[CML 022631] 関西救援連絡センターニュース2013年2月号

Matsuba Shoichi mauricemerleau at yahoo.co.jp
2013年 2月 14日 (木) 12:00:31 JST


第307号 2013年2月
関西救援連絡センター
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◆「刑事司法制度の基本構想」についての取りまとめ
警察の権限拡大か!?盗聴拡大の懸念も

 一月十八日、法制審議会新時代の刑事司法制度特別部会で、「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」(以下「基本構想」)が示され、取調べ可視化(録音・録画)の制度化に向けて動き出した。
 この部会は、大阪地検特捜部証拠改竄隠蔽事件を契機に設置され、「取調べの録音・録画(可視化)」「取調べや供述調書に過度に依存した捜査・公判の見直し」「司法取引」「証拠開示制度」「国選弁護制度」「虚偽供述に対する制裁など司法機能妨害行為への対処」などが検討されてきた。
 しかし、この基本構想には「検察捜査に対する信頼が揺らいでいるという問題意識が感じられない。通信傍受など捜査手法だけ強化され、捜査機関の焼け太りだ」との批判や、取調べ可視化についても「現時点で裁判員に限定すべきではない。検察の取調べは全て対象とする案を入れるべきだ」「強く反対する。裁判員対象事件は全体の三%に過ぎず、取調べが問題となった事件も裁判員対象外だった。現在の捜査機関の試行範囲よりも狭く、不十分だ」と、「これまでの議論を反映した案とは言い難い」「不十分だ」と委員から異議が相次いだが、一月二九日の特別部会で若干の修正ののち承認され、以降は「基本構想」に基づいて具体的な方策の検討に入ることとなった。
 なお、法務省ホームページに「基本構想」は掲載されている。

◇「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」に関する日弁連会長声明 2013年1月29日
 本日、法制審議会の新時代の刑事司法制度特別部会は、「時代に即した新たな刑事司法制度の基本構想」を公表した。
 基本構想では、被疑者取調べの録音・録画制度の導入について、一定の例外事由を定めつつ原則として全過程について録音・録画を義務付ける制度案と、録音・録画の対象とする範囲を取調官の一定の裁量に委ねる制度案を念頭に置いて、具体的な検討を行うとされている。また、被疑者以外の参考人の取調べについては、被疑者取調べの録音・録画制度についての具体的な検討結果を踏まえつつ、必要に応じてさらに同部会で検討を加えるとされている。
 違法・不当な取調べを抑止するとともに、事実に反する内容の供述証拠によるえん罪の発生を防止するためには、捜査機関に取調べ全過程の録音・録画を義務付ける制度が必要不可欠である。基本構想が取調べの録音・録画制度の導入を今後の具体的な検討課題として位置付け、念頭に置く制度案として、第一に被疑者取調べの全過程について録音・録画を義務付ける制度案を挙げている点は評価することができる。他方、録音・録画の対象範囲を取調官の裁量に委ねる制度案については、録音・録画の実施を録音・録画されるべき立場にある取調官の裁量に委ねることによって、違法・不当な取調べを抑止することができないことは明白であり、到底これを容認することはできない。そこで、今後、同部会においては、被疑者取調べの全過程の録音・録画を義務付ける制度案を採用することを前提に、対象事件の範囲及び参考人取調べの取扱いについてさらに具体的な検討が進められるべきである。
 なお、同部会で当初示された基本構想の部会長試案では、取調べ全過程の録音・録画を義務付ける対象事件を裁判員裁判対象事件のうち被疑者が身体を拘束されている事件に限定するかのような制度案が示されていたが、そのように対象事件を狭く限定することを批判する意見が同部会において相次いだため、対象事件の範囲についてはさらに同部会で検討を加えることとされた。違法・不当な取調べを抑止する必要があるのは裁判員裁判対象事件に限られるものではなく、厚生労働省元局長事件やパソコンの遠隔操作による脅迫メール事件などのえん罪事件の再発防止策としても、より広範な事件が取調べ全過程の録音・録画の対象とされなければならない。
 また、基本構想では、被疑者・被告人の身体拘束に関し、勾留と在宅の中間的な処分を設けること及び被疑者・被告人の身体拘束に関する適正な運用を担保する指針となるべき規定を設けることについて、採否も含めた具体的な検討を行うとされている。
 刑事訴訟法は被疑者・被告人の身体拘束を例外的なものとしているにもかかわらず、従来の刑事司法では、原則と例外が逆転した運用が行われてきた。このような身体拘束制度の在り方の改善が基本構想において検討課題として取り上げられたことも、評価することができる。今後、身体拘束がきわめて重大な人権制限であることを踏まえて、身体拘束制度の在り方を改善するための具体的な検討が進められるべきである。
 さらに、基本構想は、被疑者国選弁護制度の対象を被疑者が勾留された全事件に拡大することについて具体的な検討を行うとするとともに、逮捕段階において弁護人の援助を得る仕組みを設けることについて、必要に応じてさらに同部会で検討を加えるとしている。
 また、基本構想は、証拠開示の適正な運用に資するよう、検察官が保管する証拠の標目等を記載した一覧表を交付する仕組みについて、採否も含めた具体的な検討を行うとしている。
 当連合会がこれまで「新たな刑事司法制度の構築に関する意見書」の「(その1)」ないし「(その3)」を通じて指摘してきたとおり、えん罪を防止するためには、被疑者取調べへの弁護人の立会いを認める制度や捜査機関が作成または入手した全ての証拠を開示する全面証拠開示制度等の導入が必要不可欠であり、基本構想が検討課題としている制度の導入のみでは未だ不十分である。
 ともあれ、少なくとも基本構想が検討課題とした被疑者国選弁護制度の拡大、逮捕段階において弁護人の援助を得る制度及び証拠の標目一覧表交付制度については、今後、喫緊の課題として導入に向けた検討が進められるべきである。
 なお、基本構想は、通信傍受をより効果的・効率的に活用するための通信傍受法の改正について具体的な検討を行うとするとともに、新たな捜査手法である会話傍受について、採否を含めて具体的な検討を行うとしている。
 しかし、「新たな刑事司法制度の構築に関する意見書(その4)」において指摘したとおり、通信傍受は、通信の秘密を侵害し、個人のプライバシーを侵害する捜査手法であるから、その対象を安易に拡大するべきではないし、会話傍受は、個人のプライバシーを著しく侵害する危険性の大きい捜査手法であるから、導入するべきではない。
 今後、通信傍受の拡大及び会話傍受の導入に関しては、プライバシー侵害の危険性を十分に踏まえた慎重な議論がなされるべきである。
 法制審議会に新時代の刑事司法制度特別部会が設けられたのは、厚生労働省元局長事件等を通じて、我が国の刑事司法において、取調べ及び供述調書への依存が重大な人権侵害を引き起こしてきた実態が明らかになったことを受け、新たな刑事司法制度を構築するためである。
 このような同部会が設置された趣旨に鑑みれば、今後の具体的な議論も、従来の刑事司法制度を抜本的に見直し、取調べ及び供述調書への依存から脱却するとともに、無辜の不処罰の優先性を明確にした制度を構築する見地から進められなければならない。
 当連合会は、今後とも、えん罪を生まない新たな刑事司法制度を実現するために全力を尽くす決意である。


◆反原発関連の被告六名(三名は今も接見禁止)
裁判所は釈放せよ

 十月十七日の大阪駅構内での鉄道営業法違反・不退去・威力業務妨害を理由に、十二月九日に逮捕された令状二名は、十二月二八日処分保留で釈放された。しかし、十一日に此花署で起訴勾留中に再逮捕された一名は、威力業務妨害で起訴され、一月二九日に大阪拘置所に移監されるまで、代用監獄である曽根崎署に勾留されていた。
*  *  *
 反原発に絡む被疑事件の被告は現在六名で、全員保釈請求は認められず、「瓦礫説明会」「大阪駅コンコース」事件で起訴された三名には未だに接見禁止が付いている。
*  *  *
勾留理由開示公判で監置命令
 「瓦礫説明会」事件で起訴された三名は、起訴の際に被疑罪名が変更されており、逮捕時とは異なる被疑事実となるため、勾留理由開示公判を請求できる。
 一月二五日に開かれたP氏の勾留理由開示公判では、入廷者に対しては所持品検査が行われた。また、小野寺健太裁判長(令状部)が「閉廷」を宣言した後に抗議の声を発した傍聴者一名に対して拘束命令が出され、五日間の監置決定が出されるという異常な事態になった(監置場所/大阪拘置所)。
*  *  *
 前号でもお知らせしたように、六月三十日の大飯原発再稼動反対
の現地闘争に関連して、十月十日に器物損壊、傷害、脅迫、暴行罪で起訴され福井地裁で闘われている裁判では、二月までのスケジュールが事前に裁判所により提示され拙速裁判が押し付けられ、公判は五回開かれ、検察官立証がほぼ終了するところまで進められた。しかし、二月四日に現弁護人二名は解任となり、国選弁護人が選任されるまで、裁判は停止した状態となった。
 なお、前号で係属されている裁判所を「福井地裁小浜支部」と掲載したが、福井地裁の間違いであり、お詫びして訂正する。現在も、K氏は、福井刑務所拘置監に勾留されている。

◆谷垣禎一法相に
「死刑を執行するな!」の声を届けよう

 十二月十六日の衆議院選挙の結果、自民党政権が発足した。
 十二月二七日、就任記者会見で谷垣禎一法相は「基本的に必要だと思っている。被害者感情、国民感情からみて現在も十分に理由があるものと考えている」と死刑制度についての見解を述べた。また、執行についても「死刑判決を下した裁判所の判断を前提として、法相として最終的に判断していく」と、肯定的な姿勢を示した。 
 一月十六日に行われた新閣僚インタビューでも以下のように答えている。
Q、死刑執行への姿勢。
A、死刑は裁判所の判決だけでは足りず、最後は法相が命令する。それだけ慎重を期せということだろう。いろんなことを考えながら、法の下でやるべき
ことはやっていかなければいけない。
Q、民主党政権下で検討してきた死刑執行方法などについて。
A、法務省として特別に検討する場所を設けるということは、差し当たっては考えていない。
Q、死刑に関する情報公開を進める考えは。
A、死刑をしたということを発表しているのは、この数年だ。
  どんどん進めていけとなるかは、かなり慎重に考えなければいけない。
*  *  *  *
 このようなインタビューを受けて、一月十八日発行の週刊ポストは、「麻原彰晃氏の死刑執行が近いと囁かれている」との内容の記事を掲載し、その理由として、
「戦後最大の惨劇『オウム事件』の首謀者の死刑ともなれば、決定
者にはそれなりの重みが求められる。弁護士出身で総裁経験者の谷
垣さんなら、その決定者に相応しい」(法務省関係者)
「法相は谷垣さん自らが望んだポスト」「安倍内閣の支持率が徐々に下がっていくのは明らか。麻原死刑は『決断する内閣』との印象を国民に与えることにもなる」(大手紙政治部記者)
をあげている。
 現在確定死刑囚は一三七名であり、法務官僚は死刑執行を要請してくるだろう。年度末までに死刑が執行される可能性は高い。
 谷垣法相へ「死刑を執行するな!」の声を届けよう。
●国会事務所 
100-8982
東京都千代田区永田町2―1―2
衆議院第二議員会館210号室  
電話 03-3508-7012
FAX 03-3597-0895   
●地元事務所 
620-0056 福知山市厚中町156   
電話 0773-22-5335 


◆死刑確定者と弁護人の再審打合せ
広島地裁は刑務官立会は『違法』と判断

 一月三十日広島地裁で、「JR下関駅通り魔事件」で広島拘置所に収監されていた元死刑確定者との再審請求打合せの際に、立会人なしの接見が認められなかったのは違法だとして、弁護士らが提訴した国家賠償請求に対する判決があった。原告の訴えの一部を認め、「接見は再審請求の打合せのためのものであり、拘置所が職員を立ち会わせる必要があったとは認められない。裁量権を逸脱した違法なものであり、弁護士と元死刑囚との信頼関係の構築を妨げた」として国に慰謝料などとして四八万円を支払うよう命じた(梅本圭一郎裁判長)。
 死刑確定者と弁護人との面会は、再審開始が決定されるまで、一般面会と同じ取扱いとされ、面会時間の制限や刑務官の立会が行われている。打ち合わせのためのパソコンの持ち込みも認められていない。新処遇法(刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 二〇〇六年五月二四日)策定時には、弁護人接見時には立会しないとの口約束があったとも聞くが、現実には、施行時は立会のなかった拘置所でも刑務官が立ち会うようになっている。
 広島では、死刑確定者との再審打合せのための三回にわたる無立会接見を広島拘置所が認めなかったとして、二〇〇八年十一月にも国賠訴訟が提起されている。
 この訴訟でも原告らの主張が一部認められ、二〇一一年三月二三日、広島地裁は「再審請求の打ち合わせであることが明らかな二回目以降も立会なしの接見を認めなかったことは違法」「再審準備のためには弁護人が立ち会いなしで接見する必要がある。自殺や逃亡の恐れはなく、制限は違法」(野々上友之裁判長)」であるとして、三三万円の支払いを命じた。
 昨年一月二七日、広島高裁も「死刑が確定した人物も再審請求の手続きのために立会人なしで弁護士と接見することが法的に認められている」(小林正明裁判長)と違法性を認める判決を言い渡した。
 とりわけこの広島高裁判決ではは、一審判決で認められた二回目と三回目の面会に加え、一回目の面会についても「職員を立ち会わせた拘置所長の判断は裁量権の濫用で違法」だと指摘し、一審判決を変更し、国に対し一審判決よりも二一万円多い五四万円の支払いを命じている。
 現在、この国賠訴訟は、最高裁に係属中であり、最高裁がどのような判断を示すのか注目される。


◆共通番号制=マイナンバー法案の今国会上程を許すな!

 この法案は、前国会で上程され民主・自民・公明の三党で修正協議が行われていたが、解散に伴い廃案となっていた。
 二月三日、NHKは「政府・自民党は、導入に必要な、いわゆるマイナンバー法案を来月にも国会に提出する方針で、成立に向けて民主党や公明党に協力を呼びかけることにした」との報道を行った。
 一月二九日には朝日新聞の「共通番号法案、再提出へ 二〇一六年の開始見込む 安倍政権」との報道もある。
 この個人データは、各省庁はもちろんのこと、将来的には民間企業の利用も目論まれている。「マイナンバー」法案上程に反対の声を!


◆在韓原告らによる靖国合祀取消請求
「東京ノー!ハプサ訴訟」控訴審開始へ
   五月二九日(水) 午後三時〜四時   
東京高等裁判所101号大法廷
 二〇一一年七月二一日の不当判決から一年半。訴訟救助手続き、亡くなった林福順さんの承継手続きが完了し、一月八日に進行協議が開かれました。控訴審では林福順さんのお孫さん三人が新たに原告に加わりました。


◆公判日程
3月18日11時〜 のぞき見国賠 大阪地裁(民)第3回
★「関電前/瓦礫説明会/大阪駅コンコース」事件の被告6名の公判日程は、まだ決まっていない。
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【判決の報告】
◇12月19日 京都(自転車)公妨 京都地裁判決
                   6月執行猶予2年(求刑)→控訴
◇ 1月  5日 釜弾圧(選挙権行使行動) 大阪高裁判決 控訴棄却→上告
◇ 2月  6日 選挙権確認&国賠 大阪地裁判決 棄却/却下→控訴


◆催し物案内

★「谷垣新法相、死刑執行しないで!」要請行動
2月17日(日)午前10時半〜12時(開場10時)
大本みろく殿(京都府綾部市本宮町1-1)梅松苑
*JR山陰線綾部駅から徒歩15分
(大本みろく殿は屋内ですが充分な暖房設備がありませんので、万全の防寒準備をお願いします。)
*10時30分より「殺人被害者・死刑執行者慰霊祭」を行います。続いて、安田好弘弁護士による基調提言、「死刑執行停止を求める要請文」の決議を行います。
* 集会終了後は福知山に移動して、代表者が谷垣法務大臣事務所へ死刑執行停止要請文を提出し、駅前でビラ配布を行う予定です。
主催	死刑廃止を求める京都にんじんの会
	「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク
	京都から死刑制度廃止をめざす弁護士の会
賛同	死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90
	死刑廃止フォーラム in おおさか 他多数

	
★陪審制度を復活する会連続セミナー第14弾=
  司法の犯罪(冤罪)は防げるか
場所:エル・おおさか709号室(第2回のみ606号室)
 1回1000円〔但し5回連続参加の場合4000円。学生は無料〕
■申込み先 陪審制度を復活する会事務局
FAX.06‐6365‐1822 E-mail:m-kaba at kabashima-law.jp
第4回2013年3月23日(土)13:30〜
 講 師:後藤 貞人(大阪弁護士会)
 テーマ:「裁判員裁判の現状と問題点」
第5回2013年4月13日(土)13:30〜
 講 師:コリンP.A.ジョーンズ
(同志社大学法科大学院教授・米国弁護士)
 テーマ:「アメリカ人弁護士が見た裁判員制度 」
◆詳細は、以下のHPでご確認ください。
http://baishin.blog.fc2.com/


★★京都から死刑制度廃止をめざす弁護士の会
参加費無料/申込不要
2013年3月30日(土)14〜17時
京都弁護士会館地下ホール
 死刑制度について
〜犯罪被害者、冤罪被害者の立場から(仮題)
 講師:河野 義行さん



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