[CML 019721] 「重要情報:福島の子どもたちの甲状腺嚢胞の発生比率」という情報の誤謬性について

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 9月 8日 (土) 22:05:19 JST


人心を惑わすだけの根拠不明な(あるいは根拠のない)放射能がれき拡散情報(★)が相も変わらず垂れ流されていますが、
そうした情報の関連情報として下記のような情報が「拡散」されています。

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重要論文: 福島の子どもたちの発生比率 拡散お願いします

深川市立病院関係者からの、重要情報です。
甲状腺嚢胞の発生比率の比較です。
長崎、チェルノブイリの子どもたちと福島の子どもたちの発生比率です。
呼吸機能障害についても述べています。http://1am.sakura.ne.jp/Nuclear/kou131Matsuzaki-opinion.pdf
←★
大拡散願います!この医師がつぶされないために、急いで。
医師の書いた論文です。福島県の甲状腺異常の数字が異常であることを書いています。 


読めば、医師でなくても危機的状況がわかります。
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上記の「重要論文」は深川市立病院内科医師の松崎道幸氏によって書かれたものですが、この論の誤謬性について以下
のような指摘があります。

このMLにも「拡散」される前にあらかじめ同指摘をご紹介させていただこうと思います。

私も下記の指摘者と同様、松崎医師の「意見書」を不用意に「拡散」することは、「がれき拡散」問題について正しい認識を
持つこととは逆の結果にしかなりえないだろう、とその負の影響を危惧します。

転載1:
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>重要論文: 福島の子どもたちの発生比率 拡散お願いします

 深川病院の松崎先生の「意見書」を不用意に拡散すると、被災地の子どもたちが無用の不安を抱きかねないので、一言申し述べておきたいと思います。

 松崎先生は長崎の調査でのう胞を持っている子どもの割合は0.8%だったのに、福島の子どもでのう胞をもっている子どもの割合は35.1%だったと警告しておられますが、先生の所論は、山下俊一氏の長崎における調査結果の【誤読】にもとづいていると思われます。

 それというのは、福島県のデータは「5mm以下ののう胞を含んだ調査結果」であるのに対して、長崎のデータは「5mm未満ののう胞を除外した調査結果」だからです。
 松崎先生は、長崎の調査報告書の以下の箇所を、読み飛ばしておられるのでしょうか。 



>Nodules more than 5 mm in diameter were considered to be "positive".
(直径5mm以上の結節があれば"陽性"と見なす。)

 直径5mm未満は"陰性"だということで、長崎県調査のデータに上がっていないのです。 



 福島県でも、「5.1mm以上の結節や20.1mm以上ののう胞を認めたもの」だけを数えるなら、その割合は0.5%です。
 0.8%と0.5%ですから統計のゆらぎの範囲内ですね。
 つまり二つの調査は、同じ結果を示しているということになります。
 「現在時点においては、福島の子どもに何ら異常は見られない」というのが、長崎のデータと比較した結論になるはずです。

 私の言っていることは、文書は正しく読みましょうと言うことであって、医学的知識など必要のない、当たり前のことです。
 医学博士でも当たり前のことができていないのは、「福島には何事かが起きているはず」という心理的なバイアス(思いこみ)があるせいではないのでしょうか。
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転載2:
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自分もこのニュースには困ったものだなと思っておりました。
こちらにもあるように、小さなものまで含めれば、もともと3割程度にはこうしたしこりや膿胞が認められるそうです。
http://plaza.umin.ac.jp/~kid-endo/rinsho/endodisease/thyroid/thyroidadenoma.html

35.1%は、とくに有意に大きな数字では全くないというのが真相でしょう。
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付記:
★たとえば本MLでも紹介されている「放射ガレキの空中散布は悪魔の所業」という記事(2012年7月3日付)を掲載している
「nueq lab」というブログ記事。 http://nueq.exblog.jp/18529762/
このブログ記事は典型的なデマ情報記事といってよいものでしょう。たとえば上記記事には「高松市役所幹部職員」が「懇意
の知人たちに」「洗濯物や布団を外に干さないように。この情報は口外しないように」とひそかに「伝えられている」という情報
が「高松在住の知人から直接電話でもたらされました」とありますが、その情報は伝聞情報であり、かつ、「高松市役所幹部
職員」も「高松在住の知人」も匿名の人物であってその真偽を確かめるすべもありません。典型的なデマ情報の手口です。

また、同記事には、北九州のがれき処理搬入騒動で2人の逮捕者が出た問題についても「九州の某大学のA先生より、逮
捕された2人は有名なグループで公安に雇われていた。との証言も飛び出しています」とありますが、「九州の某大学のA先
生」とはいったい誰なのか。これもまた不明で真偽は定かではありません。

さらに「放射ガレキの本体を盛大に燃やしていると思われる都城では、九州の某大学のB先生によって核マークをつけた福
島ナンバーのトレーラーが何台も目撃され撮影されています」ともありますが、「九州の某大学のB先生」とはどこの大学の
なんという先生なのか? これもまた不明です。以上すべて伝聞情報かつ、匿名情報であって、典型的なデマ情報というほ
かないしろものです。

さらにまた同記事には「東北復興資金は、莫大に水増しされていて、その半分はアメリカに渡り、1/4が利権賄賂、残りの1
/4が鹿島建設に流れ、そこから各種のリベートが支払われた残余金が実際の真水の復興資金として使用されていますが、
地元の建設業者にはほとんどそれらの資金は回されることなく、ヤクザの護衛を伴った鹿島建設傘下の独壇場となってる
ようです」というこれもまた伝聞情報が掲載されていますが、左記記事のウソについては下記に反論記事があります。ご紹
介しておきます。

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  宮城県石巻ブロックでのガレキ処理の二重計上問題を、私はミクシィで知り、それが事実ならなんというバカなことをする
のだと思ったので、自分でも調べてみました。

  告発側の主張をまとめると、

1.石巻ブロックのガレキは鹿島JVが全部処理するので、広域処理に回す分はない。
2.鹿島JVが処理すべきガレキを高額な処理費用を出して広域処理に回すのは背任行為。 


3.広域処理に回した分だけ鹿島JVの処理量が減るのに、契約額が変わらないのは二重発注になる。

 こういうことだと思います。
 では、真相を確かめてみましょう。

【鹿島建設の資料】

 鹿島建設のHPで、つぎのように説明されています。
↓
約68haの敷地に1日あたり1,500tの焼却能力を持つ炉などの中間処理施設を設け,石巻市が排出する一般廃棄物100
年分に相当する約650万tのがれきを約2年で処理する。
中間処理施設としては国内最大規模となる。

災害廃棄物を,2次仮置き場で破砕・選別・焼却などの中間処理を行った後に,有価売却を含むリサイクル・最終処分
を行う。
http://www.kajima.co.jp/news/digest/mar_2012/feature/fukkou/index-j.html
↑
 処理すべき災害廃棄物ですが、同じページに次の説明があります。
↓

〆匈嫁儡物処理業務(石巻ブロック)
業務対象区域:宮城県石巻市,東松島市,女川町
処理量:廃棄物 685.4万t 津波堆積物 200万m3
↑
 いわゆる「ガレキ」の他に、「津波堆積物」を合わせた量が、685.4万トンだということですね。

 石巻ブロックの災害廃棄物の量はこれより少ないというのが、批判側の分析です。
 公式データで350万トンぐらいしかないはずだと。

 では、それを確かめましょう。
 環境省が8月3日に更新したデータがあって、これが一番新しいデータだと思われますので、これに基づいて検証し
ます。
http://kouikishori.env.go.jp/news/pdf/20120807_c.pdf

 資料p3「参考2」に石巻ブロックの量が掲載されています。
 それによれば、災害廃棄物と津波堆積物の合計は883.4万トンです。
 350万トンしかないというのは誤解のようです。

 災害廃棄物(いわゆるガレキ)
    県処理分  323.4万トン
    ブロック分 255万トン
    合計    578.4万トン 

 津波堆積物
    県処理分  40.5万トン
    ブロック分 264.9万トン
    合計    305.4万トン

 当初の見積が650万トンだったのに、見直しによって350万トン程度に減ったというのは、ガレキの内、県処理分
だけの数字ではないでしょうか。
 実際には883.4万トンもあり、鹿島JVが処理を請け負うのはこのうち650万トンです。 



 すると残りは233万トン。

 このうち広域処理を求めているのは35万トンですが、受入の決まったのは10万2千トンだけで、残りはまだ調整
中だそうです。 (上記環境省資料 p7「広域処理必要量(調整済量・要調整量)一覧」) 



 北九州市の3万9,500トンは、調整中とされています。
 
 検証した結果をまとめます。

1.鹿島JVが処理する石巻ブロックのガレキは、全部ではなく一部である。
2.広域処理に回すのは、鹿島JVが処理しきれないガレキと津波堆積物であり、不合理な計画ではない。
3.広域処理に回した分だけ鹿島JVの処理量が減るという事実はないから、二重発注ではない。

 こういうことなので、巨大疑獄事件というものはないと思います。
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東本高志@大分
higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
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