[CML 023600] 【eシフト声明】 原子力・エネルギー政策「国民的議論」無視はゆるされない
pkurbys at yahoo.co.jp
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2013年 4月 9日 (火) 23:56:33 JST
紅林進です。
経済産業省資源エネルギー庁では、東日本大震災及び原発事故を受けて、
新しいエネルギー基本計画の策定に向け、前政権下では、総合資源エネル
ギー調査会総合部会基本問題委員会において議論を行うとして、その過程
では、昨年夏には、8万9000件以上の市民の声が寄せられたパブリックコ
メントをはじめ、討論型世論調査などの新しい手法も取り入れて、「国民的
議論」が行われ、その結果も受けて、関係閣僚による「エネルギー・環境会議」
は、「2030 年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入
する」とする「革新的エネルギー・環境戦略」を決定しました。それは、原発稼
働ゼロの年代や内容的にも問題はあるものの、政府がはじめて、不十分な
がらも「原発ゼロ」を掲げたという点は、これまでの原発推進路線からすれば
一定の前進をしたものでした。
しかし今の安倍政権は、それすら「ゼロベースで見直す」と言い、この「革新的
エネルギー・環境戦略」を作成した基本問題委員会自体を廃止し、今後はその
親部会である総合部会において検討を行うとしています。その総合部会の委員
構成では、脱原発を主張する多くの委員を外すなど、非常に原発推進派に偏
った委員構成になっています。
このようにいまだ収束もしていない福島原発事故の現実も、原発ゼロの実現
を求める多数の市民の声も無視し、再度の原発推進を続けようとする、この
ような現政府の議論の進め方や審議会委員の人選に関してに対して、eシフト
(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会)では、先に【声明】「 新しいエネ
ルギー政策は民主的な政策形成プロセスを経て決定を」(2013年3月11日付)
30311_eshiftseimei_energypolicyを出しましたが、今回新たに、議論を開始し
ました総合資源エネルギー調査会・総合部会の議論に対し、下記提言を声明
として出しました。
この声明は総合部会などに意見提出し、プレスリリースします。
みなさまからも、紹介等よろしくお願いいたします。
総合部会ウェブページはこちら。意見募集あり。
http://www.enecho.meti.go.jp/info/committee/sougoubukai/index.htm
<以下、転送・転載歓迎>
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【声明】 原子力・エネルギー政策「国民的議論」無視はゆるされない
2013年4月9日
eシフト:脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会
http://e-shift.org/?p=2616
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eシフトは、原子力・エネルギー政策見直しにおいて、市民の意見を聞く場を様々な
手法により設け、反映すべきであると考える。2012年夏の「国民的議論」については、
不十分な点はありながら、2ヶ月近い期間で、複数の手法がとられたことは、画期的
であり、これを無視することは許されない。改めてプロセスを踏む場合には、市民参
加の機会を再度十分に設けなければならない。2013年3月に議論を開始した総合
資源エネルギー調査会・総合部会の議論に対し、下記提言する。
1.総合部会の議論は、「革新的エネルギー・環境戦略」の議論を踏まえるべき
2013年3月15日に開催された総合部会第1回会合では、「革新的エネルギー・環境
戦略」 への言及がなかった。しかし、2011年よりエネルギー基本計画の見直し作業
を開始し、基本問題委員会での議論と「国民的議論」を経て、革新的エネルギー・
環境戦略が策定された。震災・原発事故以降、日本のエネルギー政策について積
み重ねてきた議論を無駄にするべきではない。特に、eシフトの視点からは不充分
ながらも、長い議論の結果として「原発に依存しない社会」の実現へ向けての方針
が出されたという事実は無視してはならない。資料を提示して再度取り上げるべき
であり、この戦略について、9月19日に「踏まえて検討する」との閣議決定がなされ
たことについても、留意しなければならない。
2.2012年夏の「国民的議論」とその結果について取り上げること
政権の方針が変わったとしても、上記戦略の策定に至る過程の中で行われた議論
や、2ヶ月の時間をかけ、様々な手法で大々的に実施された「国民的議論」の結果
は重要な意味を持つことに変わりはない。8万9000件以上のパブリックコメントが
寄せられるなど、広範な市民が積極的に参加したことは画期的な事実である。総合
部会の中で、国民的議論検証会合の委員からのヒアリングなどを設けて改めて説
明し、議論の前提とすべきである。
3.今後の市民参加・国民的議論について具体的に検討すること
総合部会ウェブサイトでは意見募集が開始されているが、今後それだけでなく、各
地での意見聴取会や原発事故被災者からのヒアリング、市民団体からのヒアリング、
討論型世論調査などを実施すべきである。その際には、福島第一原発事故の現状
や被害状況について提示すべきである。また収集された意見は、すべて公開し、意
見への具体的対応について提示すべきである。
なお、2012年12月25日に原子力委員会から出された「国民の信頼醸成に向けた
取組について(見解)」の中でも、今後のエネルギー政策や原子力政策に関する行
政決定に関して、説明責任、正確な情報開示、透明性・公開性と決定過程への国
民参加、わかりやすい説明の四つの基本的要件を目指すべきとし、国民が意見を
述べる機会を設けることに努めるべき、としている(*)。
*原子力委員会、2012年12月25日。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/about/kettei/121225_1.pdf
4.総合部会委員構成は不適切、見直すべき
エネルギー基本計画の改定に向けて設置された基本問題委員会が廃止され、かつ
て原発推進政策を決定づけてきた「総合部会」での議論となっている。メンバーから
は、「基本問題委員会」で「原発ゼロ」の立場であった8人のうち6人が外され、メン
バー構成は原発維持・推進に大きく偏っている。しかも、委員長は新日鉄住金相談
役の三村明夫氏で、基本問題委員会の委員長として不適任であった人物である。
このような審議会構成は、幅広い意見を聞くことを最初から放棄したものであり、
公正な議論が保証されているとは考えられない。批判的委員の追加、もしくは少
なくともヒアリングを行うべきである。
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eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) http://e-shift.org
〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-22-203(国際環境NGO FoE Japan気付)
Tel: 03-6907-7217 Fax: 03-6907-7219
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「脱原発・・新しいエネルギー政策を実現する会」(eシフト)メーリングリストより転載
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