[CML 023556] NHKの「反中国気分」を作るねつ造報道

泥憲和 n.doro at himesou.jp
2013年 4月 7日 (日) 12:27:27 JST


日中友好気分が低下し、中国を嫌う世論が増えています。
中国に対する敵愾心や恐怖心、差別心などが、国民世論にいつの間にか刷り込まれています。
そういう気分を広げることで、改憲世論のベースを作っていく。
こんなことが意図的に行われていると疑われる一例があったので、紹介します。

三重大学で漁業を研究している勝川俊雄さんが、NHKのねつ造報道に怒っているのです。

「日本の乱獲は見て見ぬふりで、中国の乱獲を一方的に非難するクローズアップ現代」 

http://katukawa.com/?p=5176

↓ブログ引用

昨日のクローズアップ現代(〓国境の海で魚が消える 〜追跡 中国虎網漁船〜)を録画で見ました。内容はこんな感じ。

豊かな資源を求めて、東シナ海に押し寄せる中国漁船。
漁場を追われ急速に衰退する日本漁業。
漁船が担ってきた国境の監視機能も低下しています。
日本は日中共同水域の資源管理を中国に呼びかけたが、中国から拒否されている。

漁業の衰退で中国漁船が国境の中に入りやすくなっている。
中国がむちゃくちゃな漁法で乱獲をしまくっているので、日本の漁師さんたちが困っているというお話です。
中国の虎網漁船を取り締まる水産庁の監視船の乗組員は、
「我が国の水産資源を責任もって守る」と熱く語っていました。

この番組では、日本漁業が一方的な被害者として描写されていました。視聴者の多くは、中国漁業に対して悪印象を持つと同時に、日本の漁師に同情を覚えたことでしょう。

しかし、歴史をひもといてみれば、かつては豊穣の海だった東シナ海の水産資源を破壊したのは、他ならぬ日本なのです。
日本の乱獲で、東シナ海で捕れる魚は減少の一途を辿りました。
コストが高い日本漁船では利益が出せなくなり撤退をしたところに、コストが安い中国船が入ってきて、日本が乱獲をした絞りかすを、容赦なく絞っているのです。

↑ここまで

ブログは続く部分で、他ならぬ日本の水産庁の公式資料を用いて、言い逃れできない形で日本の東シナ海での乱獲を証明しています。

日本の乱獲で魚が減ってしまい、1980年代に日本漁船は東シナ海からほとんど撤退しました。
日本漁船は乱獲で自滅して出て行ったのです。
中国に追い出されたのではないことは、中国となんの関係もない太平洋の漁場でも日本漁業が壊滅状態なのを見れば明らかです。

勝川氏は放送前にNHKから取材されたので、そういうことを教えたそうです。
資料も渡してあるといいます。
ところが、NHKは何もかもが判っていながら、デタラメな放送をしたのだそうです。 



番組でコメンテーターを務めた東海大学教授山田芳彦氏は、漁業の専門家ではありません。
こんな所に出るのは、場違いなのです。
では、どうしてコメンテーターに選ばれたのか。
調べたら、大学教授になる前は日本財団(旧笹川財団)の職員でした。

ソマリアの海賊をやっつけるために海上自衛隊を出せとけしかけていた人でした。
九州沖で海上保安庁の巡視船と撃ち合いして自沈した「北朝鮮」工作船を、船の科学館で一般公開したときの企画運営責任者でした。
そういう傾向のある人を、わざわざコメンテーターに選んだら、どんな発言をするかわかりきっています。
これは明らかな情報操作です。
護憲派というわけでもない勝川氏が怒っているのだから、これは中立的な評価でしょう。 


NHKのことはただの一例です。
昨年は尖閣諸島に向けて中国漁船が1000隻も出港していったと報道され、政府が海上保安庁に厳重警備を命じました。
そういうニュースが流されたけれど、それっきり、あとのニュースがありません。
1000隻の中国漁船など、尖閣周辺に影も形もありません。

真相は、中国が魚資源を守るために設定している禁漁期間が開けたので、一斉に漁船が出て行っただけ。
毎年のことだそうです。
しかしそういう後追い報道はほとんどありません。
こんなばかげた報道でも、読者には、中国に対する強い警戒心だけが印象として残ります。
こういったことが、誰に都合のよい結果をもたらすのか、誰にでもわかります。

↓必読です。
「日本の乱獲は見て見ぬふりで、中国の乱獲を一方的に非難するクローズアップ現代」 


http://katukawa.com/?p=5176 



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