[CML 023549] : 人間として「アンチ朝鮮人デモ」をもはや等閑視することは許されない!在特会は「アメリカ人殺せとは言わない」
石垣敏夫
motoei at jcom.home.ne.jp
2013年 4月 7日 (日) 08:44:44 JST
前田朗さん
いつもいろいろありがとうございます。
先日上瀧浩子弁護士からも
同じ話をお聞きしました。
以前法務省の人権擁護局に問い合わせたら、
被害者本人からの届け出があれば調査しますと
言っていました。
ヘイトスピーチは人権侵害ですよね、
加害者が特定(在特会)され、被害者は恐怖を感じており、届ければ
人権侵害の確認はされるわけですね。
どのような罪科になるか、わかりませんが。
届け出を積み重ねていく必要があると思います。
憲法11条
国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。
この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことの
できない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられる。
在日朝鮮人は国民ではない、というかもしれませんが、
今は3世4世の世代で税金は払い、国民同等と言えます。
仮に「アメリカ人殺せ、アメリカ人出てけ」と在特会が
言えば、日本の警察は真っ先に出てきて取り締まりますが。
石垣敏夫
Subject: [CML 023542] Re: 人間として「アンチ朝鮮人デモ」をもはや等閑視することは許されない!!
前田 朗です。
4月6日
東本さん
はい。間違いです。
第1に、性質の異なる犯罪類型を次々と列挙している点で、理解に苦しみます。
社会的法益も個人的法益もごっちゃになっています。
第2に、騒乱罪について言えば、大須事件、吹田事件、メーデー事件から新宿騒
乱事件に至る判例を知っていれば、このような書きかたができないことは、すぐ
にわかることです。刑法理論をご存じない東本さんに説明するのはなかなか難し
いのですが、刑法総論や刑法各論の教科書をご覧になれば、「危険犯(抽象的危
険犯、具体的危険犯)」という概念で説明されていますので、ぜひご覧になって
ください。
もし、東本さんの主張をいったん認めてしまえば、労働争議で団交要求のために、
無責任に逃げ回る社長宅前に行ってシュプレヒコールをあげることができなくな
ります。
なお、「殺人の教唆(煽動)」にもあたりません。個人に対する殺人の教唆(煽
動)ではないので、被害者を特定できないためです。
他方、国際刑法では「ジェノサイドの煽動」が犯罪です。しかし、日本にはジェ
ノサイドの罪がありません。仮にあったとしても、本件で「ジェノサイドの煽動」
が成立すると考える法律家はいないでしょう。具体的危険性の概念が問題になり
ます。
第3に、威力業務妨害罪について言えば、個人又は法人が被害者になりえます。
京都朝鮮学校事件で在特会メンバーが有罪になったのは、学校の前で大騒ぎして
授業を妨害したからです。被害者は京都朝鮮学校です。「犯行者の認識における
攻撃対象」と「実際の被害者」とが一致しています。一致がなければ、立件は困
難でしょう。
第4に、「通りかかった歩行者に対する脅迫罪」などということは、法律家なら
考え付きません。政治論として主張しているに過ぎないでしょう。脅迫罪は、暴
行罪と並んで議論されます。刑法各論の教科書をご覧になれば、「暴行・脅迫の
概念」という項目があります。4つの概念が区別されていますので、ぜひご覧に
なって勉強してください。4つのうちどの概念に相当するのかを考えることが重
要です。法学部の2年生なら何度も読んで勉強している話です。なお、「通りか
かった歩行者が抗議してきて、その歩行者に対して直接脅迫がなされた場合」は
話が別です。
第5に、侮辱罪について言えば、京都朝鮮学校事件で在特会のメンバーは侮辱罪
で有罪になっています。朝鮮学校の「法人」が被害者です。朝鮮学校の前で「朝
鮮学校はスパイ学校」と叫んだから、被害者を特定できたのです。鶴橋で「朝鮮
人を殺せ」と叫んだ場合は、被害者を特定できません。歩行者や店員が被害者と
いう解釈を認めてしまえば、恐るべき事態になります。
何度も繰り返して恐縮ですが、刑法総論と刑法各論の教科書をぜひ一度ご覧にな
ってください。
東本さんが引用されている申立書は「運動」(被害者救済、被害拡大防止)とい
う意味でとても重要なもので、私もあちこちに転送して宣伝しています。弁護士
12人のうち11人は直接知り合いで、かねてから尊敬する弁護士たちです。
しかし、そこに書かれている刑法解釈は、刑法学者にも検察官や裁判官にもちょ
っと通用しません。書かれているのは、何とかして被害を食い止めたい思いで、
使える法律はないかと次々と並べてみたというものです。被疑者、被害者、被害
事実の特定がなされていませんし、まして犯罪成立要件の検討もなされていませ
ん。
ロート製薬事件では直接の被害者に対する強要罪が成立しました。京都朝鮮学校
事件では、威力業務妨害罪、器物損壊罪、侮辱罪が成立しました(現在、民事訴
訟が続いています。私は弁護団の要請で、裁判所に出す意見書を書いているとこ
ろです)。水平社博物館差別街宣事件では、立件されませんでした(民事訴訟で
水平社博物館が勝訴しましたが)。その意味で、何か使える刑法の条文はないか
と探すことは必要ですが、犯罪成立要件を満たしているかどうかきちんと検討す
るべきです。
また、在特会の桜井誠こと高田誠会長はずっと以前から、何十回と「朝鮮人を殺
せ」「朝鮮人を海に叩き込め」と叫び続けています。これが日本では犯罪になら
ないと知って叫んできたのです。何も最近になって始まったことではありません。
残念ながら、こういう人物を刑務所に入れることがなかなかできません。京都朝
鮮学校事件の被告人の一人は有罪で執行猶予中に水平社博物館事件を引き起こし
たので、実刑で刑務所に入れるチャンスだったのですが、奈良県警、奈良地検が
動きませんでした。
ですから、人種差別禁止法とヘイト・クライム法が必要なのです。
もっとも、私は法制定を主張していますが、この間の、朝日新聞、毎日新聞、東
京新聞の記事をご覧になれば、「法規制よりも表現の自由を」という主張が並ん
でいます。「表現の自由」のはき違えも甚だしいのです。
ではまた。
----- Original Message -----
> > 思いは私も共有しています。
>
> 心強い限りです。「思い」を共有できる人々との連携の輪を強めたいですね。
>
> > 東本さんの主張は、残念ながら、法律論としてはまったく間違っています
> > ので、指摘しておきます。
>
> そうですか。下記の弁護士有志(弁護士 宇都宮 健児、弁護士 澤藤 統一
郎、弁護士 梓澤 和幸他9名)の「人権救済申立書」の
> 「第2 申立に至る経緯」の「4 本件団体によるデモの問題点」の「(2)
粗暴な言動、ヘイトスピーチ」にも
> http://www.mklo.org/public_html/mklo/html/archives/94.html
>
> 「朝鮮人を殺せ!」
> 「朝鮮人を叩き出せ!」
> 「朝鮮人を射殺せよ!」
> 「朝鮮人はゴキブリだ!」
> 「朝鮮人は犯罪者だ!」
> 同時に、本件団体のデモ参加者は、次のようなプラカードを
掲げてデモ行進に参加している。
> 「よい朝鮮人も悪い朝鮮人も、みんな殺せ」(甲6)
> 「韓国≠悪、韓国=敵 よって殺せ」(甲7)
> 「朝鮮人、頸つれ、毒飲め、飛び降りろ」(甲8)
>
> 以上のような発言及びプラカードは、明らかに常軌を逸して
おり、とりわけ、大量殺人の煽動は刑法の騒乱罪(刑法106
> 条)、営業妨害は威力業務妨害罪(234条)、歩行者や店員
に対して向けられた発言は、脅迫罪(刑法222条)、侮辱罪
> (231条)を構成する。
>
> とありますが、それも「法律論としてはまったく間違って」いるということに
なるのでしょうか?
>
> 東本高志@大分
> higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
> http://mizukith.blog91.fc2.com/
>
> From: maeda at zokei.ac.jp
> Sent: Saturday, April 06, 2013 7:33 PM
> To: 市民のML
> Subject: [CML 023539] Re: 人間として「アンチ朝鮮人デモ」をもはや等閑視
することは許されない!!
> 前田 朗です。
> 4月6日
>
> 東本さん
>
> ご苦労様。
>
> 思いは私も共有しています。
>
> ただ、東本さんの主張は、残念ながら、法律論としてはまったく間違っていま
す
> ので、指摘しておきます。
>
> 日本刑法における「人」は、個人のことです。刑法の教科書をご覧になれば
「自
> 然人」と説明されているのがお分かりになります。刑法上、もう一つの「人」
と
> して「法人」が登場することがありますが、殺人、傷害、暴行、脅迫等の犯罪
の
> 客体は「自然人」だけです。刑法199条は「人を殺す」ことを殺人罪として
い
> ますが、殺す側も自然人、殺される側も自然人が予定されています。そのため、
> どの刑法教科書をご覧になっても「個人的法益」と明記されています。
>
> 自然人である私が、自然人である東本さんを殴れば暴行罪が成立します。同様
に
> 東本さんが私を殺すぞと脅迫すれば脅迫罪が成立します。
>
> しかし、私が「**人を殺せ」「**人を殺す」と告知しても、「**人」と
い
> う「集団に対する脅迫罪」はありませんから、犯罪にならないのです。
>
> 侮辱罪についても日本刑法は個人に対する侮辱罪とされています。ドイツなら
> 「集団侮辱罪」がありますが、日本にはありません。
>
> だから、私はずっと人種差別禁止法とヘイト・クライム法をつくろうと主張し
て
> きたのです。
>
>
> ----- Original Message -----
> > ■人間として「アンチ朝鮮人デモ」をもはや等閑視することは許されない!!
> 今度は大阪最大のコリアタウン鶴橋で女子中学生
> > が「南京大虐殺ではなく‘鶴橋大虐殺’を起こしますよ!」と大量殺人予告
(弊
> ブログ 2013.04.06)
> > http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-547.html
> >
> > 私は先に(2013年2月10日付)「『東京のアンチ朝鮮人デモで『朝鮮人を殺
せ』
> と書かれたプラカードが出現した』ということへの驚
> > 愕と戦慄」という記事を書いて、人を人とも思わないそのあまりの傍若無人
さ
> に仰け反りそうにもなる私の「驚愕と戦慄」をお伝え
> > したことがあります。そのときに添付した2枚の証拠写真が以下でした。
> >
> > 写真
> >
> > しかし、そのときの私の「驚愕と戦慄」はまだまだ甘っちょろいものでした。
> 事態はさらにエスカレートしています。今度は大阪最大
> > のコリアタウン鶴橋で女子中学生が「鶴橋に住んでいる在日クソチョンコの
み
> なさんがいつまでも調子に乗っとたら‘南京大虐殺’
> > ではなくて‘鶴橋大虐殺’を実行しますよ!日本人の怒りが爆発したらそれぐ
ら
> いしますよ!」と大量殺人予告をしている動画がYou
> > Tube で流されています。
> >
> > 動画
> >
> > 鶴橋に住んでいる在日クソチョンコのみなさん
> > ほんま、みなさんが憎くて、憎くてたまらないです!もう、殺して
> あげたい!
> > いつまでも調子に乗っとたら‘南京大虐殺’ではなくて‘鶴橋大虐殺’
> を
> > 実行しますよ!
> > 日本人の怒りが爆発したらそれぐらいしますよ!
> > 大虐殺を実行しますよ!
> > 実行する前に自国に戻ってください!
> > ここは日本です。朝鮮半島ではありません!いいかげん帰れ!
> > (動画に見る女子
> 中学生の絶叫から)
> >
> > 上記はもはや「表現の自由」などというレベルのものではありえません。完
全
> な脅迫、殺人予告です。わが国にはいまだ「憎悪犯
> > 罪」を取り締まる「ヘイトクライム法」は存在しませんが、現行法の刑法に
も
> 違反することは明白です。すなわち、上記の行為は、
> > 白昼堂々と不特定多数の公衆の面前(街頭)で大量殺人の予告をしているの
で
> すから刑法の騒乱罪(刑法106条)に該当します。
> > また、在日朝鮮人の人々や在日韓国人の人々に向けられた発言は刑法の脅迫
罪
> (刑法222条)、侮辱罪(231条)を構成します。
> > http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%98%E3%82%A4%E3%83%88%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%A0
>
> >
> > (騒乱)
> > 第百六条 多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は、騒乱の罪とし、次の区
別
> に従って処断する。
> > 一 首謀者は、一年以上十年以下の懲役又は禁錮に処する。
> > 二 他人を指揮し、又は他人に率先して勢いを助けた者は、六月以上七年以
下
> の懲役又は禁錮に処する。
> > 三 付和随行した者は、十万円以下の罰金に処する。
> >
> > (脅迫)
> > 第二百二十二条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告
> 知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は
> > 三十万円以下の罰金に処する。
> > 2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して
> 人を脅迫した者も、前項と同様とする。
> >
> > (侮辱)
> > 第二百三十一条 事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又
> は科料に処する。
> >
> > また、何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができます。
> またさらに「官吏又は公吏は、その職務を行うことに
> > より犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と法律で義
務
> づけられているわけですから、彼ら(警察職員)を職
> > 務義務違反として刑事告発することもできます(刑事訴訟法)。
> >
> > (告発)
> > 第二百三十九条 何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすること
が
> できる。
> >
> > 2 官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するとき
は、
> 告発をしなければならない。
> >
> > 上記のような行為を行う者はただちに刑事告発しましょう。下記の弁護士た
ち
> も支援してくれるものと思います。
> >
> > ■新宿区新大久保地域で行われる外国人排撃デモに関する弁護士たちの声明
及
> び警視庁警視総監宛て申し入れ書、東京弁
> > 護士会への人権救済申立書
> > http://www.mklo.org/public_html/mklo/html/archives/94.html
> >
> > 外国人排撃デモに関する弁護士有志の声明
> >
> > 1 本日私たちは、本年2月9日以来4回にわたって東京都新宿区新大久保
地
> 域で行われてきた外国人排撃デモの実態に鑑
> > みて、今後周辺地域に居住、勤務、営業する外国人の生命身体、財産、営業
等
> の重大な法益侵害に発展する現実的危険性
> > を憂慮し、警察当局に適切な行政警察活動を行うよう申し入れた。
> >
> > 2 外国人排撃のための「ヘイトスピーチ」といえども、公権力がこれに介
入
> することに道を開いてはならないとの表現の自由
> > 擁護の立場からする立論があることは私たちも承知している。しかしながら、
> 現実に行われている言動は、これに拱手傍観を
> > 許さない段階に達していると判断せざるを得ない。
> > このまま事態を放置すれば、現実に外国人の生命身体への攻撃に至るであろ
う
> ことは、1980年代以降のヨーロッパの歴史
> > に照らして明らかなところである。
> >
> > 3 また、ユダヤ人への憎悪と攻撃によって過剰なナショナリズムを扇動し、
> そのことにより民主主義の壊滅を招いたヒトラー
> > とナチズムの経験からの重要な教訓を、この日本の現在の全体状況の中でも
改
> めて想起すべきと考える。
> >
> > 4 以上のことから、私たちは当面の危害の防止のため緊急に行動に立ち上
が
> るとともに、マスメディアや、人権や自由と民
> > 主主義の行く末を憂慮する全ての人々に関心を寄せていただくよう呼びかけ
る。
> >
> > 5 また、上記の集団行進や周辺への宣伝活動において一般刑罰法規に明白
に
> 違反する犯罪行為を現認確認したときは、
> > 当該実行行為者を特定したうえ、当該行為者と背後にある者に対して、その
責
> 任追及のためのあらゆる法的手段に及ぶこ
> > とを言明する。
> >
> > 2013年3月29日
> >
> > 弁護士 宇都宮 健 児
> > 弁護士 澤 藤 統一郎
> > 弁護士 梓 澤 和 幸
> > 弁護士 中 山 武 敏
> > 弁護士 海 渡 雄 一
> > 弁護士 中 川 重 德
> > 弁護士 渡 邉 彰 悟
> > 弁護士 杉 浦 ひとみ
> > 弁護士 殷 勇 基
> > 弁護士 神 原 元
> > 弁護士 田 場 暁 生
> > 弁護士 中 川 亮
> >
> > 以下、省略。
> >
> >
> > 東本高志@大分
> > higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
> > http://mizukith.blog91.fc2.com/
> >
> >
>
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