[CML 019848] 東急大井町線高架下住民が東急電鉄への怒りを表明

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2012年 9月 15日 (土) 21:17:55 JST


東急電鉄による東急大井町線高架下住民追い出し問題を2012年9月に取材した。東京都品川区の東急大井町線の高架下の住民らが東急電鉄(東京急行電鉄)に一方的な立ち退きを要求されている問題である(林田力『二子玉川ライズ反対運動2』151頁)。 

住民は60年も今の場所に暮らしていると語る。自分の家があるから少ない年金でも暮らしていける。追い出されたら生活が成り立たない。東急電鉄の立ち退き要求は居住権の無視であり、人権侵害であると憤る。 

東急電鉄が立ち退きを要求する名目は高架の耐震補強である。その根拠は阪神大震災直後に国土交通省が出した通達である。しかし、東急電鉄が住民に立ち退きを求めた時期は僅か3年前であった。国土交通省の通達があったことを10年以上も知らせず、住民に準備期間を与えることなく、突然の立ち退きを迫る(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「東急電鉄が大井町線高架下住民を追い出し」)。 

住民は寝耳に水であった。住民が通達を知らせなかった過失を追求すると、東急電鉄の担当者は「早く知らせると対抗措置を取られるから」と開き直った。不都合な事実を説明しない東急の体質は東急不動産だまし売り裁判とも共通する(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』)。 

高架下住民にとって耐震性は気になるものではなかった。高架下の生活に不自由はなかった。東日本大震災での被害はなかった。本棚も崩れなかった。同行のジャーナリストは「高架よりも高層ビルの方が地震で崩れそうであり、高層ビルの地震対策の方が先ではないか」と述べた。 

住民は「東急電鉄が立ち退き料を一銭も払わずに追い出そうとしている」と糾弾する。東急電鉄は「借地借家法上の契約ではなく、一時的に貸しただけだから、いつでも立ち退きを要求できる。故に立ち退き料を払う必要はない」と主張する。ジャーナリストは「まるでヤクザですね」と感想を述べた。 

住民によると東京都目黒区の中目黒でも数年前に東急電鉄の追い出しが行われた。そこでは最初に低額の立ち退き料が提示され、住民の抵抗後に立ち退き料が最初の提示額の2倍になったという。これに対して大井町線高架下住民には立ち退き料なしで追い出そうとしている。 

住民は「東急電鉄はどうしようもない会社」と批判する。強盗慶太と呼ばれた創業者の醜い体質を今に引きずっている。ジャーナリストは「東急は文化の破壊者」と批判した。再開発をあえてしないことで成功している街も多い。高架下のレトロな雰囲気を残した方がコミュニティとして魅力があると指摘した。 

住民は「耐震補強は追い出しの表向きの理由であって、今の住民を追い出して、高い家賃で新しい店舗に貸したいだけ」と東急電鉄の本音を分析する。その証拠に東急電鉄は耐震補強後の原住民の帰還に応じない。東急電鉄の行動は将来の儲けを見込んだ営利活動に過ぎないのだから、住民には誠実に向き合うべきと主張した。 

東急電鉄は一方的に打ち切り、明け渡しを求めて複数の住民を提訴した。東急電鉄の対応は故人に契約解除を通知するという杜撰なものであった。この点も東急不動産だまし売り裁判と共通する。東急不動産だまし売り裁判でも東急リバブルの担当者が原告の氏名を間違えている(甲第44号証)。東急は住民と向き合うこともできない企業である。 

東京地裁で2012年8月10日と16日に判決が言い渡されたが、どちらも住民の敗訴であった。住民側は2件とも東京高裁に控訴した。住民には闘いの持続と最高裁まで戦うという新たな段階への意志と意欲が満ち溢れていた。10日の判決後には司法記者クラブで記者会見を開催し、判決の不当を訴えた。判決のうちの1件には仮執行宣言が付与された。住民は執行停止を申し立て、認容された。 

住民は「判決は借地借家法と契約書の文言を形式的に判断するだけで、住民の主張を省みていない」と批判する。「最近は最初から結論ありきの判決で、自分の結論に都合のいい理屈を当てはめた判決が多い」と水を向けると、「そのような判決だった」と応じた。ジャーナリストが「法律は冷たいですね」と述べると、「法律の問題ではなく、法を適用する裁判官の姿勢の問題」と裁判所の硬直的な法解釈を批判した。ジャーナリストは「酷い話である。明日からの生活の場所を東急電鉄が奪おうとする」とコメントした。 

別の住民もブログ「【東急】高架下のホームレス化を強いられる住民【大井町】」で「被告側の言い分は一切考慮されない無情な判決」と批判する。敗訴した被告の立場は完全に無視されており、何の手当てもなく住む家を失うことになる被告に死ねと言っていることと同様である。 

判決の問題は居住権(居住の権利、the right to adequate housing)という基本的人権が省みられていないことである。借地借家法を形式的に当てはめただけの判決になっている。しかし、居住権は日本国憲法に定めた生存権(憲法第25条)の基礎である。国連人権委員会「強制立ち退きに関する決議」は強制立ち退き行為を「人権、特に適切な住宅への権利に対する重大な違反」と定め、日本政府も受け入れている。 

高架下住民は「立ち退きによる明日をも知れない生活への不安と恐怖のうちに日々を過ごしています」という状態である。ブログでは「この平和な日本でそんな悲惨な状態に弱者を追い詰めて平然としている横暴尊大な東急電鉄という大企業をこのまま黙って見過ごしていいものでしょうか」と東急電鉄への怒りを明らかにする。住民を追い詰める東急の横暴尊大は東急不動産だまし売り裁判や二子玉川ライズの住環境破壊とも共通する。東急グループの悪しき体質である。 

住民は東急電鉄の株主でもあり、2012年6月28日の株主総会にも出席した(林田力『二子玉川ライズ反対運動3』「東急電鉄株主総会で二子玉川と大井町住民が共闘」)。株主総会での株主の質問はヤラセ的なものばかりであった。株主総会では大井町住民の発言の機会が意図的に封じられたと批判する。 
http://www.hayariki.net/7/faqindex.htm
住民は誰も挙手していないタイミングで手を挙げたが、追いかけるように遅れて他の二名が手を上げた。議長は先に挙手した住民を無視して、後から挙手した株主を指名した。そこで「あと二名の人に発言してもらい、それをもって質疑応答を終わりにする」旨を表明した。その後、住民と別の株主が挙手すると再び住民を無視して、別の株主を指名した。その株主との質疑応答が終わると議長は質疑応答の終了を宣言した。住民は「発言させないことは不当」と抗議したが、無視されたという。


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