[CML 028276] ●改めて国会両院の「中国による防空識別圏設定に抗議し撤回を求める決議(2013年12月7日)」を問う!−1

MAKOTO KONISHI shakai at mail3.alpha-net.ne.jp
2013年 12月 15日 (日) 13:52:07 JST


社会批評社の小西です。

●改めて国会両院の「中国による防空識別圏設定に抗議し撤回を求める決議(2013年12月7日)」を問う!
(2013年12月8日・記 15:58)

メーリングリストなどで議論になっている、中国の防空識別圏設定の問題ですが、僕はFacebookやツィッ
ターでは、私見を何度も述べておりますが、この場では初めてですが述べたいと思います。この問題は、
現在でも今後も、重要な問題ですので、以下、少し長くなりますが、辛抱してお読み下さい。

まず、ひじょうに残念なことに、あの特定秘密保護法が、国会を通過した日にー、

●「中国による防空識別圏設定に抗議し撤回を求める決議(平成25年12月7日)」

が、衆院・参院で全会一致でなされました。例えば参院本会議「237票賛成・反対0で全会一致で可決」http://moi.st/1ab4063

国会には、この問題で「一人のリープクネヒト」もいなかったということです。

さて、防空識別圏(以下、ADIZ)ですが、僕は、空自のレーダーサイトに勤務していた関係から、この問題に
ついては日常業務として関与していましたから(1970年当時)、経験からも述べます。

まず、このADIZは、最近の報道でも知られるとおり、1945年の敗戦と共に、米軍が日本全国にレーダーサイトを設置し、1
969年に米軍から空自に移管されたものです(僕のいた当時は米軍顧問団までいました)。

この中で、ADIZは、当時のレーダーの到達距離(マル秘)の約200〜300劼糧楼蓮淵譟璽澄爾竜ー錣斑詫的要因による違
い)にまで設定していました。もちろん、この範囲は、領空はもとより、後に設定された日本の排他的経済水域(EEZ)をも、遥
かに超えるものです。

ですから、当時の平和勢力(共産・社会)はもとより、メディアでも、このADIZの設定自体が、中国・ソ連への挑発であり、威
嚇であるというのが、当然の認識としてありました。
(こういう任務への疑問を含めて、僕は考えを変えました。当時のソ連への……現在は中国への、スクランブル自体が「武力に
よる威嚇」です。現に先日、政府は、中国の無人機に対しては撃墜することを宣言しています)。

ところで、この間の日本政府(及び全野党・メディアのほとんど)の主張は、中国のADIZ設定自体が、「許せない、撤回しろ」
というものです。単に中国のそれに「尖閣」が入っているから、とか民間機の進入に許可を求めているから、というものではあ
りません。これは、言うまでもなく、単に戦後の軍事的既得権の「死守」を宣言しているだけです。ADIZの設定自体は、国際的
軍事慣例の下で、いずれのクニも「一方的に設定」をしているというのは、残念ながら事実です。したがって、日本政府(野
党)は、

●中国のADIZ自体の設定を認め、その「範囲」について協議を行う。
●また、そのADIZに侵入した対象国機へのROE(武器使用手順)の協議を行う。

この二つの取り決めが必要です。
すでに、先日訪中した米副大統領などは、表向きはともかく、以上のような「条件交渉」に入りつつあります。これは、賢明な
選択でしょう。

*本日の朝日新聞の一部転載です(12/8付)。
「識別圏そのものの撤回を求める日本に対し、米国は識別圏に入るすべての航空機に事前通知を義務づけるという中国の運用方
法を問題視している。いわば「手続きの撤回」(米国務省)を求める立場だ。安全への配慮か、航空会社の飛行計画提出も認め
た。
経済的にも軍事的にも台頭する中国に対し、米国は是々非々の立場でのぞんだ。両国は今回、シェールガス開発などエネルギー
分野や気候変動問題などの協力拡大で合意した。競争しつつも決定的な衝突は避けようという「新しい大国関係」について、バ
イデン氏も改めて言及。識別圏自体の撤回を求め、尖閣諸島を巡って対立を深める日中関係との違いが目立った形だ」

これを見ると、いかに政府と野党がどうしようもない中国脅威論(自衛隊の中国脅威論ー南西重視戦略→新たな「冷戦」の開
始)に乗っかっているかが、現れています。
いずれにしても、以上の日中協議を具体的に進める世論を作らねば、日中の軍事的衝突(小衝突)は、不可避となります。

そして、その場合、もっとも重要な一つが、日中の軍隊の「尖閣から引き離し」です。軍隊をせめて「排他的経済水域線」の内
側まで引き離して、その境界線内外は双方の海保に任せるべきです。中国も最近、日本の海保に準じるものを作りましたが、戦
後日本の海保の創設はそのためにあります(海洋での軍隊間の衝突の防止)。

海上保安庁法第25条には、「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊
の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない。」と定めてあります。この規定は、戦前の教訓によるものです。
もっとも、ここ十年来、海保の軍事化が進んでいますが、これは別の機会にします。

この深まるばかりの、中国との「軍事的危機=小戦争の危機」を平和的に解決するためにも、いまこそ事実の中から世論を喚起
することが必要になっています。ぜひ、広めてください。


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