[CML 025745] Re: 転載:「風立ちぬ」は宮崎駿72歳、渾身の一作

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2013年 8月 3日 (土) 18:29:23 JST


前田さん wrote:
> 日本では、零戦の優秀性ばかりが強調されます。川西玲子さんの意見は戦後日本
> で作られた零戦イメージであり、典型的な俗論です。

たしかにそういう側面はありますね。

川西さんは同映画評に「日本人の誇りだった零戦は、実際は侵略戦争の道具となり、最後は神風特攻隊の象徴となって、ろく
に操縦もできない少年たちと共に海の藻くずと消えたのである」とも書かれていますが、それは零戦の機能の欠陥の指摘では
なく、「ろくに操縦もできない少年たち」の未熟の問題に話を収斂しています。これでは「ゼロ戦神話」を脱却したことにはなりま
せんね。

「小型戦闘機で旋回能力がすぐれていたのはたしかですが、防御の観点をネグレクトし、つまり操縦士の生命を守ることを度
外視した戦闘機」だったというご指摘は私も少年時代に読んだ記憶があります。

前田さんのご指摘は川西さんにもお伝えしておきたいと思います。

ちなみに川西さんの映画評の中には「紫電改は零戦の後継機で、昭和20年8月6日、大村基地所属の紫電改パイロットが、
原爆投下の瞬間を至近距離で目撃している。高いところを飛べたのである」という記述もありますが、これも少し正確さに欠け
た表現であるように思います。左記の記述ではいかにも紫電改の飛行中にパイロットが長崎への原爆投下の瞬間を目撃した
かのようですが、実際はこの日、紫電改は発進していませんでした。
http://d.hatena.ne.jp/jjtaro_maru/20120809/1344467904

紫電改のパイロットだった本田稔氏の「紫電改で出撃していればB29を落とせたしなんとしても阻止した。」という述懐もあり、
本田氏が実際に長崎への原爆投下の瞬間を目撃したのは登山訓練途中の山中でのことであったようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%AC%E7%94%B0%E7%A8%94


東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
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From: maeda at zokei.ac.jp
Sent: Saturday, August 03, 2013 4:53 PM
To: 市民のML
Subject: [CML 025743] Re: 転載:「風立ちぬ」は宮崎駿72歳、渾身の一作
前田 朗です。
8月3日

東本さん

ご苦労様です。

いろんな見方・観方があるものですね。私は映画を見ていないので、映画につい
てはコメントしません。

零戦について一言。

日本では、零戦の優秀性ばかりが強調されます。川西玲子さんの意見は戦後日本
で作られた零戦イメージであり、典型的な俗論です。

私も少年時代、それこそゼロ戦隼人や紫電改のタカの愛読者でしたから、「ゼロ
戦神話」の世界にいたと言えます。

しかし、後に軍事史の初歩的知識を得た途端に、「ゼロ戦神話」を脱却すること
ができました。

小型戦闘機で旋回能力がすぐれていたのはたしかですが、防御の観点をネグレク
トし、つまり操縦士の生命を守ることを度外視した戦闘機です。もともと戦闘機
なので、生命の尊重を求めることが無理な話ですが、少なくとも欧米諸国では自
国軍人の生命を守ることを忘れていません。

そして、大型機が登場するや、ポンコツになりました。さらに、レーダーを装備
していなかったため、片っ端から撃墜されました。

「ゼロ戦神話」の世界には「撃墜王」などの英雄物語が随伴し、奇妙でアンバラ
ンスな物語がいまだに作られます。しかし、零戦が「撃墜王」を生んだのはごく
短期間で、実態は「撃墜されまくりのポンコツ機」となりました。

その秘密は、前田哲男『重慶爆撃』に見事に描かれています。

以上、余計なコメントでした。

ではまた。


----- Original Message -----
> 映画評論家の川西玲子さん*が東アジア倶楽部という Facebookの頁にアニメ
「風立ちぬ」の映画評を書いておられます。
>https://jinjibu.jp/article/detl/keyperson/263/
>
> また、豊島耕一さん(前佐賀大学理工学部教授)も技術者の観点を含めて同映
画評を書いておられます。
> http://pegasus1.blog.so-net.ne.jp/2013-07-30#more
>
> それぞれ見るべき論(映画評)だと思います。ご参照ください(ここでは川西
玲子さんの映画評のみ掲げておきます)。
>
> なお、宮崎駿監督自らが同作品の意図を語っている文章もあります。こちらも
ご参照ください。
>
> ■飛行機は美しい夢(企画書 2011.1.10)
> http://kazetachinu.jp/message.html
> ■宮崎駿「時代が僕に追いついた」 「風立ちぬ」公開(日経新聞 2013/7/27
>  3:30)
> http://www.nikkei.com/article/DGXNZO57782960W3A720C1000000/?df=3
>
>
> 東本高志@大分
> higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
> http://mizukith.blog91.fc2.com/
>



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