[CML 020618] 関西救援連絡センターニュース2012年10月号

Matsuba Shoichi mauricemerleau at yahoo.co.jp
2012年 10月 23日 (火) 21:17:12 JST


第305号 2012年10月
関西救援連絡センター
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◆拙速審議で法律が成立した第一八〇通常国会閉会
次国会への治安法の上程を許さない!

 第一八〇回通常国会は一月二四日に召集され、九月八日に終了した。
 三月三十日に「不正アクセス行為の禁止等に関する法律の一部改正」、六月二十日に「著作権法の一部改正」、七月二六日には「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(以下「暴対法」)の一部改正」が成立している。付託された委員会では、衆参ともほとんど審議らしい審議はされず、形式的に一〜二回委員会で議題にあがっただけである。最も審議回数の多かった「暴対法」でさえ、三回程度であった。
 今回の「著作権法改正」により、違法ダウンロードが刑罰化されたが、「違法の認識」の判断は難しい。また、日弁連は「違法ダウンロード行為者を全て検挙することは非現実的であり、警察による恣意的な運用がなされるおそれがある」との危惧を表明している。 
* * * * *
 継続審議となった法案には、「刑の一部執行猶予に関する法律案」「マイナンバー法案」「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正」などがある。
 「国民総背番号制度」を導入しようというのが、マイナンバー法である。当初目的とされていた「税番号・社会保障番号」だけでなく労働関係、学校・教育関係、公衆衛生関係と公営住宅の管理など拡大された行政事務は九三にのぼる。個人情報の提供範囲は「刑事事件の捜査の法律に基づく犯則調査」「その他、政令で定める公益性があるとき」と定めており、広範囲に情報が用いられ、最終的には民間利用も含まれる可能性が高い。
 「刑の一部執行猶予に関する法律案」は初犯でかつ短期の受刑者や薬物使用者の刑期の一部を猶予するというものであるが、受入れ体制も作らないまま法律だけを作って、既存の自助組織に請け負わせようとしている。薬物使用の通報義務を課しており、自助組織自体を崩壊させる可能性が高い等、様々な問題点を抱えている。
 児童ポルノの所持だけで処罰の対象にしようというのが、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部改正」である。
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 上程が危惧されていた法案には「秘密保全法案」がある。「共謀罪新設」も水面下で省庁協議が続けられているという。「テロ資金法」や「犯罪収益移転法」の対象物を動産だけでなく不動産にも拡大しようと目論まれていると聞き及ぶ。
 法制審議会で少年法改正が審議されることになっており、重罰化や検察官関与対象事件の範囲拡大が目論まれている。
 いずれにしても、上程されれば一気に成立させられるおそれが強い。上程させないことが肝要である。


◆反原発行動への
 警察の介入を許すな

 大飯原発再稼動に反対する動きに始まり、六月末以来毎金曜夜は、首相官邸前と関西電力本社前で抗議行動が続けられている。また、各地でも金曜日夜に反対行動が取り組まれている。
 東京では「官邸前見守り弁護団」と称する勝手連的な弁護団も立ち上げられた。官邸前に集まってくる人々に対する警察の規制や写真撮影などの情報収集が七月に入って強化され、「官邸前見守り弁護団」からは八月九日付で、警察庁に対する申入書も出されている。
 七月二九日の国会包囲行動では、公務執行妨害罪で二名が逮捕されている(検察官釈放)。
 関電前の抗議行動に対しても規制が強化され、私服警官の姿も目立つようになった。
 六月三十日の大飯原発再稼動反対の現地闘争では、九月二十日に一名が令状逮捕され、三ケ所に家宅捜索が行われた。市民映像メディアOneness TVにも十月一日に家宅捜索が行われ、十月十日には器物損壊、傷害、脅迫、暴行罪で起訴されている。
 十月五日金曜日には、関西電力前で一名が公務執行妨害で逮捕された。公務執行妨害と傷害罪で七日に勾留決定、十六日には勾留が延長されている。
 昨春から今春にかけての東京での反原発デモでは、「素人の乱」関係のグループが主催するデモに対してのみ弾圧がかけられるという事態が続いていた。今回の関西での弾圧は、狙い撃ちされた可能性が高い。警察・権力は運動の疲弊と分断を狙っているのだ。


◆野田政権の死刑執行を許すな
鳩山法相と同じ執行ペース

 九月二七日、滝実前法務大臣による二回目の死刑執行が行われた。前回死刑執行が行われた八月三日から二ヶ月も経っていない。
 今回も死刑確定後三年半と四年での執行であった。また女性への死刑執行は、九七年八月一日に執行された日高夫妻以来である。
 執行されたのは以下の方である。
☆福岡拘置所
松田幸則氏 (三九歳)
「熊本県松橋町男女強盗殺人事件」 
 二〇〇六年九月二一日、熊本地裁で死刑判決(松下潔裁判長)。二〇〇七年十月三日、福岡高裁は控訴を棄却(仲家暢彦裁判長)。上告したが二〇〇九年四月三日、本人が上告を取下げ、死刑が確定。
☆仙台拘置所
江藤幸子氏(六五歳)
「福島県祈祷による信者六人殺人事件」 
 二〇〇二年五月十日、福島地裁で死刑判決(原啓裁判長)。 二〇〇五年十一月二二日、仙台高裁は控訴棄却(田中亮一)、二〇〇八年九月十六日最高裁(藤田宙靖裁判長)の上告棄却により死刑確定。

 滝前法相は、執行二日前の九月二五日の閣議後記者会見で、「もう歳なので外してもらったほうがいい」と法務大臣を続ける意志が
ないことを表明していた。
 執行後の記者会見での「駆け込み執行ではないか」との質問には、「この二件についても八月三日の執行前から調査を続けてきた。それが完了したので執行した」と述べ、この二人を選んだ理由についても、「再審請求中ではなく」「極めて悪質で残虐性が強く社会的反響も大きかった事件。しっかり調査した上で執行を命じた」と説明し、以前から検討を進めていたことを明らかにした。
 そうすると、四人は既に八月三日以前から決定されていて、一回に四人は多いとの判断で、二人ずつ二回に分けて執行したということだろうか。

◇田中慶秋新法相は 死刑執行をするな!
 田中慶秋新法相は、拉致問題担当でもある。十月一日の就任会見では、死刑制度について「私は冒頭に死刑ありきではない」「(えん罪の問題もあるので)原因を明確にしたうえでやるべきものだと思う」と答え、翌日には「死刑制度については司法の判断を尊重しつつ厳正に慎重に対処したい」との表明を行っている。
 しかしこの就任記者会見では、「そもそも本人が何を聞かれているのか、何が問題なのか分かっていない気がした」という感想が出てくるほど、法務行政への見識はないようだ。
 適材ではないのは明らかであり、ゼンキン同盟の出身で、労働委員会や予算委員会、あるいは内閣委員会などに所属してきた経歴はあるが、法務委員会に所属したことはない。野田政権の大臣席ばらまきの結果、法相になったと思われ、法務官僚のいいなりになる可能性が高い。また、「ロッキードの時にも名前が出ており、金銭面では危ない」「七四歳まで一度も閣僚経験がないのは、なんらかの理由があるのではないか」との話も聞こえてくる。
 なお、法務副大臣は谷博之、法務大臣政務官松野信夫と、第二次野田内閣と同じである。
 田中新法相も死刑執行書にサインする可能性は高い。「死刑執行するな」の声を届けよう。


◆形骸化させられる新監獄法
外部交通が規制されていく

 名古屋刑務所での暴行をきっかけに策定され、二〇〇六年五月二四日に新監獄法「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」が施行された。同法は被収容者の処遇に関して、「被収容者の権利及び義務の範囲を明らかにするとともに、その生活及び行動に制限を加える必要がある場合につき、その根拠及び限界を定める」として、旧監獄法とは異なり、制限を前提とするのではなく、原則許可を謳っている。面会や信書の発受等の外部交通の相手方についても、従前よりもその範囲を広げた。 
 しかし、施行二年余りで、元の状態に戻されつつある。一昨年頃からは「今まで出来ていた面会が、理由も明かされず、突然拒否された」というケースも出てきた。視察委員会の勧告も当局から拒否され、機能しているとは言い難い。
 また、再審弁護人のパソコンの持ち込みを認めない矯正施設が増えている。看守の立会も行われている。これでは、事件の打ち合わせなど出来るはずもない。再審弁護人との接見に法務省から通達等が出されている可能性は高い。
 しかし、このような状況に対する闘いも続いている。
 岐阜地裁では、岐阜刑務所の泉水博さんと獄外原告らによる、面会拒否に対する国賠訴訟が闘われている。
 死刑確定者と再審弁護人の接見時の看守の立会を拒否したが認められず、そのため打合せを見送った事案に対して、「拘置所長が裁量権を乱用した」と、広島地裁・高裁とも認定した。裁判は現在最高裁に係属中である。


◆公判日程
10月26日10時半 選挙権確認&国賠 大阪地裁(民)第8回
11月5日10時〜  のぞき見国賠   大阪地裁(民)第1回
12月12日10時半 釜弾圧(選挙権行使行動)  大阪高裁(刑)第2回
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※のぞき見国賠償とは‥‥地検が期日間手続き終了の翌日に大阪拘置所を捜索し、弁護人との手紙を押収した行為に対して「刑事裁判の根幹を揺るがす違法行為」であると、被告人と一審弁護人を原告に、7月10日に提訴された国賠訴訟。


■催し物案内■

★STOP!治安法ラッシュ
〜共謀罪・秘密保全法・新たな捜査手法の新設を阻止するために〜  資料代500円

日時 11月30日(金) 6時半〜
場所 エルおおさか606号室
http://www.l-osaka.or.jp/pages/access.html
講師;足立 昌勝氏(関東学院大学法学部教授)治安法の流れと立法理由について
講演後は足立さんと永嶋弁護士の対談の予定です。
主催:共謀罪に反対する市民連絡会・関西


★当番弁護士を支える会・京都 設立14周年記念集会  入場無料/申込不要
無実を探せ!(アクチュアル・イノセンス)〜DNA鑑定と冤罪〜

11月10日(土)午後1時半〜4時半
京都弁護士会館 地下ホール
講師:宮村 啓太さん(東電女子社員殺害事件弁護人・第二東京弁護士会)
   笹倉 香奈さん(甲南大学准教授・ワシントン大学客員教授)

 近年、刑事司法における「科学」の役割が急速に高まり、捜査活動におけるDNA型鑑定は、「犯人を探す」重要なツールになっています。裁判においても、1990年頃からのDNA型鑑定の利用は、有罪認定の決定的な証拠となっています。しかし、刑事裁判は、妄信と偏見の過ちの歴史でもあります。科学的な裏付けがあるとはいえ、道具は人間が使うものです。高い同一識別能力があるといっても、過ちをおかす可能性はあります。この捜査技法をどのように刑事裁判に利用していくか、その際のルールはなにか、という問題は、現在のわたしたちに与えられた大きな問題です。
 DNA型鑑定が冤罪救済に重要な役割を果たした「東電女子社員殺害事件」の弁護団の宮村さんからは、日本の科学鑑定をめぐる現状と課題について報告していただきます。
 笹倉さんからは、1990年代以降アメリカにおいて、DNA 型鑑定が冤罪救済の重要なツールとなった「イノセンス・プロジェクト」について、最新の状況を紹介していただきます。


★京都女子大学公開講座「死刑廃止への道」 入場無料/申込不要
11月24日(土)14:00〜 京都女子大学J校舎224
(東山馬町東へ徒歩10分)
講演:寮美千子氏(作家) 「人は変われる 詩が開いた心の扉」
   三土修平氏(東京理科大学教授) 「法律的に考えた死刑存廃問題」
   秋本勝氏(京都女子大学教授) 「死刑廃止に向けて」
詳細はURLでご確認下さい。 http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~akimoto/
チラシ http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/~akimoto/kouza%20sikeihaishi


★映画「ライファーズ−終身刑を超えて」上映&坂上香監督講演会 入場無料/申込不要
2012年12月8日(土)13:30〜17:00
講師:坂上 香氏(ドキュメンタリー映像作家、NPO法人out of frame代表)
会場:京都弁護士会館 地下ホール(京都市中京区富小路通丸太町下ル)
主催:京都弁護士会
※映画「ライファーズ−終身刑を超えて」(2004年)とは/更生施設「アミティ」がカリフォルニア州の刑務所内プログラムで受け入れてきたライファーズ(終身刑/無期刑受刑者)たちを追ったドキュメンタリー映画。凶悪な犯罪を行い、更生不可能というレッテルを貼られたライファーズたちが、どうして犯罪を行うようになったのかという問いに真摯に向き合い、罪の償いを模索していく様子、それが他の受刑者たちに与える影響などが描かれている。
※坂上香氏プロフィール/TVドキュメンタリー番組の制作に9年間携わり、その中でオルターナティブな暴力・犯罪への向き合い方に関する一連の番組を手がけた。この映画の製作後もライファーズたちのその後を取材し、今年8月、書籍「ライファーズ 罪に向き合う」を刊行。


★2012年度京都教区社会セミナー(その2)     入場無料
ネット右翼と愛国の正体
一普通の若者がなぜ過激なレイシストに?-
講師:安 田 浩 一 氏
(『ネットと愛国一在特会の「闇」を追いかけて』の著者)
2012年11月18日(日)午後3:30-5:30
日本基督教団大津教会会堂(大津市末広町6-6)
主催;日本基督教団京都教区「教会と社会」特設委員会


★靖国合祀イヤです・アジアネットワーク第1回学習会  参加費500円
戦わない国家と祀らない国家
−靖国と憲法問題−
講師 子安 宣邦 氏
(「戦う国家は祀る国家」という認識で国家神道論、国家と祭祀を論じてきた思想史、文化理論学者であり、著書に「国家と祭祀−国家神道の現在」など多数)
12月8日(土)6時30分〜 エル大阪・709号


★自由人権協会関西合同例会  入場無料
2012年12月1日(土)14〜16時 京都弁護士会館(3階大会議室)
自閉っ子、こういう風にできています!−当事者から見た発達障害とそうでない人との違いとその特性−
講師:ニキ・リンコさん(作家、翻訳家)
 いろいろな場面で発達障害が話題になり、注目されることも増えました。でも、その特性、それゆえの困難などについては十分理解されているとは言えません。発達障害は、社会性の障害、コミュニケーションの障害、想像力の障害があるとされます。「障害」というと「できない」と思われそうですが、できる・できないというよりも、発達障害でない人とは特性が「違う」、別の特性、一種の異文化としてとらえた方がわかりやすいかもしれません。
 そんな発達障害の特性について、ニキ・リンコさんは、翻訳、執筆、講演等を通じて、アスペルガー症候群の当事者として、定型発達者の特性と比較分析しつつ、内側から語っておられます。ニキ・リンコさんのお話を通して、発達障害の特性やそれゆえの困難などについて具体的なイメージを持つ手掛かりになればと思います。
主催:自由人権協会京都、(社)自由人権協会、自由人権協会大阪・兵庫支部

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