[CML 026146] 和太鼓にみる日本文化の多様性

泥憲和 n.doro at himesou.jp
2013年 8月 28日 (水) 18:28:23 JST


 朝鮮ガー、中国ガーとかまびすしいネトウヨ諸君ですが、彼らの大好きなニッポンの文化は、じつのところ彼らが思いも及ばない広さと深さを有しています。

 私は和太鼓をやっていますので、そのことを、「八丈太鼓」と「神着木遣(かみつき きやり)太鼓」を材料にして語りたいと思います。

■八丈太鼓について

 東京都八丈島は伊豆諸島の南端に位置します。
 そこに900年前から伝わるという「八丈太鼓」は、太鼓を枝から吊したり、組台に横向きに乗せて、裏打ちリズムで打ちます。
 よくその由来を島流しにされた流人と関係づけて説明されますが、
江戸の武士が「ン・どん・ン・どん」と裏打ちリズムが取れたとは思えません。
 ましてそんなリズムを創作できようとは考えられないことです。
 流人が作った太鼓という説明は、そう言えばうけるだろうとハッタリをかました観光客向けの説明だと思います。
 淵源は流人などより遙かに遠いでしょう。

 八丈島太鼓の方式は、その太鼓の用い方といい、リズムといい、本土の農村文化が伝わったものではなく、どうやらヤップ島などミクロネシア文化の流れらしい。
 日本文化の基層に南方海洋文化があるのは有名な話です。
 古代の高床式建物がミクロネシア起源なのは、見た目で分かります。
 八丈島から出土する丸ノミ形の円筒石斧は、鹿児島の縄文遺跡やマリアナ諸島からも出るのです。 

 ところで八丈島とその近辺の島々を鎮守なさるのは、優婆夷(うばい)大神。
 ウバイ大神は女神です。
 ウバソク・ウバイというのは、ヒンズー教で天地を作った男女の創始神。
 優婆夷大神は、なんとインドに淵源をもつ神様です。
 ニッポン文化は、せせこましい日本列島の一隅でちまちまと育まれたのではありません。
 遙かな古代から、黒潮に乗って人々は移動し、宗教を伝え、交流・交易して交わり、文化を形成してきたのです。
 
■神着木遣太鼓 

 東京都三宅島の「神着木遣(かみつき きやり)太鼓」(東京都無形文化財)も面白い。 

 江戸の木やり唄に合わせて打つ太鼓は、八丈島太鼓と同じく、横向け両面打ちの裏打ちリズム。
 つまりミクロネシア方式です。
 かなり日本本土の文化色が濃くなっていますが、三宅島は南洋文化の北限と言えます。 

 木遣り太鼓を奉納するのは御杓神社の「牛頭天王(ごずてんのう)祭」。
 これは朝鮮渡来の神様です。

 江戸と、ミクロネシアと、朝鮮と。
 何百年も前から、民族を超えて形成された文化が今も生きている。
 面白いものですね。

 こんな風に西太平洋全域と交わって形成された、一種のグローバル文化。
 これが日本文化ってもんなんだよ、ひきこもってないで世界に目を向けなよと、ネトウヨ諸君に伝えたいものだなあ。 



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