[CML 026019] 状況は日々刻々と変わる――松江市教委「はだしのゲン」閲覧制限問題

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 8月 22日 (木) 22:24:34 JST


松江市教委の「はだしのゲン」閲覧制限問題について今日の22日、同市教委において閲覧制限の「見直し」のための再検討会議が
開かれるというので注目していましたが、結論は26日の臨時会議まで先送りされることになったようです。

■「はだしのゲン」閲覧制限 松江市教委協議、結論先送り(朝日新聞 2013年8月22日)
http://www.asahi.com/national/update/0822/OSK201308220021.html

一昨日、私は、松江市教委の「はだしのゲン」閲覧制限問題について「私たちの批判が実を結んでいるようです」とある意味楽観的
な展望を述べておきました。この問題について一昨日の時点で広島県知事と広島市長が揃って「閲覧制限は適当でない」旨の見解
を表明をしていたからです(長崎市長も同趣旨の発言をしているようですが私は確認できていません)。松江市教委にとって広島市
長の発言は同格の別都市の市長の発言にすぎないのだとしても、同市教委のいわば上司筋に当たる広島県知事が「閲覧制限は
適当でない」とまで明確に同市教委の今回の措置を批判しているのだから、この問題はこれで落着するだろう、と。

■「はだしのゲン」鳥取市でも閲覧制限(NHK 8月20日 16時43分)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130820/k10013896451000.html
「この問題について広島県の湯崎知事は20日の記者会見で「『はだしのゲン』は広島の被爆の実相を伝える資料として、長年、たく
さんの人が読み継いできたものだ。児童や生徒にはこうした資料を通して被爆の実相を理解してもらい、世界の平和と人類の幸福
に貢献できる人に育ってもらうことが大事だと思っている。自由に読んでもらっていいと思う」と述べ、閲覧制限は適当ではないという
考えを示しました。」

■「はだしのゲン」は平和希求=松江市の閲覧制限受け-松井広島市長
http://bit.ly/175IIW2
「松江市教育委員会が市内の小中学校に広島の原爆被害を描いた漫画「はだしのゲン」の閲覧制限を要請したことについて、広島
市の松井一実市長は21日の記者会見で、「確かにいろんな場面があるが、作品全体の訴えは世界平和を希求する強い思いだ」と
作品への見解を述べた。」

しかし、昨日(21日)になって松江市教委の今回の措置を肯定する2人の大臣発言がありました。ひとりは下村文部科学大臣。もう
一人は菅官房長官の発言。

■下村文科相、閲覧制限を容認 はだしのゲン「配慮必要」(東京新聞/共同 2013年8月21日)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013082101001388.html

■「はだしのゲン」閲覧制限、賛否両論相次ぐ(TBS News 2013/08/21)
「島根県松江市教育委員会が漫画「はだしのゲン」の閲覧を制限した問題で、21日、下村文部科学大臣が教育委員会の対応に
理解を示しましたが、(略)一方、菅官房長官は21日、松江市教育委員会の対応は妥当だとの認識を示しました。
http://bit.ly/175Tyvh

これで松江市教委の「はだしのゲン」閲覧制限問題の再検討は楽観を許さなくなりました。「きのうまでは、メディアや世論からの
批判を受けて、閉架措置の見直しの雰囲気が漂っていたが、強烈な官邸の意向に反してまで、松江市は見直しを行えるのだろう
か」(「『はだしのゲン』をめぐる動きについて」 永田浩三の極私的ブログ「隙だらけ 好きだらけ日記」 2013年8月21日)という懸
念が生じてきたのです。その懸念が今日の「『はだしのゲン』閲覧制限 松江市教委協議、結論先送り」という形になって現われま
した。上記の2人の大臣の発言は松江市教委の同制限問題「見直し」のための再検討会議が今日あることを見越しての先制ジャ
ブのようなものだったでしょう。ありていに言って自民党・安倍内閣は要職の大臣2人を動員して再検討会議の前日に前もって圧
力をかけたということであるでしょう。その結果が「結論先送り」というわが国の官僚社会おなじみの光景を現出させました。それ
だけにこの「結論先送り」という事態は楽観できません。わが国おなじみの光景はマイナーに展開していくのがこれまでの例だか
らです。

しかし、マイナーの光景は官僚界隈の風景でしかありません。以下は、昨日から今日にかけてあらたに掲載されたメディアの社説
です。どのメディアの社説も(もちろん、産経や読売は論外とします)「閲覧制限は納得できない」と松江市教委の今回の「閲覧制
限」の処分を批判しています。

■【社説】はだしのゲン 彼に平和を教わった(東京新聞 2013年8月21日)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013082102000169.html

■【社説】はだしのゲン 目隠しをして何になろう(琉球新報 2013年8月22日)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-211401-storytopic-11.html

■【社説】【はだしのゲン】納得できない閲覧制限(高知新聞 2013年8月22日)
http://203.139.202.230/?&nwSrl=306909&nwIW=1&nwVt=knd

状況は日々刻々と変わります。しかし、その「変わらせる力」は、本質的には実のところいつの場合も大衆(市民)のバイタリティー
(生命力)とダイナミズムです。さらに「松江市教委よ。『はだしのゲン』の閲覧制限は撤回せよ」の声を強めていきましょう。


東本高志@大分
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http://mizukith.blog91.fc2.com/ 



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