[CML 022534] 『見捨てられた命を救え!』の著者、星広志さんらの原子力災害対策特別措置法違反事件での逮捕・長期拘留について

MAKOTO KONISHI shakai at mail3.alpha-net.ne.jp
2013年 2月 9日 (土) 12:18:59 JST


社会批評社の小西です。
少し長くなりますが、原子力災害対策特別措置法違反事件での逮捕者への抗議ですのでよ
ろしくお願いします。

●小社刊『見捨てられた命を救え!ー3・11アニマルレスキューの記録』の著者・星広志
氏らの、
「原子力災害対策特別措置法」違反事件容疑の逮捕・長期拘留に抗議する! 直ちに釈放
せよ!

本年1月28日、HOSHI FAMILYこと星広志さんと息子礼雄さんの二人が、武蔵野市の自宅
で警察に「任意同行」を求められ、そのまま武蔵野警察署に連行、そして以後、福島県の
双葉警察署に連行・逮捕された。2月9日現在、長期の拘留が続いている。しかし、この
フクシマ原発被災に係わる重大な原子力災害対策特別措置法違反事件に対して、今なおほ
とんどのマスコミが、報道を統制し沈黙・抹殺し続けている。毎日新聞の電子版他が、事
実をねじ曲げ、悪意をもって、ひじょうに短く報道しているだけだ。
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福島第1原発事故:通行許可証偽造、警戒区域に侵入 2容疑者逮捕(毎日新聞) 2013年
01月29日
東京電力福島第1原発事故に伴う警戒区域に偽造通行許可証で侵入したとして、福島県警
双葉署は28日、東京都武蔵野市中町2、IT会社役員、星礼雄(れお)(34)と、父
親で同社役員、広志(57)の両容疑者を偽造有印公文書行使と災害対策基本法違反(禁
止区域の無断立ち入り)容疑で逮捕した。同署によると、偽造許可証で警戒区域に立ち
入ったとして逮捕されたケースは初めて。
逮捕容疑は、昨年7月21日、当時警戒区域だった楢葉町の国道に設置された検問所で、
警察官に偽造した通行許可証を提示したとしている。許可証は他人のものをコピーし、富
岡町長の公印に見せかけた印があった。
2人は以前、警戒区域内の動物保護などを目的として、通行許可証で出入りしていた。だ
が、警戒区域内で撮影した動物の写真を使い、本来の目的とは異なる募金活動をしていた
ことが発覚、許可を取り消されていた。【三村泰揮】
http://mainichi.jp/select/news/20130129mog00m040003000c.html
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警戒区域内の立入を堂々とネットで公言していた星さんら

  さて、この星さん親子の逮捕の理由だが、星さんらは、3・11後から数十回以上に
わたりフクシマ警戒区域内に立ち入り、置き去られ、被災した動物たちのレスキューをし
てきことは誰もが知るところだ。3・11後の5月から昨年いっぱいに至るまで、彼らは
警戒区域内で何度も地元警察から拘束されたが、そのたびに警察も逮捕できず、説教して
返しすことしかできなかったことが、星さんらから報告されている(『見捨てられた命を
救え!』社会批評社刊[PART1]他)。

 ところで、今回の警察の逮捕の目的は何か? 昨年暮れからのフクシマ警戒区域内で活
動するアニマルレスキューの人々の報告によると、オフサイトセンター・福島県警は新た
な警戒区域の再編の中で、警戒区域への立ち入り制限・禁止を強めているようである。
だが、3・11以後、数十万の動物たちが飢えと「殺処分」の中で死亡したとはいえ、未
だ数千の動物たちが飢えと渇きの中、レスキューを待ち続けている。この中で、このオフ
サイトセンターなどの「警戒区域立入禁止」に反対する運動も一段と広がっており、ま
た、アニマルレスキューの署名運動も大々的に継続されている。
HOSHI FAMILYは、まさにその反対運動の中心になっており、その星さんらを逮捕すること
で運動の「沈静化」を謀っていると思われる。
フクシマ警戒区域内には、未だ数千のペットたちが残されているが、この原発災害の現実
を完全に放置し、メディアから隠そうとするのが、今回の逮捕の目的である。つまり、星
さんらを含めて今後、警戒区域内には一切立ち入りを禁止するということである、メディ
アも含めてー。

原子力災害対策特別措置法違反事件の本格的適用

星さんらの逮捕のもう一つの目的は、3・11以後、災害対策基本法・原子力災害対策基
本法が本格的に発動され、この「警戒区域進入違反」で処罰される「日本人初の本格的事
例」になるということだ。

言い換えると、政府・警察は、フクシマ原発被災の「新しい警戒区域設定」の中で、原子
力災害対策法の本格的適用・実効性を作り出そうとしていることだ。つまり、この警戒区
域の中では、ジャーナリストだろうが、アニマルレスキューだろうが、完全に閉め出すと
いうことだ。
ちょうど昨年1月下旬(星さんらの逮捕のちょうど1年前)、フクシマでフランス人・ア
メリカ人のフリージャーナリスト3人が逮捕・起訴・罰金刑を受けている(これに付随し
て日本人も2人逮捕・詳細不明)。この事態は、政府・警察が、原子力災害対策特別措置
法違反事件、つまり、この法律の実効性の確保へ向けた並々ならぬ意図を示しているとい
うことだ。

そして、これに続くのが昨年5月以来の、フォトジャーナリスト・広河隆一さんらへの、
原子力災害対策特別措置法違反での執拗な任意出頭の要求である。昨年5月、「希望の牧
場」の吉沢さんに同行して警戒区域に入った広河さんら(2人)は、その直後から福島県
警の任意出頭要求をたびたび受けている。この道案内をした吉沢さんも同様だ。そして、
福島県警は、昨年12月、東京まで出向いて広河さんらの任意聴取を行っているのであ
る。
ところで、災害対策基本法・原子力災害対策特別措置法という法律の、実効性・適用とい
うことについて、少し検討してみたい。
この法律で最初に拘束されたケースは、長崎雲仙岳噴火の際(災害対策法)に立入禁止区
域に入ったとして、ルポライターの鎌田さんらが初めてであった(他に編集者1人)。だ
が、このとき鎌田さんらは、逮捕・起訴されなかった。こういう経過を考えると政府・警
察は、フクシマ3・11以後、この法律の適用・実効化を狙っていると思われる。

この政府・警察の政治的意図を全く把握できないか、あるいは知っているからこそメディ
アは、星さんらの逮捕を「黙殺」している。なお、広河さんや吉沢さんらの出頭要請・任
意聴取も、星さんらの逮捕目的と同様である。星さんらを逮捕し、次には広河さんらの逮
捕へと、原子力災害対策特別措置法違反容疑を拡大適用するということだ。

略式起訴ー略式命令(罰金刑)での長期拘留を許すな!

昨年1月の原子力災害対策特別措置法違反事件では、被疑者4人はおよそ20日前後、残
るフランス人ジャーナリストは、およそ50日前後の長期の拘留をされている。通常、こ
の原子力災害対策特別措置法違反事件は、略式起訴ー略式命令ー罰金刑の事案であるか
ら、身体を拘束すること自体が人権侵害だ。にも拘わらず、福島県警は先の外国のジャー
ナリストたちにも、不当な長期の拘留をなし、星さんらにも、あるいはそれ以上の長期の
拘留をしようとしている。

その長期拘留の口実として、双葉署は「偽造有印公文書行使」という罪をくっつけている
が、これは警察がよくやる「別件」の手口である。つまり、先の原子力災害対策特別措置
法違反では、長期拘留ができないから、この別件違反を口実に長期拘留しようということ
だ(実際、メディアは知ってか知らずか、このような「破廉恥罪」を警察にくっつけられ
ると、報道規制するのが常である)。

しかし、星さんらは、その別件の容疑となった昨年7月21日の、警戒区域突破について
は、Facebookでもその正当性を公然と主張している。また、刊行予定の『見捨てられた命
を救え!』(PART2)でも、その一連の経過を詳細に書いている。つまり、星さんらは、
仮に彼らの行為が法律違反になったとしても、堂々とそれを認めているのであるから、拘
束する理由はまったくないのである。

いずれにしても、この本格的な原子力災害対策特別措置法違反事件の適用は、3・11後
のフクシマのみならず、今後の原発大被災への国民の監視や報道のあり方を根本から規
制・管理する危険をもっている。そうであるからこそ、アニマルレスキューに関わる人々
はもちろんのこと、すべての市民が重大な関心を持ち続けることが重要である。

*参考資料
 なお、社会批評社では、この星さんの本『見捨てられた命を救え!ー3・11アニマルレ
スキューの記録』を2012年2月に発売、その後編・PART2を、本年2月25日発行す
る予定です。


●『見捨てられた命を救え!ー3・11アニマルレスキューの記録』PART1

http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-916117-96-0.html

●『見捨てられた命を救え!ー3・11後、2年目の警戒区域のアニマルレスキュー』
PART2
http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-907127-01-5.html

*参考資料
広河隆一より 1月号記事「警戒区域 ジャーナリスト取材 過剰な取締り」に関して現在
発売中のDAYS JAPAN1月号に「警戒区域 ジャーナリスト取材 過剰な取締
り」と題する記事に、私や他のジャーナリストを案内したために被害にあっている牧場主
吉沢さん、弁護士の梓澤さん、国境なき記者団のイシュマル(アジアディスク)のコメン
トとともに、私が7月に発表したジャーナリストの警戒区域取材の権利についての声明が
掲載されています。私は5月31日に警戒区域から出るときに警察の任意の聴取を6時間
応じた後、その後毎月のように再度の任意聴取を求められましたが、それを断ってきまし
た。しかしこの1月号の印刷が終わったころ、12月11日に、動きがありましたのでお
伝えします。この日私は、東京まで出向いてきた福島県警の刑事の任意の事情聴取に応じ
ました。拒否し続けることで、福島の子どもの保養プロジェクト「沖縄・球美の里」の運
営とDAYS JAPAN誌の発行に支障が出ることを望まなかったからです。私にとっ
ては取材の権利とともに子どもの施設を守り育てることも、重要な闘いです。今回の警察
での3時間に及ぶ事情聴取は、話せることだけを話しています。また警戒区域に入ること
の重要性をこれまでの通り主張しています。聴取は高圧的なものでなく丁寧に行われまし
たが、この結果私にどのような判断が下されるかまだわかりません。ただ最後に3人の刑
事がお辞儀をして、「今後も福島の子どもをよろしくお願いします」と言ったことを付け
加えておきます。このことを聞いた福島の友人たちは、福島の警察関係者も、本当は県内
の子どもたちのことを守りたいという気持ちでは同じなんだと、感慨を込めて語っており
ました。私はジャーナリストの権利、人々の知る権利を守るたたかいを今後も続けること
には変わりはありません。また今後も過剰な警備によってジャーナリストの警戒地区立ち
入りを取り締まることや、刑の執行がある場合は、そのような法律を施行する政府、自治
体に対する闘いを続けるつもりです。同時に福島の子どもたちを守る闘いも大きくしてい
くつもりです。http://daysjapanblog.seesaa.net/category/5864651-1.html

2012年12月21日     広河隆一

■(株)社会批評社 東京都中野区大和町1-12-10 電話03-3310-0681 ファクス
03-3310-6561
shakai at mail3.alpha-net.ne.jp
http://www.alpha-net.ne.jp/users2/shakai/top/shakai.htm

[社会批評社・新刊好評発売中]
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