[CML 026036] 「焚書は序章に過ぎない。本を焼く者は、やがて人間をも焼くようになる」(ハイネ)――松江市教委の 「はだしのゲン」閲覧規制問題の行き着く先はどこか?

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 8月 24日 (土) 00:09:26 JST


今日は松江市教委の 「はだしのゲン」閲覧規制問題に関して以下のような報道がありました。

      ■ゲン「閉架」の再考求める要望書…図書館協会(読売新聞 2013年8月23日)
      http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20130823-OYT1T00590.htm?from=navr

      「同協会の「図書館の自由委員会」の西河内靖泰委員長は「市教委が一定の価値判断をして学校に閉架を押しつけ
      ることは検閲にあたる」と話している。

      ■図書館協会、「ゲン」閲覧制限撤廃を要望 松江市に(日本経済新聞/共同 2013年8月22日)
      http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2203Z_S3A820C1CC1000/

      「要望書は、米国の図書館協会が年齢による利用制限を「目立たない形の検閲」としているのを引用し、市教委の
      対応を批判。「読みたい子どもが教師の許可を求めるのは心理的負担が大きい」と指摘し「学校図書館の自由な利
      用がゆがむことが懸念される」とした。」

上記の日本経済新聞の記事によれば、図書館協会は、要望書でも、「米国の図書館協会が年齢による利用制限を『目立たな
い形の検閲』としているのを引用し、市教委の対応を批判」しているということですね。日本の教育行政を根底的に根腐れさせ
ている大きな一因ともなっていると私などは常々憤慨をもしている教委特有の――それも全国的な規模でのある種のモンロー
主義、すなわ教委独特の視野狭窄(国際的にも国内的にも)を衝く有効な批判としても機能しているように思います。この間接
的な意味での図書館協会が放った国際的批判を松江市教委はどう受け止めることができるか(おそらく受け止めることはでき
ないでしょう。先の報ステの市教委インタビューの紹介の際にもふれたようにに同市教委に見られるのは小心な打算だけです)。
しかし、そういうことをも含めてこのあたりの市教委の判断のありようがひとつの勝負どころになるようにも思います。

ところで、今回の松江市教委の「閲覧規制」問題の報道にふれた折、頭の片隅に1930年代のナチスの「焚書」事件を想起さ
れた方も少なくないのではないでしょうか? が、このことについて共産党の新人国会議員の吉良よし子さんが次のように明
確にその関連性を指摘しています。

      「本を焼くものはやがて人間を焼くようになる」ー ベルリンの“焚書の広場”に書かれているハイネの言葉です。過去
      の過ちを繰り返さないために、忘れてはならない言葉だと思います。」
      https://twitter.com/kirayoshiko/status/368898837097611264/photo/1

まさしく吉良さんの指摘されるとおりだと思います。今回の松江市教委の「閲覧規制」問題をうやむやに放置しておけば、その
先に来るものは大げさではなく「人間を焼く」光景でしょう。上記のハイネの言葉は1820年に戯曲『アルマンゾル』の中で発
せられたものですが、ナチスの「焚書坑儒」は1933年5月に現実のものになり、さらにあの忌まわしいホロコースト(ユダヤ人
大量虐殺)は1930年代から1940年代にかけてドイツやポーランドなどで現実のものになりました。決して「忘れてはならない
言葉」です。

そういうしだいで、弊ブログのフリースペースに「松江市教委の「はだしのゲン」閲覧制限に抗議する!」という項を設けてベル
リン・ベーベルの広場(焚書の広場)の「焚書」抗議の碑とハイネの上記の言葉を刻んだプレートの写真とともにハイネの言葉
そのものをアップしておきました。この抗議の項は松江市教委が同制限を撤廃するまで置いておくつもりです。そのハイネの
言葉は次のようなものでした。

      Das war ein Vorspiel nur dort, wo man Bucher verbrennt, 
verbrennt man am Ende auch Menschen.
      焚書は序章に過ぎない。本を焼く者は、やがて人間をも焼くようになる。 

                              (H. ハイネ 戯曲『アルマンゾル("Almansor")』 1820年)
      http://mizukith.blog91.fc2.com/

もう一点。

孫子に「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」(知彼知己者百戦不殆)といく言葉があります。その伝で「彼」の主張を知る
必要もあるでしょう。下記のブログが「彼」の主張をよくまとめています。ご紹介させていただこうと思います。

■「本を焼くもの」(vanacoralの日記 2013-08-22)
http://d.hatena.ne.jp/vanacoral/20130822
*吉良よし子さんのツイッターを知ったのもこのブログででした。
 

東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
http://mizukith.blog91.fc2.com/




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