[CML 025924] 本日、第23回参議院選挙無効請求訴訟を提起

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2013年 8月 16日 (金) 02:30:31 JST


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第23回参議院選挙無効請求訴訟を提起
http://kaze.fm/wordpress/?p=478

マスメディア用語で「1票の格差」(地域代表性の格差)を克服する別の格差論で第23回参議院選挙(2013年参議院選挙)の無効を求め、8月16日に訴訟を提起します。千葉在住なので、管轄は東京高裁になります。

訴状:
http://otasa.net/documents/Suit Seeking Invalidity of the 2013 Upper House Election Final Version.doc

こちらの集会で訴訟のことも取り上げます。

8月17日(土)「参院選のまとめと今後の展望」~やはり小選挙区制度と高額供託金は癌だ~: 草の実アカデミー(第二言論サミット)
http://kusanomi.cocolog-nifty.com/blog/2013/08/17-efaa.html#more

皆さんの選挙区でも是非、無効訴訟を提起していただきたいと思います。不当だと思いますが、ある選挙区の無効訴訟を提起できるのは、その選挙区の選挙人です。

この訴状をひな型に使ってください(事前にご連絡ください)。原告と被告、管轄裁判所や提出日時などのほか、(4)の記述を変更してください。締切は選挙日から30日以内です。選挙結果は総務省のサイトや時事のサイトなどで分かります。

平和への結集ブログ » 2013参院選――結果分析
http://kaze.fm/wordpress/?p=475

http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/data/index.html
http://www.jiji.com/jc/2013san


訴状の抜粋

第2 請求の原因 3 憲法違反・公職選挙法違反の事実 

(0)緒論

 まず、本件訴訟は、「定数是正訴訟」ではなく、選挙区間での「定数配分の格差」とは別の選挙権の格差を論点とするものである。選挙区間での「定数配分の格差」は、人口ないし有権者数当たりの定数(議員1人当たりの有権者数)の選挙区間での不均衡を論点にするものであり、議員1人当たりの有権者数が同じであれば、1選挙区内の定数がどうであるか、つまり小選挙区であるか中選挙区であるかなどを問わない。本件訴訟では、議員1人当たりの有権者数を選挙区間で揃えただけでは解消されない選挙権の格差を論点とする。

 平成24年の最高裁判決でも「憲法は,選挙権の内容の平等,換言すれば,議員の選出における各選挙人の投票の有する影響力の平等,すなわち投票価値の平等を要求していると解される」とある通り、法の下の平等を「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」に適用しているのであって、「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差が「定数配分の格差」だけだと判断しているわけではない。

平成23年(行ツ)第64号 選挙無効請求事件
平成24年10月17日 大法廷判決(7ページ)
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20121017181207.pdf

 広島高裁岡山支部は2013年3月26日、2012年衆議院選挙の岡山2区の選挙を憲法違反とする判決の中で、「選挙区制を採用する際は、投票価値の平等(すなわち、選挙区(国民の居住する地)によって投票価値に差を設けないような人口比例に基づく選挙区制)を実現するように十分に配慮しなければならない」と述べている。

 広島高裁岡山支部判決は、訴状の争点に従って、区割り選挙(「選挙区制」)を前提にするなら人口比例選挙をせよ、と求めたのであり、人口比例選挙だけを実施すれば平等な投票価値が実現する、と判断したわけではない。

 「定数配分の格差」に対応する「1票の格差」という言葉はマスメディア用語であり、一連の「定数配分の格差」訴訟で山口邦明弁護士グループは正しくも「1票の格差訴訟」ではなく「定数是正訴訟」と呼ぶべきだと主張している。「定数配分の格差」だけが投票価値の格差でないことからして、当然であろう。

2013/03/26 「一票の格差」訴訟 東京高裁「違憲」判決 記者会見
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/70047

 そのメディアも最近になって、定数配分の格差以外の投票価値の格差を概念化し出した。読売新聞(2013年3月23日)は自由民主党の細田博之衆議院議員が提案している衆院比例区「中小政党優遇枠」案を評価するに当たり、「政党間」での「1議席あたりの得票数」を比較して、「社民の約26万票、公明の約27万票に対し、自民は約62万票で、大きな格差が生じている」と問題視している。

 産経新聞(2013年3月30日)に至っては、同案が「政党間での一票の格差」を新たに生み出し、「投票価値の平等」に反すると明確に書いている。ただし後述するように、「政党間での一票の格差」は新たに生み出されているわけではない。原告はこの産経記事の前から「政党間1票格差」という表現を使用している。2012年衆議院選挙比例区でも社会民主党は議員1人を当選させるために全国集計レベルで自由民主党の4.87倍もの票を要した。

 平成24年最高裁判決が言う「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差は、「選挙区間」で比べる「定数配分の格差」(1議席当たりの有権者数の格差=定数分布の人口比例からの破れ)だけではなく、「生票を投じる有権者グループ」と「死票を投じる有権者グループ」の間で比べる「投票価値の格差」(生票・死票間1票格差=当選議員分布の投票者数比例からの破れ)、「政党間」で比べる「1議席当たりの得票数」(政党間1票格差)、「政党間」で比べる死票率、政治的立場の違いで比べる定数枠の違い(無所属候補が比例区の定数枠から締め出されている)、「選挙区間」で比べる死票率、「選挙区間」で比べる適用選挙制度の違いなど、多様な切り口がある。

 多様な類型を含む「1票の格差」および「1票の価値」をマスメディアが選挙区間の「定数配分の格差」(に対応する投票価値の格差)の意味でのみ使用していることに、投票価値の格差に関する議論が混迷している一因があるだろう。

その他の目次:

(1)比例区の定数枠から無所属候補を締め出す現行選挙制度は制限選挙を禁止する憲法に違反
(2)投票価値の格差の本質は生票と死票の対立にこそある
(ア)投票価値の本質
(イ)50%未満の得票率で50%超の議席占有率を許す現行選挙制度は多数決さえ保障しない
(3)選挙区によって異なる選挙制度を適用することは投票価値の格差をもたらす
(4)千葉県選挙区の選挙の違憲性とその他の選挙区の選挙の違憲性
(5)公職選挙法の供託金・立候補者数規定は「正当な選挙」どころか「不当な選挙」を規定するもので、憲法第14条に違反する
(6)野宿者の方などの選挙権が剥奪されている

第3 結論

 既に最高裁判所は「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差が憲法で定めた法の下の平等に反するとの判断を下している。

 本訴状では「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差は「定数配分の格差」に起因する投票価値の格差だけではないこと、投票価値の格差の本質は生票と死票の対立にあることを力説し、現行選挙制度が「定数配分の格差」に起因する投票価値の格差以上に重大な投票価値の格差をもたらしている事実を指摘し、さらに現行選挙制度が無所属候補の立候補権を制限している事実、選挙管理委員会が野宿者の方などの選挙権を剥奪している事実、公職選挙法が政党要件を持たない党派や非富裕者に対する制限選挙を規定している事実を指摘した。

 「定数配分の格差」に起因する投票価値の格差については、特に選挙制度の細部たる「1人別枠方式」が違憲とされた。このような細部について憲法判断ができるなら、投票価値の格差をもたらす選挙制度本体についても憲法判断ができるはずである。
 
 以下の判決を求める。

(1)比例区の定数枠から無所属候補を締め出す現行選挙制度は制限選挙を禁止した憲法に違反すると認める。
(2)「定数配分の格差」に起因する投票価値の格差以外にも「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差があり、投票価値の格差の本質は生票と死票の対立にあることを認め、憲法は定数分布の人口比例だけでなく当選議員分布の投票者数比例も要請していることを認める。
(3)憲法前文「国民の厳粛な信託」、憲法第14条法の下の平等、憲法第43条「全国民を代表する選挙」は死票を最小化しつつ、国民の意見と国会の意見の乖離を限りなく縮小して平等な国民主権を保障する選挙制度を要請していることを認め、小選挙区制および大選挙区制(中選挙区制を含む)はそのような要請を是とする思想に基づいて真摯な議論によって制定された法律ではなく、同思想に通じる科学的知見を無視しているから、憲法違反であると認める。
(4)選挙区によって異なる選挙制度を適用することは投票価値の格差をもたらし憲法違反であると認める。
(5)公職選挙法の供託金・立候補者数規定は制限選挙を禁止した憲法に違反すると認める。
(6)野宿者の方などの選挙権を剥奪していることは憲法違反であると認める。
(7)よって2013年参議院選挙の千葉県選挙区、その他の選挙区、比例区の結果を無効とする。


太田光征


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