[CML 020142] 福島県の子ども甲状腺検査:結節・嚢胞とは何か

OHTA, Mitsumasa otasa at nifty.com
2012年 9月 29日 (土) 19:41:37 JST


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福島県の子ども甲状腺検査:結節・嚢胞とは何か
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/294773184.html

福島の子ども甲状腺検査の結果が公表されても、その意味するところを客観的なデータで説明すべき責任を、福島県立医大の山下俊一氏、鈴木眞一氏が果たそうとしない。

福島で行われている超音波検査の検出下限が何mmなのか、関心のあるところなのに、自ら進んで一般に説明しようとしない。それは、核戦争防止国際医師会議(IPPNW)のカラモスコス医師の質問によって、1mmであるということが分かった。

2000年代の諸論文によれば、子どもの甲状腺nodule(結節・嚢胞)の有病率は超音波検査の場合、おしなべて数パーセントであるが、超音波検査におけるサイズの基準は判然としない。

ただ、2000年の論文で既に高周波(7–10-MHz)による解像度1–2 mmの超音波診断装置が取り上げられている。

福島の子ども甲状腺検査ではnoduleのサイズが重要な診断基準になっているが、noduleの悪性度はそのサイズに関係がないことを示す研究(むしろ福島検査でA2判定として原則的に切り捨てている2–4 mmのリスクが一番大きい)もあり、米国内分泌学会などによる診断ガイドラインでは、穿刺吸引細胞診(FNA)を実施すべきカテゴリーの1つとして、noduleサイズに関係なく「小児期または青年期に頸部放射線照射の既往歴を持つ患者」を挙げている。

こうした点でも山下氏らによる検査の信頼性に疑問を抱かざるを得ない。

また、嚢胞よりも充実性結節の影響が心配されるが、原爆生存者の甲状腺がん発症率は、有意性はないものの、嚢胞群が結節なしの対照群と比べて高いという結果になっている。

以下、甲状腺異常に関して、福島県の子ども甲状腺検査との関係で重要だと思われる論文等を紹介したい。

(1)nodule(「結節」と翻訳)は日本語の「結節」(しこり)と嚢胞(液胞)を含む概念
(2)ほとんどのnoduleは部分的に嚢胞性で充実性要素を伴い、純粋な嚢胞はnoduleの約1%のみ
(3)noduleの超音波検査による有病率は、子どもで数パーセント、大人で数十パーセント
(4)放射線全体照射を受けた小児における甲状腺noduleの発生率は28%(照射:5.7-11.4歳、最後の超音波検査:11.2-17歳)
(5)外部放射線療法を16歳未満で受けた子どもでは、甲状腺noduleの数・サイズと悪性リスクの相関関係はなく(nodule数によって悪性率は一定だが、個人におけるがん発症リスクはnodule数が多いほど高く、むしろ2–4 mmのリスクが一番大きい)、サイズのみでは悪性リスクを予測できない
(6)原爆生存者の甲状腺がん発症率は、有意性はないものの、嚢胞群が結節なしの対照群と比べ高い(放影研の研究)
(7)米国内分泌学会などによる甲状腺noduleの診断ガイドラインでは、穿刺吸引細胞診(FNA)を実施すべきカテゴリーの1つとして、「小児期または青年期に頸部放射線照射の既往歴を持つ患者(全サイズ)」を挙げている

(以下、略)


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