[CML 021279] 国連は11月29日を祝うことなどできない

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2012年 11月 30日 (金) 20:45:33 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

パレスチナの「国家」格上げ決議が国連総会で採択されました。採決のきのう
は、恒常的な「イスラエル/パレスチナ問題」の発端となった1947年 11月 29日
の国連分割決議から65年目となる日です。「国家」格上げになったとはいえ、イ
スラエルに45年間も占領されているパレスチナの実態はいさ さかも変 わりません。

先日も論考をお送りしたヤコブ・ラブキン氏が、65年目となる「1947年11月29
日」に焦点を当てて最新の短い論考を発表しています。拙訳で すが、紹介させ
ていただきます。

(なお、読み易い氏の本として『イスラエルとは何か』(菅野賢治訳、平凡社新
書)があります。)


■国連は11月29日を祝うことなどできない
ヤコブ・ラブキン著
The U.N. Has Little to Celebrate on November 29
Yakov M. Rabkin

私がエルサレムにいたとき、週一回のトーラー講習へ行く道すがら、よく「11月
29日」あるいは「Kaf-tet be 11月」という名の曲がりくねった道を歩いたもの
だ。その名前は65年前の国連で起きた出来事を記念している。今日大部分のイス
ラエル人は国連をほとんど 拒否しているので、驚かれるかもしれない。現在の
首相は、国連を彼の国にとって「不条理劇場」であり「闇のはびこる場」だと述
べている。イスラエ ルは、パ レスチナ難民の帰還および1967年の占領地からの
撤退を要求する何十もの国連決議を無視してきた。

1947年11月29日、実際に何が起こったのか? その日国連総会では、パレスチナ
がアラブ人とユダヤ人の二つの国家に分割され、エルサレムが国際管理におかれ
ると決定された。稀に見る米国とソ連の一致の もとで可決された。例えばアイ
スランド、コスタリカ、およびニュージーランドがそうであったように。しかし
パレスチナと国境を接する諸国すべて は、慢性的 暴力を確実に引き起こす原因
になり、地域住民の大多数およびその地方全体の意思に反するということでその
決議に反対票を投じた。先のガザの殺戮 は、決して 終わることのない悲劇の最
新のエピソードである。

しかしその当時大部分のシオニストたちは、国連の採決を彼らの運動に対する決
定的な勝利と見なした。彼らは当時パレスチナに存在していた社会に組 み込ま
れ るよりも、切り離した開発政策を長らく追い求めていた。ユダヤ人シオニス
ト、非シオニスト、および反シオニストが含まれる彼らは当時の人口のほぼ 三
分の一 を占め土地の7パーセントを所有していたが、国連は将来のシオニスト国
家に55パーセントの土地を割り当てた。1947年以来、シオニストたち は、「最
小 限のアラブ人に最大限の土地」を占領しようとしていた。1947年から49年に
かけて、何十万人ものアラブ人が脅迫にさらされ追い立てられ彼らの 家を後に
した。それ以来イスラエル軍は、1947年時のパレスチナ全域すなわちヨルダン川
と地中海の間の領域を統制下に置いた。しかしながらユダヤ人たち はいま、 圧
倒的多数のアラブ人が隔離されているその地域の只中で自分たちが少数者である
ことを自覚している。

1917年11月に、英国政府がパレスチナの土地にユダヤ人のホームランドを作ると
いう着想を承認した時、もっとも著名な英国ユダヤ人政治家のひ とりであ るエ
ドウィン・モンタギューは、異なる国々にいるユダヤ教の信奉者たちが別個の民
族に所属するというその発想を嘲って強固に反対した。事実、西洋 諸国にい る
ユダヤ人は、イスラエルに対する愛着を公言しているにもかかわらず、イスラエ
ルに移住している数はそれほど多くはなかった。米国やカナダに住む ユダヤ人
のほうが、イスラエルに住むユダヤ系アメリカ人およびカナダ人よりも多いとい
うのが事実である。
  
ユダヤ人に安全な避難所を提供するというより、イスラエルはユダヤ人にとって
危険な土地となってしまった。多数の異なる人々がこうした結果につい て警告
していた。ニューヨークのドイツ系難民でありシオニスト知識人のハンナ・アー
レントは当時つぎのように書いていた。

『たとえユダヤ人が戦争に勝利したとしても、…「勝ち誇った」ユダヤ人たち
は、ひたすら敵意を抱くアラブ住民に包囲され、絶えず脅かされる国境の 内側
に閉 じ込められ、物理的な自己防衛に没頭して生きることになるだろう。…そし
て―どれほど多くの移民を常時受け入れようとその国境線をどれほど遠くに 広げ
よう と―敵意を抱く隣人たちが数では圧倒し依然ごくわずかな国民にとどまるこ
とになるだろう。これらすべてが一国民の運命を決めるだろう。』

彼女の言葉は、人間の命を少しも尊重しないシオニストを告発してきた反シオニ
ストのラビ、アムラム・ブラウよって繰り返された。「…彼らはアラブ 人が居住
していた聖地の多くの部分の規制を拡張しても、責任を負わないことをはっきり
示した。その結果、全アラブ世界をユダヤ人コミュニティとの紛争に巻 き込む
こ とになったのである。」イスラエル問題ほど、はっきりとユダヤ人たちを分
け隔てるものはない。ユダヤ教徒とは違う、世界中の全ユダヤ人よりも何倍 も
数の多 いキリスト教シオニストたちが団結し、アメリカ合衆国の最大のイスラ
エル支持勢力を誇っている。

さきの戦争によって、軍事的に優勢なイスラエルは政治的な免責を当てにして国
連決議を無視することはできるが、一方で、長い間苦難を被っているこ の地域
に 平和をもたらすことは不可能だということが証明された。1947年にこの可能
性のすべてを決定した国連は、祝うことなどできない。(完)

(松元保昭訳)

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