[CML 021203] 宇都宮けんじ「希望の政策」研究

hayariki.net info at hayariki.net
2012年 11月 25日 (日) 23:35:56 JST


宇都宮けんじ氏が「希望の政策」を発表した。発表済みの4つの柱を具体化する政策で、以下の8項目からなる。 

「1、脱原発、再生可能エネルギーを東京から」 

「2、仕事を増やす、仕事をつくる」 

「3、壊れない街、燃えない住宅を」 

「4、病院をあなたの身近に」 

「5、子どもの笑顔が東京の青空」 

「6、高齢者がゆったり暮らせる街に」 

「7、学校と教育を楽しく」 

「8、憲法が生きる街・東京へ」 

注目政策は「脱原発、再生可能エネルギーを東京から」である。脱原発は4つの柱にも記載されていたものであるが、ここでは再生可能エネルギー普及という代替策を提示する。具体策として「都内の公共施設屋上を全て太陽光発電所にし、各家庭3万件への太陽光パネル普及など、都が『新エネルギー会社』を創って脱原発を具体化する」と述べる。 

「都内の公共施設屋上を全て太陽光発電所にし、各家庭3万件への太陽光パネル普及など」は「など」で結ばれていることが示すように例示であり、ここに拘泥することは正しくない。場所によっては、太陽光パネルは光害になる。本気で屋根上発電を目指すならば周囲の建物の高さ規制なども必要である。 

重要な点は東京都が新エネルギー会社を創ることである。原発のような経済合理性のない発電方法が推進されてきた要因として、電力会社が地域独占を保障され、経済合理性が働かなかったことが挙げられる。それ故に電力会社の地域独占を崩すことが脱原発への道である(林田力「保坂展人世田谷区長は世田谷電力で脱原発!?」リアルライブ2011年6月28日)。 

東京都が新エネルギー会社を創ることは電力会社の地域独占を崩し、電力自由化を志向するアプローチである。これは脱原発を掲げて当選した保坂展人・世田谷区長のスタンスと共通する(林田力「放射脳カルトと一線を画す保坂区政の脱原発」真相JAPAN第115号、2012年9月7日)。保坂区長の場合は就任後時間をかけて電力自由化を志向したが、宇都宮氏は選挙に向けた政策として発表する。ここに宇都宮氏の大胆さがある。 

電力自由化による脱原発は新自由主義的なアプローチである。教条主義的な左派には新自由主義の嫌悪感から「新自由主義の脱原発は真の脱原発ではない」的な拒絶感がある。この種の教条主義は無意味であり、有害である。 

別の分野では民営化反対・民間委託反対などと主張している立場からは、電力自由化のみは賛成では一貫性がないとの懸念がある。しかし、電力自由化は単なる小さな政府ではない。電力は発電・送電・配電に分けられるが、電力自由化を進めるならば送電の政府関与を深くする必要がある。送電網の国有化が主張されているほどである。それ故に電力自由化は公共セクターの縮小を意味せず、公共セクターの関与増大を主張する立場とも両立する。 

「壊れない街、燃えない住宅を」は一見すると他の候補も主張する差別化しにくい政策であるが、重要な意味がある。防災対策は誰もが認める重要な政策であるが、防災対策の名目で街壊し、住民追い出しが行われている。石原都政は道路を拡幅し、再開発で木造密集地域を解消することを防災対策としてきた。 

これに対して「希望の政策」では「各住宅の耐震化工事には都が援助を行い、地震に強い街をつくります」とする。これは現住居での耐震化であり、住民が住み続けられる街を目指している。反貧困の立場から住まいの貧困問題にも向き合った宇都宮氏の面目躍如である。 
http://www.hayariki.net/8/11.htm
希望の政策は希望をもたらす政策であるが、これだけでは財源という大きな弱点を抱えている。新エネルギー会社設立、耐震化工事援助、就学援助予算増額、教育予算の底上げ、新エネルギー産業援助、中小企業振興、商店街の復活、国民保険料の値下げ、高校生までの医療費無料化、公的介護保険以上の介護サービス負担、特養老人ホームの整備と予算措置が必要な政策が目白押しである。これは対立候補からバラマキと批判されることは必定である。過去の美濃部革新都政には「いい政治をしたが、財政を悪化させた」とのイメージが強く、その繰り返しと攻撃されかねない。 

これに対しては大型開発の中止・見直しによって財源を捻出すると反論できる。外環道、築地市場移転、二子玉川ライズなどの再開発など東京都は住民が住めなくなるような大型開発に莫大な予算を支出している。人々が苦しんでいても金を使わず、大手不動産会社やゼネコンばかりを潤す大型開発にばかり金を使う都政にはウンザリである。大型開発の中止・見直しで「希望の政策」実現の財源は担保できる。 

-- 
林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』
http://www.hayariki.net/
http://hayariki.zero-yen.com/


CML メーリングリストの案内