[CML 019916] 不十分な「革新的エネルギー・環境戦略」の「原発ゼロ」さえ葬り去ろうとする、原発推進派の巻き返しと政府

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2012年 9月 19日 (水) 16:53:35 JST


紅林進です。
政府自ら称した「国民的議論」を受けて、政府の「エネルギー・環境会議」は、
9月14日に「革新的エネルギー・環境戦略」を決定しました。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/20120914_1.pdf
 
「国民的議論」と称して、実施したパブリックコメントや各地の意見聴取会でも、
圧倒的多数が、「原発ゼロ」それも「即時原発ゼロ」を選択・意見表明しました。
 
しかしその「国民的議論」を受けて出されました、「革新的エネルギー・環境戦略」
は、「2030 年代に原発稼働ゼロを可能とするよう」というように、「即時原発ゼロ」
を求めるパブリックコメントや各地の意見聴取会での圧倒的多数の意見からかけ
離れた「原発ゼロ」の年代設定であるばかりでなく、「エネルギー・環境会議」が
「国民的議論」の「選択肢」として提起した3つのシナリオの内の脱原発シナリオ、
「2030年までのできるだけ早期に」原発ゼロにするというものからも後退して、
「2030 年代に原発稼働ゼロを可能とするよう」として、「2030年まで」を
「 2030 年代に」期限を2039年まで、約10年間引き延ばしているのであり、
しかも「2030 年代に原発稼働ゼロを可能とするよう」であり、あくまで目標で
あって、必ず「 2030 年代に」原発稼働をゼロにするとさえ言っていません。
 
2030年代までの、その間、「安全性が確認された原発は、これを重要電源
として活用する」として、首相官邸前等での、巨万の市民による再稼動反対
の抗議の声をも無視して、再稼動を進めようとしています。
 
枝野経産相は、「原発の新設・増設は行わない」とした、この「革新的エネルギー
・環境戦略」をも、早くも無視して、「経産省としては工事許可を出した原発に
ついて変更することは考えていない」として、建設中の原発を建設続行することを
述べています。
 
また「革新的エネルギー・環境戦略」では、破綻した核燃料政策、核燃料の
再処理事業を継続させようとしています。「国際社会との連携」の名の下に、
「原発輸出」推進につながる表現もあります。
 
このように非常に問題のある、不十分な内容の「革新的エネルギー・環境戦略」
ですが、それに対して、「原発ゼロ」につながることを、何が何でも阻止しようと、
財界を中心とする原発推進勢力の猛烈な巻き返しが始まりました。
 
政府はその圧力に屈して、この不十分な「革新的エネルギー・環境戦略」さえ
閣議決定させず、「参考文書」にとどめ、肝心の「原発ゼロ」を葬り去ろうとして
います。このような理不尽な巻き返しを許してはなりません。
 
なお今回出された「革新的エネルギー・環境戦略」自体に
ついての私の意見は、下記のとおりです。
 
                      紅林進
                      pkurbys at yahoo.co.jp
 
 
<「2030 年代に」ではなく、「一刻も早く原発ゼロ」に! 核燃料サイクル
再処理事業の継続は許されない!>
 
【「2030 年代に」ではなく、「一刻も早く原発ゼロ」に】
 
9月14日に「エネルギー・環境会議」で「革新的エネルギー・環境戦略」が決定
されましたが、そこでは、「原発に依存しない社会の一日も早い実現」と言い
ながら、「2030 年代に原発稼働ゼロ を可能とするよう、あらゆる政策資源を
投入する」として、その実現目標を、「2030 年代」としている。 しかし、「2030 
年代に原発ゼロ」では遅すぎる。政府が「国民的議論」と言って実施した
パブリックコメントや各地の意見聴取会などでも圧倒的多数が、「即時原発
ゼロ」などの早期の「原発ゼロ」を望んでいることが明らかとなり、また現在、
日本全国で稼働している原発は、多くの国民の反対を押し切って再稼動を
強行した大飯原発のみであり、現在の日本の原発依存率は1%程である。
それでも電気は足りているのであり、その現実から出発するべきであり、
「2030 年代」まで「原発ゼロ」を先送りすることは許されません。
なおこの「革新的エネルギー・環境戦略」では、「安全性が確認された原発は、
これを重要電源として活用する」「原子力規制委員会の安全確認を得たもの
のみ、再稼働とする」としていますが、「安全な原発」などありえませんし、今回
の原子力規制委員会人事でも明らかなように、「安全性を確認」するという、
その原子力規制委員会が、これまで原子力を推進してきた原子力ムラの
人々に牛耳られるならば、それは再稼働を後押しするものにしかなりません。
また「革新的エネルギー・環境戦略」では、「原発の新設・増設は行わない」
としていますが、早くも枝野経産相は、「経産省としては工事許可を出した
原発について変更することは考えていない」として、建設中の原発を建設
続行することを述べ、事実上の「新設」を行おうとしています。そうなると
「40 年運転制限制を厳格に適用する」とこの「革新的エネルギー・環境戦略」
で言いながら、その建設を継続する原発は、2030年代を超えて運転される
ことにもなります。この枝野発言は、この不十分である「革新的エネルギー・
環境戦略」からもさらに後退させるもので、強く批判されるべきです。
 
【核燃料サイクル政策、再処理事業は放棄するべき】
 
この「革新的エネルギー・環境戦略」では、核燃料サイクル政策について、
「引き続き従来の方針に従い再処理事業に取り組」むと、「再処理事業」
を継続することを述べていますが、脱原発をめざすのであれば、そして
「核不拡散」を言うのであれば、「再処理事業」は即刻やめるべきです。
使用済み核燃料等の核廃棄物・放射性廃棄物の安全な処分方法も
見つからない中で、これ以上原発を稼働させることはできません。核
廃棄物をこれ以上増やさないためにも、一刻も早い脱原発が必要です。
 
【省エネルギー、再生可能エネルギー、そして温暖化対策の目標値
が不十分、一層の強化・拡大を】
 
省エネについても、発電量は2030年までにわずか10%削減、最終エネ
ルギー消費では19%削減という小幅な削減目標にとどまっています。
もっと積極的に取り組むべきです。
再生可能エネルギーについては、2030年時に発電電力量で3,000億kWh
を目指すとありまするが、これは事実上、発電量の30%を再生可能エネ
ルギーにすることに相当しますが、更なる再生可能エネルギーの導入
目標を掲げると共に、電力だけでなく、熱や燃料利用も含めた目標を
提示するべきです。
温暖化対策については、温室効果ガス排出量を、1990年比で2020年
までに5~9%の削減としていますが、これは従来の日本の削減目標
である「2020年25%削減」を大きく下回ったばかりか、京都議定書の
2012年までの6%削減という目標からも後退する内容です。脱原発と
温暖化対策は対立するものではなく、両立するものであり、両方を
積極的に推進すべきです。
省エネ、再生可能エネルギー、温暖化対策については、もっと野心的
な目標値を設定すると共に、より具体的な方策、政策手段を提示すべ
きです。
 
【国際社会との連携・協力は原発輸出や核廃棄物の押し付けではなく、
省エネルギー、再生可能エネルギーの開発・普及、そして廃炉や除染
の技術開発で】
 
この「革新的エネルギー・環境戦略」では「国際社会との連携」について、
「諸外国が我の原子力技術を活用したいと希望する場合には相手国
の事情や意向を踏まえつ、世界最高水準の安全性を有する技術を
提供していく」として、「原発輸出」等を正当化しかねない表現になって
おり、事実、政府は、福島原発事故後も原発輸出を推進しようとして
いますが、これだけの悲惨な原発事故を起こしながら、海外に原発を
輸出することなど許されません。また核廃棄物をモンゴルなど海外に
輸出するということも計画されましたが、核廃棄物を海外に押し付ける
ことも許されません。それらは、最大・最悪の公害輸出です。日本は、
省エネルギーや再生可能エネルギーの開発・普及、そして廃炉や除染
の技術開発で、国際社会と連携・協力し、途上国や新興国に対しては、
原発輸出ではなく、省エネルギーや再生可能エネルギーで協力すべき
です。


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