[CML 025769] 大阪市教育委員会にむけて、学校「答申」を尊重するように要請を送りました

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2013年 8月 5日 (月) 15:18:44 JST


えひめ教科書裁判を支える会の奥村です。
重複されるかた、すみません。

大阪からの呼びかけを受けて、大阪市教育委員会へ
下記の「各高校からの「答申」を尊重した採択を求める要望書」をFAXで送りまし
た。

転送歓迎
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要望書

2013年高校教科書採択に関して、
各高校からの「答申」を尊重した採択を行ってください!

大阪市教育委員会様

えひめ教科書裁判を支える会
     
2013年8月5日

要望の趣旨

 現在、貴教育委員会では来年度使用の市立高校の教科書採択作業が行われていると
報道されています。情報によれば、7月23日の教育委員会議でも採択の基本方針、採
択の仕組みを確認した後、各高校からの「答申書」が教育委員に手渡されたとのこと
で、会議の中では大森不二雄委員から、「選定調査会、答申は文科省の出している法
令には規定されていない。」「従って、答申の法的性格から言えば、教育委員会が答
申に縛られることはない。」「答申は教育委員会が適切な判断をするための補助。答
申とは違う判断をすることに問題はない。」と何度も、教育委員会が「答申」に縛ら
れないことを確認されてと聞きます。

 しかし、これらの発言は、戦前において果たした教育の負の歴史の反省(「わが国
が開始すべからず戦争を開始し、継続すべからず戦争を破壊の直前まで継続した大き
な罪悪と過誤とが、そのもとをたどれば結局のところ、明治以来の特に既往20年間
の国家主義的・軍国主義的教育に胚胎している」(田中耕太郎元文部大臣・後に最高
裁長官)。「もし明治以来の教育がなかったならば、過去に見られるような大規模な
戦争はやり抜くことはできなかったろう」(田中角栄元首相))にもとづく戦後の教
育制度としての高校教科書採択制度、教育行政機関(教育委員会)と教育機関(学
校)のそれぞれの任務と限界、近代公教育における教育条理(注1参照)を理解して
いない発言です。

 具体的には、下記のような教科書採択の実態、採択における適正手続および独占禁
止法の「不公正な取引方法」、教育条理などの理由から、教育委員会は、各高校から
の「答申」に縛られます。

記

1、 戦後、高校の教科書採択において、学校で選定した教科書が教育委員会議で覆
されたのは一度しかありません。なぜ、戦後一貫して高校では、学校採択(学校が選
定した教科書を教育委員会で採択)が行われてきたのか、考える必要があり、高校
は、教育目標や教育課程、生徒の実態などが小中学校以上に学校ごとに異なり、教科
の内容も専門性が高い。従って、教科書採択には専門性を有し、その専門性にもとづ
き選定された学校現場の声が優先されることは教育の条理から言っても当然のことで
す。

2、 仮に、教育委員会が、現場から上がってきた「答申」を覆すのであれば、誰も
が納得するそれぞれの学校の状況を踏えた教育専門性上の合理的な理由が必要で、そ
れが、なければ、「答申」を覆すことは違法・不当となります。

3、 つまり、それぞれの学校の状況を踏えた教育専門性上の合理的な理由もなく特
定の教科書を排除し、採択しないことは、採択に求められる行政手続き上の適正手続
に反し、それは、委員らの職権の濫用となります。

4、 また、その行為は、正当な理由なく、教科書採択という行為における教育委員
という取引上の地位を利用し、特定の商品(教科書)を取引き対象から除外するとい
うことであり、取引上の地位を利用した違法行為および特定商品に対する誹謗・中傷
となり、独占禁止法の「不公正な取引方法」に抵触します。

5、 どの教科書がそれぞれの学校の生徒たちに最も適しているのかを判断するため
には、各教科の専門的知識および教育活動経験が、必要不可欠です。しかし、教育委
員は、何千とある全ての高校教科書を読んで、採択することなど現実的に不可能であ
り、委員に全ての教科書が手わたされることさへ出来ていないのが実態です。つま
り、この事実が、「答申」どおりの教科書を採択する必要を示しています。

6、 教科書を読んでもいない可能性があり、各教科の専門的知識および教育活動経
験のない委員らが、独自の判断や評価にもとづき、使用する教科書決めることなど
行ってはならないことは、法律以前の社会通念上、信義誠実上、公序良俗上から許さ
れません。

7、 学校での授業の具体的な内容を最終的に決定をする権限、教育課程(カリキュ
ラム)の最終決定権は学校現場にあり、このことは文科省も認めています。つまり、
どの教科書を使用するかは、教育課程決定権の重要な一部で、教育行政機関である教
育委員会のやるべきことは、教育機関である学校現場の選定を尊重して採択を行なう
ことです。各学校の「答申」を覆す行為は、教育行政機関による教育機関の教育課程
決定権に対する介入する不当・違法なものです。


 貴教育委員会は、8月6日教育委員会議で教科書採択が行われると聞きます。も
し、その場で各学校からの「答申」を覆し、採択変更するならば、戦後高校教科書採
択で定着していた教育条理を完全に覆す暴挙であり、前記した数々の違法行為と言う
ほかありません。また、前記した戦前の反省にもとづく教育制度を踏みにじることで
す。

 教育は、それ自体が人権のひとつであり、かつ他の人権を実現する不可欠な手段と
して位置付けられています。このような思想は、人権の思想のなかで<教育への権利>
として発展し、とりわけ子どもらのそれは、人権思想と深く結びつき、人権思想を豊
かにしてきました。子どもたちのこのような<教育への権利>を守り、育み、子どもた
ちに希望ある未来を整備することが、貴委員会および貴委員らの使命です。

以上の理由から、8月6日の教育委員会議では、各学校からの「答申」を尊重して採
択を行うように強く要望します。

以上


注1

 峇圭法が教育法の分野においては重要であり、法律とならんで教育法の原始的法
源をなすと解される。すなわち、教育社会は独自の法規範を形成するほどの自律性を
有すること、現行教育法においては教育にたいする立法的規律には限界があり、した
がって教育事項については立法権の他律的規律によるよりも教育社会の新しい自律的
な規範形成にまつほうが妥当な場合が少なくないこと、戦後の教育改革以降しだいに
法律が整備されてきたとはいえ、いまだ成文法の存しない領域が存すること、教育お
よび教育行政が後述のごとく非権力的社会作用になったとすれば、法規の根拠がなけ
れば制度の運営ができないというわけではないこと、などがその理由である。」(p.
37)

 ◆屐愍鰺』ないし『条理法』は、教育法において慣習法より以上にきわめて重要
である。不文教育法一般ないし教育慣習法が重要である上述の諸理由はすべてここに
援用できるが、つぎの点が根本的である。独特な教育法論理の発生基盤を成す近代の
教育それ自体は、がんらい前法規的存在であって、しかも独自な本質および原理(教
育学でいう「近代教育原則」)を確立してきている。したがって、教育にたいする法
的規律には限界が存するとともに、教育条件整備としての教育法的規律は、まさに教
育の本質や原理に沿いその実現を助長するものでなければならない。」(p.40)

兼子仁(当時・東京都立大学教授、現名誉教授)による有斐閣法律学全集の『教育法
[新版]』(1978年)の「第二節 不文教育法―教育条理法と学校慣習法」より)

----------------------  ここまで

大阪の会の伊賀です。

大阪市教育委員会は、継続審議となっていた高校教科書採択の教育委員会義を
8月6日(火)午後1時から 大阪市役所で行うことを発表しました。

7月30日の教育委員会議では、
2名の教育委員が出版社名こそだしていませんが実教出版日本史への「違和感」を表
明し、
「答申通り採択しても大丈夫なのか」と発言し、採択の延期となっていました。
さらに実教出版の日本史Aを答申した1校に対して、詳しい選定理由を説明するよう
に求めました。

詳しくはブログを見てください。
http://blog.goo.ne.jp/osaka-edu/e/b976d3306e7cb8df4dcfa8632ba5dbd0

◆是非とも、大阪市教育委員会に
学校からの「答申」を尊重した採択を行うように声をとどけてください。

要請先

大阪市教育委員会 総務部総務課 企画グループ
TEL06-6208-9013  FAX06-6202-7052

◆また8月6日の教育委員会議の傍聴をお願いします。
傍聴希望者は、当日の午後12時半から1時までに、大阪市役所7階第4委員会室前
に来てください。

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