Re: [CML 022750] Re: 「100万人に1人のはずの子どもの甲状腺がん 福島で4万人中3~10人」という福島県・県民健康管理調査に関するナンセンスな言説について(「脱原発」の思いは同じですが)

泥憲和 n.doro at himesou.jp
2013年 2月 22日 (金) 08:54:27 JST


田島さん

 失礼、肝心なことを書き飛ばしていました。

 田島さんが100万人あたり1人としているのに、私がどうして100万人あたり10人としたのか、その説明です。
 直接的には田島さんの用いた資料「チェルノブイリ後のベラルーシ、ロシア、ウクライナの小児甲状腺癌の現在」によりました。
http://www.scielo.br/pdf/abem/v51n5/a12v51n5.pdf

 そこに、
「甲状腺がんの影響は、毎年15歳以下の100万人につき0.1人から2.2人に対して及ぶ」とあります。
 「毎年」だから、15年間の累計で1.5人~22人。
間を取って10人としたのです。

 この推定を裏付ける資料があります。
「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ(1975年~2007年)」
http://ganjoho.jp/data/professional/statistics/odjrh3000000hwsa-att/cancer_incidence(1975-2007).xls

 罹患者の実数を統計したものです。
 表を見ると、子どもの甲状腺癌はもともと少ないので、毎年大きなばらつきがあります。

 1975年から2007年までの33年間の「自覚にもとづく罹患数」のばらつきは、
 0~4歳で0人~13人、
 5~9歳で0人~11人
 10~14歳で0~28人
 各年度のトータルでは最低が2006年の0人、
 最高が1979年の38人です。
 平均すれば18人です。

 さて0~14歳の人口は850万人程度ですから、おおざっぱに1000万人としましょう。
 すると100万人に1.8人程度です。
 しかし、表に現れているのは年度内の発見数。
 ある年の実際の患者数は、毎年の発見数を足し合わせる必要があります。
(田島さんもこれをしておられますね)

 2007年時点の累計患者数(治療済みも含めます)は、14歳までなら14年間で153人。
 100万人あたり15人です。
 先ほど書いたとおり毎年の患者数にばらつきがあり、1998年~2000年は多い年です。そこで偏りを取り除くために100万人あたり10人としたのですが、まあおおざっぱに妥当ではないかと思っています。

 
 ここで使用したのは14歳までのデータですが、上記「地域がん登録全国推計によるがん罹患データ」によれば、未成年患者の過半以上が15~19歳に集中しています。
 福島の検査結果は18歳までだそうですね。
 すると実際には100万人あたり10人でも少なく見積もりすぎではないかと思っています。
 
  



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