[CML 028331] 都政わいわい勉強会in東部地区:貧困ビジネスを考える所感

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2013年 12月 18日 (水) 22:12:26 JST


都政わいわい勉強会in東部地区実行委員会は都政わいわい勉強会in東部地区「貧困ビジネスを考える」を東京都墨田区で開催した。以下は「貧困ビジネスを考える」の私的な感想である。

 都議選前に2回の都政わいわい勉強会in東部地区を開催した中で、貧困問題をテーマに活動しようとの意見が出た。その中で市民の立場で取り組める問題として貧困ビジネスを選択した。生活保護法改正問題などは固定的な党派的対立ができあがってしまっているが、貧困ビジネス規制は党派を越えた建設的議論が可能と考えたためである。

 現実に貧困ビジネス規制条例をいち早く制定した自治体は橋下徹知事(当時)の大阪府である。埼玉県の貧困ビジネス規制条例は自民党県議団が提出した(林田力『貧困ビジネスと東京都』「貧困ビジネス規制条例」)。貧困ビジネスを許さないという正義感には右も左もない。むしろ往々にして制度論や構造論に走りがちな左翼よりも保守の方が強い面もある。その面は積極的に評価し、伸ばしていきたい。

 貧困ビジネスはゼロゼロ物件や無料定額宿泊所、脱法ハウスなど住まいの貧困の問題である。人間が生活する上で必要なものは衣食住である。その中で衣食については安価で比較的良質なサービスが提供されるようになっている。ブラック企業による労働者使い捨てによって安価に提供されているという側面があるものの、消費者の立場としては業界の慣行を打破して安価で良質なサービスを提供すること自体は肯定できる。衣食の構造改革が進んでいることに比べて、住まいは遅れている。低所得者向け住宅となると脱法ハウスやゼロゼロ物件など劣悪な貧困ビジネスになってしまう。

 市民の立場で貧困ビジネスを批判的に取り上げる意義は大きい。以下では二点を指摘する。第一に貧困ビジネスは一般の市民生活を脅かす。具体的事例として取り上げた足立区舎人の貧困ビジネス進出反対運動は住環境の悪化を問題視する住民運動である。マンションの一室が脱法ハウスに改造される問題も住環境の悪化の問題である。生活保護費をピンはねする貧困ビジネスは納税者の犠牲の上に成り立っている。
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 第二に市民感覚・市民常識から貧困ビジネスの必要悪論・セーフティネット論を打破できることである。反貧困運動の一部にも「野宿よりはまし」として貧困ビジネスを必要悪やセーフティネットと位置付けてしまう諦めが広がっている。目の前の貧困に取り組む反貧困運動が貧困の過酷な現実や行政の冷たい姿勢に直面して貧困ビジネスをパートナーとして捉えたくなる気持ちは理解できなくはない。だからこそ少し離れた市民の立場で貧困ビジネスを批判することが大切である。

 勉強会では脱法ハウスが生活の拠点になり得ない悲惨な環境である実態が指摘された。ゼロゼロ物件や脱法ハウスは改善の対象にはなり得ない。また、針谷みきお・足立区議からは生活保護受給者には居宅保護の原則を実現するための住宅扶助の制度があると指摘した。これを利用すれば無料低額宿泊所や脱法ハウスは不要である。さらに勉強会では増え続ける空き家を低所得者向け住宅として活用するとの提案もなされた。貧困ビジネスが必要悪ではなく、社会に不要な悪であることを確認する実りある勉強会であった。(林田力)
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林田力Hayashida Riki
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