[CML 020308] 領土問題での悪循環を止めよう

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2012年 10月 7日 (日) 09:37:08 JST


 坂井貴司です。
 転送・転載歓迎。
 
 竹島(独島)・尖閣諸島(釣魚島)の領土問題で、日本・韓国・中国・台湾が
激しく対立しています。国家だけでなく、民衆レベルでも対立しています。嫌悪
間と敵意が渦巻いています。尖閣諸島では日中武力衝突が現実のものになってき
ています。
 
 これに対して、私が所属する労働組合を通して、長崎県長崎市にある
 
 岡まさはる記念長崎平和資料館
 http://www.d3.dion.ne.jp/~okakinen/
 
 から、『領土問題での悪循環を止めよう』の賛同署名要請が来ました。
 
 元長崎市会議員であり、牧師であった岡正治さん(1918〜1994)は日
本人の戦争責任を一貫して追及した平和運動家でした。その岡さんが、加害者と
しての日本人の立場を明確にした資料展示と平和運動の拠点として1995年に
設立したのがこの岡まさはる記念長崎平和資料館です。住宅街の中にある小さな
資料館ですけれど、充実した資料がそろっているすばらしいものです。
 
 この岡まさはる記念長崎平和資料館が、雑誌「世界」の前編集長・岡本厚さん
が作成した声明『領土問題の悪循環を止めよう』の賛同署名を集めています。
 
 期限は10月17日までです。
 
 署名送付先は
 
 
 郵政産業労働者ユニオン長崎支部
 u-nagasaki at yuseiunionkyusyu.jp
 
 HPはhttp://www.yuseiunionkyusyu.jp/
 
 へ。
 
 賛同のお名前と○○市などをお書きください。
 
 在特会や石原慎太郎と戦うためにも署名をお願いします。
 
 (以下は要請文です)
 
「領土問題」の悪循環を止めよう!
      ――日本の市民のアピール――            2012年9月28日

 1、「尖閣」「竹島」をめぐって、一連の問題が起き、日本周辺で緊張が高ま
っている。2009年に東アジア重視と対等な日米関係を打ち出した民主党政権の誕
生、また2011年3月11日の東日本大震災の後、日本に同情と共感を寄せ、被災
地に温家宝、李明博両首脳が入り、被災者を励ましたことなどを思い起こせば、
現在の状況はまことに残念であり、悲しむべき事態であるといわざるを得ない。
韓国、中国ともに日本にとって重要な友邦であり、ともに地域で平和と繁栄を築
いていくパートナーである。経済的にも切っても切れない関係が築かれており、
将来その関係の重要性は増していくことはあれ、減じることはありえない。私た
ち日本の市民は、現状を深く憂慮し、以下のように声明する。

 2、現在の問題は「領土」をめぐる葛藤といわれるが、双方とも「歴史」(近
代における日本のアジア侵略の歴史)問題を背景にしていることを忘れるわけに
ないかない。李大統領の竹島(独島)訪問は、その背景に「従軍慰安婦」問題が
ある。昨年夏に韓国の憲法裁判所で出された判決に基づいて、昨年末、京都での
首脳会談で李大統領が「従軍慰安婦」問題についての協議をもちかけたにもかか
わらず、野田首相が正面から応えようとしなかったことが要因といわれる。李大
統領は竹島(独島)訪問後の8月15日の光復節演説でも、日本に対し「従軍慰
安婦」問題の「責任ある措置」を求めている。
日本の竹島(独島)領有は日露戦争中の1905年2月、韓国(当時大韓帝国)の植民
地化を進め、すでに外交権も奪いつつあった中でのものであった。韓国民にとっ
ては、単なる「島」ではなく、侵略と植民地支配の起点であり、その象徴である。
そのことを日本人は理解しなければならない。
 また尖閣諸島(「釣魚島」=中国名・「釣魚台」=台湾名)も日清戦争の帰趨
が見えた1895年1月に日本領土に組み入れられ、その3カ月後の下関条約で
台湾、澎湖島が日本の植民地となった。いずれも、韓国、中国(当時清)が、も
っとも弱く、外交的主張が不可能であった中での領有であった。

 3、日中関係でいえば、今年は国交正常化40年であり、多くの友好行事が計
画・準備されていた。友好を紛争に転じた原因は、石原都知事の尖閣購入宣言と
それを契機とした日本政府の国有化方針にある。これは、中国にとってみると、
国交正常化以来の、領土問題を「棚上げする」という暗黙の「合意」に違反した、
いわば「挑発」と映っても不思議ではない。この都知事の行動への日本国内の批
判は弱かったといわざるをえない。(なお、野田政権が国有化方針を発表したの
は7月7日であった。この日は、日本が中国侵略を本格化した盧溝橋事件(19
37年)の日であり、中国では「7.7事変」と呼び、人々が決して忘れること
のできない日付であることを想起すべきである)

 4、領土問題はどの国のナショナリズムをも揺り動かす。国内の矛盾のはけ口
として、権力者によって利用されるのはそのためである。一方の行動が、他方の
行動を誘発し、それが次々にエスカレートして、やがて武力衝突などコントロー
ル不能な事態に発展する危険性も否定できない。私たちはいかなる暴力の行使に
も反対し、平和的な対話による問題の解決を主張する。それぞれの国の政治とメ
ディアは、自国のナショナリズムを抑制し、冷静に対処する責任がある。悪循環
に陥りつつあるときこそ、それを止め、歴史を振り返り、冷静さを呼びかけるメ
ディアの役割は、いよいよ重要になる。

 5、「領土」に関しては、「協議」「対話」を行なう以外にない。そのために、
日本は「(尖閣諸島に)領土問題は存在しない」といった虚構の認識を改めるべ
きである。誰の目にも、「領土問題」「領土紛争」は存在している。この存在を
認めなければ協議、交渉に入ることもできない。また「固有の領土」という概念
も、いずれの側にとっても、本来ありえない概念といわなければならない。

 6、少なくとも協議、交渉の間は、現状は維持されるべきであり、互いに挑発
的な行動を抑制することが必要である。この問題にかかわる基本的なルール、行
動規範を作るべきである。台湾の馬英九総統は、8月5日、「東シナ海平和イニシ
アティブ」を発表した。自らを抑制して対立をエスカレートしない、争いを棚上
げして、対話のチャンネルを放棄しない、コンセンサスを求め、東シナ海におけ
る行動基準を定める――など、きわめて冷静で合理的な提案である。こうした声
をもっと広げ、強めるべきである。

 7、尖閣諸島とその周辺海域は、古来、台湾と沖縄など周辺漁民たちが漁をし、
交流してきた生活の場であり、生産の海である。台湾と沖縄の漁民たちは、尖閣
諸島が国家間の争いの焦点になることを望んでいない。私たちは、これら生活者
の声を尊重すべきである。

 8、日本は、自らの歴史問題(近代における近隣諸国への侵略)について認識
し、反省し、それを誠実に表明することが何より重要である。これまで近隣諸国
との間で結ばれた「日中共同声明」(1972)「日中平和友好条約」(1978)、あ
るいは「日韓パートナーシップ宣言」(1998)、「日朝平壌宣言」(2002)など
を尊重し、また歴史認識をめぐって自ら発した「河野官房長官談話」(1993)
「村山首相談話」(1995)「菅首相談話」(2010)などを再確認し、近隣との和
解、友好、協力に向けた方向をより深めていく姿勢を示すべきである。また日韓、
日中の政府間、あるいは民間で行われた歴史共同研究の成果や、日韓関係につい
ては、1910年の「韓国併合条約」の無効を訴えた「日韓知識人共同声明」(2010)
も、改めて確認される必要がある。

 9、こうした争いのある「領土」周辺の資源については、共同開発、共同利用
以外にはありえない。主権は分割出来ないが、漁業を含む資源については共同で
開発し管理し分配することが出来る。主権をめぐって衝突するのではなく、資源
を分かち合い、利益を共有するための対話、協議をすべきである。私たちは、領
土ナショナリズムを引き起こす紛争の種を、地域協力の核に転じなければならな
い。

 10、こうした近隣諸国との葛藤を口実にした日米安保の強化、新垂直離着陸
輸送機オスプレイ配備など、沖縄へのさらなる負担の増加をすべきでない。

 11、最後に、私たちは「領土」をめぐり、政府間だけでなく、日・中・韓・
沖・台の民間レベルで、互いに誠意と信義を重んじる未来志向の対話の仕組みを
作ることを提案する。
  (以下署名)
  
(ここまで) 
 


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