[CML 026150] 人類的・地球的な損失:アマゾン先住民のヤスニITT提案終焉にたいする声明(8月22日)+【映画の中の世界】自然保護より開発を選んだエクアドル画期的な政策もカネの前に夢と終わる

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2013年 8月 28日 (水) 19:52:38 JST


アマゾン先住民のヤスニITT提案終焉にたいする声明(8月22日)
http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11600196335.html

2013-08-24 14:05:40 

(参考:N0686「ラファエル・コレア、ヤスニITT提案の終焉」)
http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11594782427.html

エクアドル・アマゾン地方先住民全国会議(CONFENIAE)は21の団体・組織、11のアマゾン民族の結集体である。政府のヤスニITT提案終焉の決定にたいして以下のように表明する:

現体制の採掘主義者の政策の推進は、過去の新自由主義の政府をも上回っているが、これまでわれわれの基本的な権利を系統的に蹂躙し、アマゾン地方すべての先住民共同体での、一連の環境社会紛争を引き起こしてきた。歴史がそれを示している。40年前、エクアドル北東部において、石油開発が開始されたことによってテテタ人は絶滅させられた:いま市民革命と呼ばれるまっただなかでタガエリとタロメナネの人々が絶滅させられようとしている。

このことが公の場でエクアドルは世界でももっとも進歩的な憲法を持っている、先住民の全般的な権利が認められ、とりわけ自由で事前の周知された諮問の権利、自然の権利、スマク・カワサイがあると政府が言っているなかでおこされた。しかしいったん大資本の利益が関係してくると、政府は影響力のある法的機関を使って、収奪をおこない人権を蹂躙するために、恥じることなく法律を修正してきた。

これとは対照的に先住民の提案は、つねに自然環境を保全し、天然資源を自覚的に利用し、われわれの自然の大地を守り気を配り、これと人間が調和を持って共存し、行動においてわれわれは調和をもってし、1000年のわれわれの歴史と現在がしめす、言葉だけではない真のスマク・カワサイであった。先住民が住む土地は、川、湖、滝、泉、森が美しく維持された:これとは反対に、石油業者、鉱山会社、木材業者、農業産業その他が入り込んだ土地は、われわれの緑で覆われたアマゾンのジャングルが、国内と世界の開発会社の収奪と貪欲のための穴に変わってしまった。

したがってわれわれの闘いはつねにそうであったように、現在そうでありこれからもそうであるように、われわれの土地を開発主義から、大資本の蓄積にたいしてきっぱりと守ることである。資本主義システムの強化は、人間にたいする抑圧にとどまらず、自然とすべての生き物にたいする抑圧である。

コレア大統領のヤスニ保全提案の終焉声明は、新たな欧州、アジア、北米の大国のヘゲモニーへの、現体制の新自由主義、親帝国主義、投降主義の性格をよく表している。われわれはこのことをこれまで機会あるごとに予言してきた:この政府は一度として自然の保護を本当に約束したことはなかった。実際とは違う、世界をまえにした山のような、印刷されたまたメディアによるキャンペーン以上のものではなかった:つねに袖の下では別のカードが使われていた。つねに二枚舌を使い、それらの提案が真剣なものだと考える人を説得することの助けとなり、かれが人民の支持により権力を得ることを手助けすることになった。また石油を地中にある状態にとどめる代わりに、環境的に負債のある工業国にたいして基金をもとめるというものは、先住民運動と環境保護主義者の提案であり、2007年にコレアの政府がこれを基礎にして、ヤスニITT提案を作ったことを思い出すことができるかもしれない。

これらの事実をまえにして、エクアドル・アマゾン地方先住民全国会議、CONFENIAEは、われわれの土地の権利を防衛するための、警戒と恒常的な監視を宣言する。この数か月のあいだに、[現代資本主義社会と]接触しない人々は、ヤスニにおける採掘の暴風をまえにして、その自身の存在が危険にさらされている:歴史は繰り返される。われわれはあらたな民族殺戮[etnocidio]の瀬戸際にある。これをまえにして、アマゾンのすべての地域から、先住民民族は、われわれの土地にたいする監視を維持し、現在のまた未来の世代への、地球的規模の環境の調和という重要な遺産を守るであろう。

われわれの闘いは軍事力のない、森と生命を守る闘いだ:先住民人民は隠すべき裏のカードを持ってはいない。われわれが生きることの原則を隠す仮面など持ってはいない。われわれは正面から生きるために闘う。二枚舌はないし、すべてのセンターから、共同体、協会、連盟、組織から、われわれはわれわれの家、土地、そして生命そのものを守るための準備ができている。

2013年8月20日、プジョ
CONFENIAE議長 フランコ・ビテリ・グアリンガ
(N0692)


映画の中の世界
自然保護より開発を選んだエクアドル画期的な政策もカネの前に夢と終わる
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519

エクアドルのラファエル・コレア大統領が、15日、世界有数の生物多様性を誇るヤスニ国立公園での油井掘削を認めることを表明した。

 8億バレルを超える原油が埋蔵されていると見られるその地域は、ユネスコの生物圏保護区にも指定されており、科学者たちはこれまで多くの新種を見つけてきた。

4億トンの二酸化炭素放出を避けられるはずだったが

 2007年、コレア大統領は、油田開発を放棄する代わりに、国際社会から12年間で36億ドルの国際信託基金を募る、というプランを発表した。

 このことで、推定4億トンもの二酸化炭素が大気中に放出されることを避けることができるという地球規模の環境保護プランでもあった。

 基金は国連開発計画(UNDP)が管理、これまで民間企業やベルギー、フランス、イタリア、スペインなどから資金が拠出されてきたのだが、革命的アプローチとの評価は得ても、6年間で集まったのは1330万ドルにすぎず、目標の0.5%にも達しなかった。

 そのため、「世界は我々を失望させた。国益のためにヤスニ開発を認めるよう議会に求める」ことにしたのだという。

 今回の決定には、エクアドル国民の中にも落胆・反発の声はあるのだが、貧困層が多数暮らすこの国で、自然保護のため、地球全体のため、今ある金のなる木を放置する、というのは無理な話。

 ウゴ・チャベス亡き後の反米左派の中心的存在にして国民の人気は高く、米国で学んだ経済学者でもあるコレア大統領だからこそ実行に移せたプランとも言えそうだが、国際社会の方はあまり乗り気ではなかったようだ。

 開発を行うことになっても、ほとんどは手つかずのままだ、とコレア大統領は語っているが、ヤスニの北方、コロンビア国境近くの Lago Agrio oil field での苦い経験があるから、ことは慎重に進められていくかもしれない。

 その地では、1960年代から石油掘削が始まっており、環境破壊とそれに伴う健康被害が、メディアをも騒がす法廷劇となっていたのである。

 その経緯を追ったドキュメンタリー映画『クルード ~アマゾンの原油流出パニック~』(2009)には、コレア大統領自身が汚染されたその地を2007年に訪問した時の映像も収められている。

 「シェールガス革命」とまで言われる開発ブームとなっているシェールガスについても、環境問題がこのところ議論の的である。採掘抗に化学物質を混ぜた水を注入する「水圧破砕(フラッキング)」による地下水源汚染などが疑われているのだ。

アマゾンの熱帯雨林は地球上の4割を占める

 アカデミー長編ドキュメンタリー映画賞候補ともなった『ガスランド』(2010/日本劇場未公開・NHKBSのドキュメンタリー枠で放映済)はそんな問題を世に問いかけた作品だ。

 しかし、社会問題への発言も多い主演のマット・デイモンが共同脚本も手がけている『プロミスト・ランド』(2012/日本劇場未公開)という劇映画も封切られ、米国で物議をかもしている。

 どうにもはっきりしない福島第一原子力発電所の汚染水問題がある日本人にとって、米国人以上に敏感となる問題かもしれない。

 「アマゾン」と言うとブラジルが連想されるが、その熱帯雨林は地球上の4割ほどを占め、さらに、ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、仏領ギアナと、計9カ国・地域にも及ぶ。ヤスニもその一部だ。

 そんなアマゾンの支流での石油掘削は大河の汚染につながるとの懸念もある。そうしたことは、特に先住民の生活習慣を根本から破壊しかねないものだが、広大な土地に大きな環境変化をもたらすダム建設も、特に先住民には受け入れがたいことが『エメラルド・フォレスト』(1985)では描かれている。

 ヤスニには遊牧民生活を送ってきた先住民がいるが、そんな彼らには、かつて、Lago Agrio で生活していた先住民同様、代々受け継がれてきた生活を破壊されてしまう、との不安もついて回る。

 こうしたことは世界共通の問題でもあり、『緑のアリが夢見るところ』(1984)では、アボリジニの聖地に埋蔵されているウランをめぐるオーストラリアの問題が浮き彫りにされている。

 アマゾン地域にあるブラジルの北部7州は国全体のGDP(国内総生産)の1割も占めておらず、1人当たりGDPも平均よりかなり低い。

 1960年代初めのブラジルの様子が存分に見られるフランス映画『リオの男』(1964)にも、熱帯雨林を伐採し道路を造るシーンがあるのだが、特に70年代には、貧しい開拓者の入植による開発が進められていった。

過去40年でアマゾンの森林の6分の1が消える

 しかし、貧困は残り、そんな人々が生活の糧として、違法に森林伐採することが問題視されてきた。

 近年、熱帯雨林を伐採して作られた牛肉のおかげで安価なハンバーガーが食べられるとか、二酸化炭素排出抑制のためのバイオ燃料なのに、それを作るため熱帯雨林を破壊している、といった批判がよく聞かれる。

 大豆やサトウキビの栽培と放牧の推進も熱帯雨林破壊の大きな要因なのである。

 過去40年でアマゾンの森林の6分の1が消えたという。今、1000億トンもの炭素を固定しているアマゾンは、炭素を排出する側へと立場を変えつつある。そうした「地球の肺」を維持する1つの試みは、世界を覚醒させるまでには至らなかった。

 エクアドル政府が信用するに足りなかったのが原因だ、と分析する専門家もいる。しかし、現在、自然が維持されている地の多くは開発途上国にある。どこかで折り合いをつけなければ、話は始まらない。

 そして温室効果ガスは増える一方というのが世界の現実だが、そんななか、沿岸部の大都市は、洪水防止策を大幅に改善しない限り、2050年までに、年間被害総額は1兆ドルにも達する恐れがあるという世銀研究チームの論文が発表された。

 そして、防止策を強化したとしても、被害額が高くなることが予測される都市として、広州、ムンバイ、コルカタが上げられている。

 さらに、コレア大統領の生まれ故郷、エクアドルの湾岸都市グアヤキルも上位にリストアップされているのだが、そこには名古屋の名も見ることができる。

 そうなると連想するのは伊勢湾台風だが、もともとの低地ばかりか工業用水の引き過ぎによるゼロメートル地帯は、日本中、至る所にあり、心配はつきない。

 そして、やはり気になるのは、人口が密集する首都東京のゼロメートル地帯。隅田川と荒川に囲まれた川べりを歩きながら、堤の両サイドを見ていると、土地の低さが見て取れる。

 そして、黒澤明監督の遺稿の映画化『海は見ていた』(2002)のクライマックス、深川での洪水シーンが実感されるのだが、もともと、今の荒川下流は、隅田川の水害に悩まされ続けた東京の街を救おうと新たに造られた人工水路なのである。

 このところ荒天による水害が頻発している。今、ロシアや中国では、アムール河流域の水害が深刻化している。大地震への恐怖も消えないなか、備えは大切だと思えてくる。

 2010年、民主党の事業仕分けで「100年に1度の経済危機にある今、完成まで400年かかり、200年に1度の災害に備える堤防を造る余裕などない」という理由から「廃止」判定されたスーパー堤防建設も、限定的ながら復活しているようだ。

 「廃止」決定から間もなく、未曽有の天災と人災を経験してしまった日本人には、何年に1度と言われても虚しく響くばかりだ。

 とはいえ、スーパー堤防のみならず、防災計画には、その有効性を疑う向きも少なくない。そこには、コストの問題もある。どんな生活をしていても、とりあえずは、身近で近視眼的経済問題の方がずっと重要、というのが本音だろう。

 それなら、コレア大統領はギブアップしたが、有志・企業などからの寄付を募るというのも一案だが、それにはあまりにも不透明な点が多過ぎて・・・。

(本文おわり、次ページ以降は本文で紹介した映画についての紹介。映画の番号は第1回からの通し番号)

(772) クルード	
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=5
(773) ガスランド
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=6
(774) プロミスト・ランド
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=7
(775) エメラルド・フォレスト	
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=8
(354)(再)緑のアリが夢見るところ	
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=9
(776) 海は見ていた
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/38519?page=10


ラファエル・コレア、ヤスニITT計画を撤回する(8月15日)
http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11593963212.html

2013-08-16 22:52:02 

テーマ:速報

8月15日、エクアドルのラファエル・コレア大統領は政令によって、ヤスニITT計画を撤回、アマゾン地方のヤスニ国立公園の原油を、世界からの基金の拠出によって発掘しないという提案の終わりを宣言、石油開発を進めることを決定した。理由は基金が予定の1%しか集まらなかったことによる。(詳報はのちに)


ラファエル・コレア、ヤスニITT提案の終焉(8月15日)
http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11594782427.html

2013-08-18 08:57:12 

(参考:N095「ヤスニITT提案が大きな成果」)
http://ameblo.jp/guevaristajapones/entry-11031829936.html

8月15日、エクアドルのラファエル・コレア大統領は、アマゾン地方のヤスニ国立公園の、原油約9億バレルが眠るイシュピンゴ、タンボコチャ、ティプティニ地区(ITT)の開発を国際社会からの基金の拠出によって、その石油採掘をやめるという、ヤスニITT提案の終焉を、したがって石油開発の推進を認める政令を決定、テレビ・ラジオ放送でこれを伝えた。エクアドルは世界でもっとも生物多様性が存在する国の一つであるが、そのなかでもヤスニはユネスコによって世界生態保護区(RMB)に指定されている、環境保護の象徴的な場所であった。

エクアドル、アマゾン地方は豊かな自然とともに、石油の採掘地であり、米国石油独占シェブロン(旧テキサコ)による汚染事件の深刻さも知られている。コレアは2007年に大統領に就任ののち、国連総会でこの提案をおこなった。先進資本主義国は第3世界から資源を開発し消費し、もっとも地球を汚染している国々がもっとも豊かな国々であるという現実にたいして、豊かな国が資金を拠出することによって環境を保護し、これによって4億トンの二酸化炭素の排出を防ぎ、貧しい国の自然が破壊されることを防ぐというヤスニの提案は画期的であり、多くの人々の心をとらえた。

コレアは当初から、資金が集まらない場合にはB案、石油の採掘をおこなうことを宣言していた。コレアは12年間で36億ドルの拠出を世界に呼びかけたが、6年間で集まったのは1330万ドル0.37%にすぎなかった。コレアは提案の失敗を欧米における世界経済危機、そもそも提案を現実化するには時代が早かったと、先進資本主義国の責任にもとめた。エクアドルでは最近の新たな油田の発見はない。9億バレルの原油はエクアドル埋蔵の20%、182億9200万ドルをもたらすことになる。コレアはこれによって、エクアドルにおける貧困の撲滅、とりわけアマゾン地方における飲料水、子供の栄養状態、教育、医療の改善をおこなうことができると説明した。石油採掘はヤスニ公園100万haの1000分の1にすぎない。

ニュースが伝わると、キトの大統領宮殿前にはプラカードを持った数百人の市民が抗議行動をおこなった。ヤスニの自然環境を守ることがいかに重要かを政府がキャンペーンしてきたのであって、1000分の1だとか、貧困をなくすためと言っても、説得するのは難しい。2013年6月のペルフィレス・デ・オピニオン社の調査では、国民の93%がヤスニITT提案を支持しており、資金が集まらない場合でも66%が開発に反対している。そこには現代資本主義社会との接触を拒む、キチュアとワオラニの11,000人の先住民が暮らしている。大統領宮殿前のプラカードのスローガンは、「ヤスニに手をつけるな」、「開発主義に反対、他の選択がある」などである。(N0686) 		 	   		  


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