[CML 023888] 『憲法9条の軍事戦略』松竹伸幸

泥憲和 n.doro at himesou.jp
2013年 4月 25日 (木) 13:32:21 JST


 神戸市勤労会館で開かれた『憲法9条の軍事戦略』出版記念講演会に参加しました。 


 著者松竹伸幸さんの講演も、その後の懇親会も、とても刺激的で有益で楽しいものでした。
 松竹さん、大西さん、その他関係者のみなさま有り難うございました。

 松竹さんがおっしゃっていましたが、憲法を護りたいと考えている多くの人が、どうして改憲政党に投票してしまうのか、私たちは真剣に考えなければなりません。

 人々は心から平和を望んでいます。
 だから憲法第9条を支持しています。
 しかし同時に、外国から攻められたら守ってほしいとも願っています。
 だから自衛隊を容認します。
 そして、自衛隊を否定する政党ではなく、自衛隊を擁護する政党の方が頼もしいと感じています。
 その考えは矛盾しているじゃないかと批判しても、命を守ってほしいという感情を理屈で説き伏せることは難しいと思います。
 まず、この現実から出発することなしには、憲法を擁護することさえ出来ないというのが、松下さんの意見だと受け止めました。

 非武装論とは、米国に従属し、米軍の圧倒的な軍事力に依存することの上に、かろうじて成立していたのではないかと松下さんは言います。
 米国の地位が相対的に低下し、中国の地位が相対的に高まり、軍事バランスもそれに伴って変化しているいま、従前のように軍事問題に我関せずを決め込むことは、もう許されません。

 ところで、国民が頼りにしている自民党ですが、彼らの軍事戦略というのが、まことにお粗末です。
 「憲法第9条さえなかったら拉致問題を防げたかも知れない」という安倍総理発言が典型ですが、軍事力とは何かということが全く分かっていません。

 民主党の鳩山さんも、軍事オンチでした。
 普天間基地を国外か県外に移すと勇ましかったのに、「抑止力論」の前にコロリと論破され、意見を変えてしまったのはそのせいだと思います。

 軍事戦略のない国粋主義者が、いま国政を危うくしています。
 軍事戦略をもった平和主義者・護憲派の台頭が待たれます。
 その意味で、松下さんの『憲法9条の軍事戦略』は、「待ってました!」と言いたくなるような本でした。
 本を読み、講演を聞いて、平和を基調とし、理性的で合理的かつ現実的な軍事戦略を築くのは、護憲派にしか出来ないことだろうと確信しました。
 日本の独立を維持し、憲法第9条を堅持して、国際協調主義の外交に徹し、その下で緊張緩和や信頼醸成に努めるにはどのような軍事戦略が必要なのか、
 「お花畑」の平和主義を卒業して、私たちは真剣に考察すべきだと強く思いました。 




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