[CML 020680] 開沼博xアイリーン・スミスx吉岡達也 「『脱原発社会』をどうやってつくるのか~デモと原発立地地域の両面から探る~」というビデオを観ての感想

higashimoto takashi higashimoto.takashi at khaki.plala.or.jp
2012年 10月 27日 (土) 19:25:28 JST


この10月14日(日)に東京・水道橋のYMCAアジア青少年センターで「『脱原発社会』をどうやってつくるのか~デモと原発立地
地域の両面から探る~」というテーマでのトークイベントがありました。同トークイベントでの対話者は開沼博さん(社会学者、『フ
クシマ論』著者)、アイリーン・美緒子・スミスさん(グリーンアクション)、吉岡達也さん(ピースボート)。主催はピースボート。

各対話者のプロフィールは以下のとおり。

    ・開沼博氏
    1984年福島県いわき市生まれ。福島大学うつくしまふくしま未来支援センター特任研究員。東京大学文学部卒。同大学
    院学際情報学府修士課程修了。現在、同博士課程在籍。専攻は社会学。著書に『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生ま
    れたのか』(青土社)『地方の論理フクシマから考える日本の未来』(同、佐藤栄佐久氏との共著)など。

    ・アイリーン・美緒子・スミス氏
    1950年、東京生まれ。68年スタンフォード大学入学、83年コロンビア大学にて環境科学の博士号取得。1971年から水俣
    病取材のため水俣に住み、1975年に写真集『MINAMATA』をユージン・スミス氏と出版。1979年、スリーマイル島原発事
    故調査のため現地に1年間住む。1991年グリーン・アクション設立。

    ・吉岡 達也氏
    1983年にピースボートを 立ち上げ、国際協力や紛争予防、そして地球環境をテーマとした世界一周クルーズを毎年3回
    行うと同時に災害救援活動や原発問題にも関わってきた。今年1月の「脱原発世界会議」では実行委員長を務め、現在
    12月の『脱原発クルーズ』を呼びかけている。福島の子どもたちへの支援にも取り組んでいる。

同トークイベントの模様は下記のリンクで観ることができます。

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/35691

以下は、そのトークイベントのビデオを観た私の率直な感想です。

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    少し忙しい日々が続いていて、やっと昨日ビデオを観ることができました。

    しかし、予想どおりというべきでしょうか、私には開沼博さんとアイリーン・スミスさん、吉岡達也さんのトークはかみ合って
    いるようには見えませんでした。というよりも、アイリーン・スミスさんと吉岡達也さんは開沼博さんの問題提起がよくわか
    っていないように見えました。

    アイリーン・スミスさんと吉岡達也さんの話は終始311以前を含むこれまでの脱原発運動の有効性、脱原発官邸前デモ
    など現にいま行われているデモの有効性、原発被災地の人々を含む人とのつながりの重要性を自身の経験を土台にし
    て生き生きと語るだけで、開沼さんが問うている問題、すなわち、「他地域から立地地域に来て抗議する人たちは、言っ
    てしまえば『騒ぐだけ騒いで帰る人たち』です。震災前からそう。バスで乗りつけてきて、『ここは汚染されている!』『森、
    水、土地を返せ!』と叫んで練り歩く。/農作業中のおばあちゃんに『そこは危険だ、そんな作物食べちゃダメだ』とメガ
    ホンで恫喝(どうかつ)する。その上、『ここで生きる人のために!』とか言っちゃう。ひととおりやって満足したら、弁当食
    べて『お疲れさまでした』と帰る。地元の人は、『こいつら何しに来てるんだ』と、あぜんとする」( http://akb.cx/KB0 )という
    現にいま行われている「脱原発運動」なるものに対する倫理的、本質的な疑念の提起の意味するところについてまったく
    理解が及んでいないように見えました。

    問題の本質を理解しないまま、とうとうとひとり語り(ひとり合点)に語っている。すなわち、彼、彼女は熱心に他者を語り
    ながら彼らの話の中には決して他者は登場しないのです。しかし、そういうことすら彼、彼女は気がついていない。これ
    では対話が成立するはずもありません。ここにいまのいわゆる脱原発運動の(担い手の)欠陥がもろに出ているように
    思えました。脱原発運動は根底的に見直さなければならないだろう、と私は思っています。
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なお、私は、上記のトークイベントビデオを観る前にある人に次のようなメールを発信していました。上記の私の「感想」の参考
資料としてお読みいただければ幸いです。

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    「開沼博×アイリーン・スミス×吉岡達也」各氏の顔合わせが私には大変興味深いです。

    開沼さんが現にいまある「福島」の問題群(たとえば「避難の権利」の問題と「それでも福島に済み続ける」という住民の
    選択の問題への「私」たち(福島県外人)としてのコミットのあり方)、「福島」からの視点をどのような形で提起するのか
    ?

    その開沼さんの提起に対して、アイリーン・スミスさん、吉岡達也さんがどのように応答するのか?   また、三者におい
    て対話がどのように交錯するのか、あるいはしないのか? 私には大変関心があります。

    このトークイベント、できうればぜひビデオ公開していただきたいものです。

    なお先日、開沼博さんに関して、下記のような記事を書いたことがあります。ご参照いただければ幸いです。

    ■開沼博さん(少壮社会学者)の真率な論説に関して~開沼博「“燃料”がなくなったら、今の反原発運動はしぼんでい
    く」を読んで(弊ブログ 2012.08.09 )
    http://mizukith.blog91.fc2.com/blog-entry-454.html
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東本高志@大分
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