[CML 023942] 「0増5減」は別の選挙権格差を拡大する

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2013年 4月 28日 (日) 17:29:50 JST


[転送・転載歓迎します。重複受信の際はご容赦ください。]

「0増5減」は別の選挙権格差を拡大する
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/357650374.html

政党・メディアの皆さま

2013年4月28日

「1票の格差」訴訟の一連の判決では、法の下の平等が「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」に適用されているのであり(2012年最高裁判決 http://goo.gl/aZBEv )、「定数配分の格差」だけが「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」の格差だと判断されたわけではありません。

例えば、議員1人当たりの人口がまったく同じであっても、参院選の1人区と5人区の間で「選挙権」「投票の有する影響力」「投票価値」が平等だとは決して言えません。1票の影響力・価値は明らかに5人区の方が高いのです。

「投票価値」については、産経が自民党細田案の「中小政党優遇枠」を批判する形で、「政党間での一票の格差」を発生させると明確に主張しています。

「選挙制度改革どこまで本気? 有識者に議論を委ねた方が…」http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/642480/
「(中小政党優先枠について)「政党間での一票の格差」を新たに生み出すことになり、投票価値の平等に反する。」

「政党間での一票の格差」は明らかに「(選挙区間の)定数配分の格差」を指しているのではなく、これこそ真に「1票の影響力・価値の格差」「議員1人の当選に要する得票数(有権者数でない)の格差」を意味します。この格差は2012衆院選の比例区で、社民の4.87倍(対自民)が最大となっています。

「選挙権」の格差はまだあります。現行の選挙制度では、無所属候補は比例区に立候補できないので、政党候補からみて差別されています。選挙区でも比例区でも無所属候補を当選させたいと思う有権者が不利な立場に置かれているのです(政治的関係において差別すべきでないとする憲法14条に違反)。

「定数配分の格差」を是正するための「0増5減」は、「政党候補(支持者)と無所属候補(支持者)の間での定数枠の格差」を拡大するものです。

「0増5減」<さえ>遅々として進まない、という論調がありますが、こうした考え方から脱する必要があります。

「定数配分の格差」の是正が「政党間での一票の格差」や「政党候補(支持者)と無所属候補(支持者)の間での定数枠の格差」の是正より優先されるべきとする合理的な根拠はありません。

「格差」をなくす抜本改革しか道はありません。そのための論議をお願いします。

太田光征


CML メーリングリストの案内