[CML 020513] Re: 「独島は鬱陵島の付属島しょ」 日本の公文書に記録

Maeda Akira maeda at zokei.ac.jp
2012年 10月 18日 (木) 10:47:13 JST


前田 朗です。
10月18日

半月城さん

解説ありがとうございます。

いくつかのMLに転送させていただきました。

私はこれまで授業で、1696年(元禄9)の江戸幕府、1877年(明治10
年)の明治維新政府、そして1900年の大韓帝国勅令41号を順 に説明し
て、竹島が「我が国固有の領土」という日本政府説はおよそありえない非常識だ
と、話してきました。

そもそも「我が国固有の領土」などと言うバカげた主張はどこに出しても通用し
ません。「日本政府はバカです」と言っているだけです。

今回のことで、さらに韓国領説が有力になりました。「決め手はないが、韓国領
説が有力だ。日本領説はまったく説得力がないのだから」と話して きた私です
が、今後どう説明するか、検討しなくては。

日本のマスコミは無視しています。日本政府はどうするのやら。




> 前田さん、こんばんは。半月城です。
>  朝鮮日報の記事「独島は鬱陵島の付属島しょ、日本の公文書に記録」の紹介をあり
> がとうございます。この記事の分析をお望みのようですが、分析となると大事になる
> ので、簡単に解説したいと思います。
>  記事にある日本の公文書、すなわち1902年に釜山の日本領事館が外務省へ送った報
> 告書ですが、これは欝陵島に駐在する警官の調査書をそのまま写したものでした。
>  ここで注意すべきは、欝陵島の警官というのは日本人しかいなかったという点で
> す。当時、帝国主義国家の侵略にあえいでいた韓国政府は辺境の欝陵島に警官をおく
> 余裕がないばかりか、そもそも開港していない欝陵島に日本人が居住するのはすべて
> 違法なのに、彼らを追放できないありさまでした。
>  それにつけこんで一旗あげようとする島根県民などが欝陵島へ押しよせて同島の治
> 安は次第に悪化しました。そのため、日本は1902年から朝鮮政府の反対を押し切って
> 欝陵島に日本人警官を常駐させたのですが、そのせっぱ詰まった事情が常駐警官の報
> 告書(1902.5)にこう書かれました。
>        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>  (欝陵島の日本人の)人口頓(とみ)に増加し 従来の取締法にては到底整理すべ
> からざるのみならず 渡航者は概ね無智文盲の儕輩(ともがら)にして日々紛擾を起
> し 強は弱を凌ぎ 智者は愚者を欺き 甚しきに至ては 兇器を携え 暴行を加え 他人の
> 物件を強奪せしことあるも之を制止するものなく 非常に良民を苦むること少からざ
>>        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>
>  この報告文では具体的なイメージがわかないのですが、山陰新聞によると「韓国竹
> 島(欝陵島)へ出稼するもの 村内段々多くなる様なるか 此頃該地より帰村せしもの
> 数人あり 同島は無政府の有様にて隣村の一人は本邦人の為に殺され 木の枝に吊るし
> 有りとのこと 昨年も御山人一名同様の惨殺に遭へたり」(1902.1.30)とされました
> が、死体が木に吊されたままというおぞましい光景にはぞっとします。
>  かつて日本政府は、1899年には韓国政府の要求を入れて欝陵島の日本人に帰国命令
> を出しましたが、1902年には韓国の要求に対して日本人を帰国させるどころか、開き
> 直って同島に日本人警官を強引に常駐させるようになりました。まさに欝陵島・独島
> は日本侵略の最初の犠牲地でした。その象徴が日本人警官の常駐ですが、前記の報告
> 書を書いた警官は、さらに竹島=独島(リヤンコ島)についてこう記しました。
>        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>  本島の正東約五十海里に三小島あり 之を「リヤンコ島」と云ひ 本邦人は松島と称
> す、同所に多少の鮑を産するを以て 本島より出漁するものあり 然れども同島に飲料
> 水乏しきにより 永く出漁すること能はざるを以て 四,五日間を経ば本島に帰港せり
>        −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
>
>  この報告書以前の竹島=独島漁業といえば、島根県漁民ではなく、漁業先進県の長
> 崎県や大分県などの漁民が欝陵島を基地にしてフカ漁やアワビ漁などをおこなってい
> ました。彼らは清国へ再輸出するため、欝陵島や竹島=独島で獲ったアワビやフカヒ
> レを欝陵島で乾燥、保存加工して日本へ輸出していたのでした(注1)。
>  こうした輸出品に対して欝陵島島監は1900年まで輸出額の2/100を輸出税として通
> 貨代用の大豆で徴収しました。これは日本人の不法居住を認める代償になったのです
> が、こうした徴税活動をとおして島監は港を出入りする船を監視し、竹島=独島を把
> 握していたようです(注2)。
>  一方、警官の報告をとおして釜山の日本領事館はリヤンコ島(竹島=独島)を欝陵
> 島の付属島嶼と認識しました。この報告書は外務省へ送られ、通商局から『通商彙
> 纂』として発刊されたので外務省も同様に竹島=独島は欝陵島の付属島嶼という認識
> を持ちました。
>  ちなみに日本政府の竹島=独島認識ですが、江戸・明治時代をつうじて幕府や政府
> が竹島=独島を朝鮮領と判断したことは何度かあっても、日本領と判断したことは編
> 入前に一度たりともありませんでした。
>  そのような竹島=独島を日本は「無主地」という名目で1905年2月に日本領へ編入
> したのでした。その原動力になったのは、外務省の「(日露戦争の)時局なればこそ
> その(竹島=独島の)領土編入を急要とするなり、望楼を建築し、無線若くは海底電
> 信を設置せば敵艦監視上極めて屈竟ならずや、特に外交上 内務のごとき顧慮を要す
> ることなし」という見解でした。ここで「内務のごとき顧慮」とは、内務省が竹島=
> 独島は「韓国領地の疑いある」として反対したことを指します。
>  結局、外務省の意見が決め手になり、竹島=独島が日本領へ編入されて島根県の管
> 轄下になったのですが、「版図の取捨は重大の事件」であるにもかかわらず、官報に
> は掲載されませんでした。
>  そのため、釜山の日本領事館すら竹島=独島の編入を知らなかったようです。1905
> 年9月、日本領事館は常駐警官の報告「欝陵島現況」として「トゞと称する海獣は、
> 欝陵島より東南約二十五里の位置にあるランコ島に棲息し 昨年頃より欝陵島民之を
> 捕獲し始めたり 捕獲期間は 四月より九月に至る六ヶ月間・・・」と記して外務省へ
> 送りました。
>  欝陵島に深く関わった日本領事館は竹島=独島の領土編入を知らず、ランコ島(竹
> 島=独島)を欝陵島民がトド(アシカ)猟をするような島、すなわち欝陵島の付属島
> 嶼として認識したのでした。
>  この報告書は外務省『通商彙纂』に転載されたばかりか、官報(1905.9.18)にも
> 掲載されました。上記の文は領事館報告とはいえ、日本政府が何ら問題がないと判断
> して官報に掲載したのでした。
>  官報はいうまでもなく日本政府の公式見解を記す刊行物なので、「ランコ島」は欝
> 陵島の付属島嶼という認識が日本政府の見解になったといえます。これは、竹島=独
> 島を無主地という名目で領土編入した日本政府の措置が不当であったことを示しま
> す。
>  また、当時において竹島=独島が欝陵島の付属島嶼であるという認識は韓国側にも
> ありました。欝陵島を基地にした韓国人の竹島=独島におけるアシカ猟は1895年には
> 始まっていたのですが(注3)、付属島嶼であることの確認は公文書でも可能です。
>  具体的には、1906年に島根県の竹島=独島・欝陵島調査団が欝島郡守を訪問して竹
> 島=独島が日本領になったと告げましたが、郡守はこの事件に関して「本郡所属の独
> 島が外洋百里にある・・・」と記して韓国政府へ報告しました。郡守は竹島=独島を
> 欝島郡の所属であると認識していました。これは1900年勅令41号で欝島郡の管轄下に
> された石島を独島と認識したものといえます。
>  このように当時において竹島=独島が欝陵島の付属島嶼であれば、現在の領有権論
> 争に決定的な影響を与えます。1952年に発効したサンフランシスコ講和条約は第2条
> に「日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対す
> るすべての権利、権原及び請求権を放棄する」と書かれましたので、日本は竹島=独
> 島も放棄したことになります。
>  梶村秀樹は、「竹島=独島の問題では韓国側に相当の理があるが、日韓大陸棚法は
> 全く理がないと思う。また、竹島=独島問題では、日本政府の主張は相当無理だが、
> 尖閣諸島の問題では五分五分の理があり、いわゆる「北方領土」問題では、まだしも
> 日本側に理があると思っている(注4)」と記しました。ただし、これは1978年に書か
> れた文章なので、その後、30余年にわたる学問の進展でそれなりの変動があることで
> しょう。
>
> (注1)朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(1)」『北東アジア文化研
> 究』31号、2010
>  http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park201003.pdf
> (注2)朴炳渉「明治時代の欝陵島漁業と竹島=独島問題(2)」『北東アジア文化研
> 究』32号、2010
>  http://www.kr-jp.net/ronbun/park/park-1010.pdf
> (注3)池内敏「竹島/独島と石島の比定問題・再論」『テクストの解釈学』水声社、
> 2012、pp.424-425
>  (PW必要)http://www.kr-jp.net/member/ronbun_cl/ikeuchi/ike-1203.pdf
> (注4)梶村秀樹「竹島問題と日本国家」『朝鮮史と日本人』明石書店、1992、p.356
>
>   (半月城通信)http://www.han.org/a/half-moon/
>
> -----Original Message-----
> From: cml-bounces+half-moon=muj.biglobe.ne.jp at list.jca.apc.org
> [mailto:cml-bounces+half-moon=muj.biglobe.ne.jp at list.jca.apc.org] On Behalf
> Of Maeda Akira
> Sent: Tuesday, October 16, 2012 5:04 PM
> To: all-rentai at yahoogroups.jp; 市民のML; 無防備ML; P-8; seek for the new
> people's media; VAWW-NET Japan; WAM
> Subject: [CML 020476] 「独島は鬱陵島の付属島しょ」 日本の公文書に記録
>
> 前田 朗です。
>
> 10月16日
>
> *「独島は鬱陵島の付属島しょ」 日本の公文書に記録
> <http://news.livedoor.com/article/detail/7044566/>*
>
> http://news.livedoor.com/topics/detail/7044566/
>
> 分析は半月城さん待ちです(微笑)。
>
> -----
> このメッセージにウイルスは検出されませんでした。
> AVG によってチェックされました - www.avg.com
> バージョン: 2012.0.2221 / ウイルスデータベース:2441/5334 - リリース日:
> 2012/10/15
>



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