力メーカー等の免責」という、国際的な規定
自体が、GE等の原発メーカーが自己の責任を免責させるために、
そしてそれら原子力産業を後押しする米国をはじめとする当時の
原発輸出先進諸国が成立させたのではないかと思います。
(今やGEの原子力部門は日立の原子力部門と統合され、GEと並ぶ
米国の原発メーカーであったウェスティングハウス社は東芝の傘下
に入るなど、米国の原子力産業は、日本の原発メーカーの協力なし
には成り立たなくなるほどに凋落しましたが。)
 
米国自体は、そして日本も、パリ条約やウィーン条約等の原子力損害
に関する国際条約に加盟していませんが、日本の「原子力損害の賠償
に関する法律」(1961年(昭和36年)6月17日に公布、1962年(昭和37年)
3月15日施行)やパリ条約やウィーン条約等の国際的枠組みも、米国が
1957年に制定した「プライス・アンダーソン法」の強い影響を受けて制定
されたものではないかと思います。
 
なお米国では不法行為法の権限が各州に委ねられているため、「プライス
・アンダーソン法」では、「電気事業者への責任集中=原子力メーカー等の
免責」の明文規定はありませんが、実質的には同様の内容になっています。
 
原発メーカーに原発を輸出させないためにも、原発メーカーの「製造物責任」
を問うことは必要ですし、「原子力損害の賠償に関する法律」にも原発メーカー
の「製造物責任」を明記する改正をすべきです。また原子力原発メーカーを
損害賠償から免責させる国際条約も変える必要がありますし、各国政府も、
インドのように原発メーカーの賠償責任を問えるように国内法を改定すべき
だと思います。そうすれば、GEのジョン・フラナリー氏が述べたように、原発
メーカーは、原発事業から撤退せざるを得なくなります。
 
                                 紅林進 
                                 pkurbys at yahoo.co.jp

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原発にもメーカー責任を!
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東京電力福島第一原発事故から2年。
今も故郷に戻れず避難生活を送っている方は16万人以上ともいわれています。
20兆円にも上る損害賠償は東京電力だけで払いきれず、既に3兆2000億円もの
税金が投入されています。 
その一方で、事故を起こした原子炉を製造したメーカーは責任を問われる
ことなく、今後も原発ビジネスでさらなる利益を目指しています。
福島第一原発の原子炉を製造した日立は今後8年で原発ビジネスの売上高を
2倍の3600億円に、東芝は今後5年で1 兆円の売上達成をめざすと
公式に発表しています(日立の2012年6月14日発表の中期経営計画、
東芝の同年5月17日発表の中期経営計画より)。
原発を推進するなら、責任も常にともなうべきです。
その責任を引き受けることができないならば、原発をつくったり動かしたり
する資格はないのではないでしょうか。
原発が事故を起こした時に誰がどう責任をとるかを定めた原賠法
(原子力損害の賠償に関する法律)は今年8月までに改正が予定されています。
原発事故をくりかえさない。そのために、原子炉をつくったメーカーにも責任を。
まずはオンライン署名にご参加を。
原発のない明日へ、いっしょに変化の波をおこしましょう。
オンライン署名→ http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M236142&c=40976&d=2222
詳細→ http://a06.hm-f.jp/cc.php?t=M236143&c=40976&d=2222-- 


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