[CML 026081] 都議選・参院選・江東区・世田谷区分析

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2013年 8月 25日 (日) 20:01:48 JST


都議選・参院選・江東区・世田谷区分析
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江東区も世田谷区も第三極への支持は高い。政党票に比べて知名度の低い個人票が少ないなど、第三極の支持は組織化されておらず、ムラがある。それだけ第三極の行政改革志向を純粋に共鳴している市民が多いと分析できる。第三極の政治思想に共鳴するが、是々非々で投票しているということである。

この点は市民的支持を得る上では非常に重要である。行政には無駄があることは事実であり、それは改善されなければならない問題である。生活保護などの福祉施策が既得権益化し、不正が存在することも事実である。この点の問題意識を持たずに、バッシングと身構えて公務員労働運動的な論理で反論しても市民の支持は得られない。

江東区と世田谷区の対照的な点は共産党と非共産市民派政党がトレードオフの関係にあることである。共産党が相対的に強い江東区では非共産市民派政党が弱い。世田谷区は逆である。しかも、世田谷区では特定の非共産市民派政党が強い訳ではなく、社民党、緑の党、みどりの風が軒並み伸びている。

尚、非共産市民派政党というカテゴライズは恣意的である。思想的には共産党と社民党は社会主義の点で親和性があり、緑の党、みどりの風は社会主義とは異質である。しかし、現実の市民運動の世界では社民党、緑の党、みどりの風は親和性があり、共産党が異質である。世田谷区の状況は共産党と非共産市民派政党という分類が意味を与えている。

都議選や参院選では共産党の躍進が注目されたが、それは他の市民派政党を削り取る側面がある。逆に社民党・生活者ネットが区長与党を構成し、一定の強さを持つ世田谷区では共産党は削り取ることができずに苦戦する。

これは市民派共闘という命題には頭の痛い問題である。票を奪い合う関係にあるためである。共産党にとっては非共産市民派政党も一緒にしたオール与党批判が合理性を持つ。非共産市民派政党にとっても共産党排除が合理性を持つ。

この第三極的政治姿勢の支持浸透と、共産党と非共産市民派政党のトレードオフという問題に対しては、共産党が適応できている。

第一に共産党は都議選では外環道などの大型公共事業という大きな無駄を攻撃した(林田力『二子玉川ライズ反対運動10』「「コンクリートから人へ」の行方」)。これは行政の無駄に問題意識を持つ人々への回答となった。

第二に共産党は参院選でブラック企業批判に注力した。左派・市民派という狭い世界での椅子取りゲームではなく、もっと別次元の層の支持を集めることに成功した(林田力『ブラック企業・ブラック士業』「ブラック企業と参議院議員選挙」)。

また、ブラック企業という明確な悪を叩くというロジックは分かりやすい。左翼教条主義者ならば悪者を仕立てて叩くという手法はハシズムと同じと眉をひそめるだろう。しかし、社会悪と闘うというロジックを元々左派の武器と言ってもよく、ハシズムが真似したようなものである。社会悪と闘うというロジックは積極的に打ち出すべきである(林田力『東急不動産だまし売り裁判5東京都政』「発表稿」)。

一般に非共産市民派政党は共産党に比べれば柔軟とのイメージがある。しかし、今回に関しては共産党に柔軟性があった。それが選挙結果の明暗となった。

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林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
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