[CML 021051] テロリスト国家イスラエルの来歴

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2012年 11月 18日 (日) 19:05:43 JST


みなさまへ    (BCCにて(松元

イスラエルは国家創設のときから暗殺と軍事侵略、民族浄化を許されてきた数少
ない国家のひとつです。

今回のガザ虐殺侵攻もハマース幹部ジャバーリ氏の暗殺から始められました。
「アハマド・ジャバーリは、暗殺される数時間前、イスラエルとの永続的 な停
戦協 定の草案を受け取っていた。協定案は、かなり注意深くつくられてい
た。」(2012年11月15日 ハアレツ)と、JSRメルマガ (12・11・16)は翻訳
紹介しています。

ハマースが和平案を固めるとイスラエルが暗殺するという事例は、シャロン元首
相時代のイスマイル・アブシャナブ氏暗殺(2003年)でも問題にな りまし た。
翌2004年3月には、65歳の車椅子の老人アハマド・ヤシン師を三発のミサイル
で暗殺し、一か月後には後継のアブドゥル・ランティー スィ氏を暗殺し、シャ
ロンは平然と連続暗殺を実行したのです。こうした度重なる暗殺を米欧中心の
「国際社会」は、表向きの非難はしても事実上黙認し続けて 今日あります。
(スピルバーグの映画『ミュンヘン』にも描かれています。)

またつい先ごろは、「イスラエル軍が1987年4月15日に、当時のPLOナンバーツー
であったカリール・アッ=ワズィール(通称:アブー・ジ ハード)をチュニスの自
宅にて暗殺したことに関与していた。」と報道されています。(東外大PRMEIS)
◆2012-11-02 イスラエルが初めて“アブー・ジハード氏”の暗殺への関与を認め
る (al-Hayat紙)
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/src/read.php?ID=28113

イスラエルの暗殺とテロリズムは、国家創設のかなり以前から常套手段であった
と幾人もの研究者が指摘しています。イスラエルは、絶えず「敵」を創 出し続
けることに国家の存在理由がありそうです。

ユダヤ教の内側深くからシオニスト国家イスラエルを研究し根本から批判してい
る碩学ヤコブ・ラブキン氏が、イラン人司令官の誘拐と暗殺の疑惑に触 れてイ
ス ラエルを分析している2011年1月の論考を紹介いたします。拙訳ですがイスラ
エル理解の一助にしていただければ幸いです。なお翻訳紹介には、著 者の了解
を得ています。

=====以下、ヤコヴ・ラブキン著「消えた司令官」=====

消えた司令官
The General Vanishes Yakov M. Rabkin
http://blizky-vychod.blogspot.com.es/2011/01/general-vanishes-by-yakov-m-rabkin.html
2011年1月10日
ヤコヴ・ラブキン著 

数年前、イラン軍司令官で国防副大臣のアリ・レーザ・アスガリー氏が国外旅行
中に姿を消した。彼は亡命したのか、あるいはイスラエルかアメリカに 拉致さ
れたのか、うわさが飛び交った。2010年末に、再びその司令官がニュースに登場
した。このときの報道によれば、彼はイスラエルにおいて死 体で発見された。

イスラエルの確認情報がないなかで、彼はトルコでイスラエル秘密諜報員に誘拐
され、インサーリックの米空軍基地経由でイスラエルに運ばれ、三年間 尋問さ
れついにイスラエルの某刑務所で死んだ(殺害されたか自殺したか)という強い
疑念が残された。この説を支持もしくは否定するような情報源は 私には与えら
れていない。私は、イスラエルとシオニズムに長いあいだ関心を持ち続けてきた
学者として、こうした出来事の可能性を評価できるだけで ある。イスラエルは
こうした行為を犯すことが出来たか?過去の実績に合致するのか?イスラエル国
家の土台に横たわるシオニズム・イデオロギーにふ さわしいものなのか?

第一印象では、この話の情報源は信頼しうるようだ。この話は、アメリカ系ユダ
ヤ人活動家リチャード・シルバースタンが運営する「世界を修復するユ ダヤ
人」つまり「ティクン・オーラム(Tikun Olam)」と名付けられたブログから私
にもたらされた。イラン・パペ、ノーム・チョムスキー、およびネトレイ・カル
タのラビたちのようなユダヤ人は、 もっとも活発で高度に知的なイスラエル批
判者たちであるが、これは偶然の一致ではない。宗教的であろうとなかろうと大
部分のユダヤ人は、19世紀 後半にシオニズムが登場した時、これを拒絶した。
シオニスト国家の創設、およびその軍事的、経済的な成功にもかかわらず、ユダ
ヤ人の反対は今日ま で絶えることはなかった。ユダヤ人による反シオニズムを
題材とした最近の私の著書は、聖地における一世紀にも及ぶ紛争上の様々な見解
を明確にす る、この重要でしばしば不明瞭になった現象ついて解釈をほどこし
説明を加えている。シオニズムを拒絶するユダヤ人たちの動機に注目すると、私
はイ スラエルを批判するユダヤ人たちを信頼したいと考えるようになった。彼
らは、イスラエルが存在し実行していることは、ユダヤ人、ユダヤ人の歴史お
よびユダヤ人の宗教などとはまったく関係がないことを明らかにしたいという強
い願望に支えられており、一方彼らの情報はほぼ確実性があり、私がこ の説を
疑う理由は何ひとつとしてない。
  
第二に、この疑わしいシナリオは既定のパターンに一致している。他の国々であ
る人物を誘拐しイスラエルに連れて来るのは、イスラエル治安機関が長 年にわ
たって展開してきた特性の一部である。シオニストの活動の歴史は、イスラエル
国家創設以前でさえ多くの場合暴力的な冒険によって、国内法や 国際法を侮蔑
的に無視する大胆不敵な経験を積んできている。「ユダヤ民族の生き残り」を保
証すると偽っているイスラエル国家によるこの疑惑の培養 は、いかなる手段を
利用しても正当化するという白紙委任状に使われている。皮肉なことにユダヤ人
が生きるためには、シオニズムは聖地をもっとも危 険な地域へと変えてしまった。

シオニスト機関に犯された最初の政治的殺人は、早くも1924年に実行された。シ
オニズムの著名な反対者ヤコブ・デ・ハーンが夕刻の祈りの後エル サレムのシ
ナゴーグを立ち去ろうとしていたとき銃が放たれた。彼の殺害にかかわった実行
犯は、英国警察に潜入していたシオニストたちだった。殺害 の目的は、シオニ
ストたちはパレスチナや各地のユダヤ人を代表するのではなくたんに彼ら自身を
代表しているにすぎないことを英国占領当局に説得す るためロンドンに向かう
ラビ代表団をデ・ハーンが組織するのを阻止することであった。デ・ハーンの暗
殺の結果、この代表団はロンドンに向かうこと はなかったし、シオニストたち
はあたかも世界中のユダヤ人が彼らを支援していたかのように行動し続けた。殺
人の共謀者の中には、後のイスラエル大 統領となるイツハク・ベン・ツヴィが
いた。後にカイロにおける英国および国際組織高官たちの殺害を実行したこのシ
オニスト暗殺団には、少なくとも 後のイスラエル首相となるイツハク・シャ
ミールが含まれている。

イスラエル国家が一貫して国際公法を受け入れず公然と無視するやり方には、心
痛める逆説が含まれている。事実、イスラエルは国際機関つまり国連か らその
合 法性を与えられている唯一の国家であろう。シオニスト運動に国際的地位の
資格を付与したのは、1947年のパレスチナ分割の国連総会決議であっ た。パレ
ス チナ人―すなわちユダヤ教徒、キリスト教徒、およびイスラム教徒―の大多数
の意思に反して採決された国連決議は、植民地主義的思考方法の不均衡な 痕跡
を刻 み付け、それ以来、常時この地域を混乱に陥れ恒常的な暴力を引き起こす
原因となった。後に国連はパレスチナ人難民の帰還を認めるようイスラエルに
命じたの だが、イスラエルはパレスチナ人の何百という村々を跡形もなく破壊
し続け、国際機関を鼻であしらい拒絶した。 1967年6月、イスラエルはエジプ
ト、シリア、ヨルダンの征服した土地に入植地を建設することによって、ひどい
目に遭わせた相手への侮辱にさら に拍車をかけた。イスラエルは国連で採択さ
れた何十回もの決議を、それ以来ずっと無視し続けてきた。

イスラエルは不屈な決意で、占領した土地の植民地化を実行し、敵対者と見なし
た者を世界のいたる所で暗殺し、とりわけ今回のケースのように他国の 人々を
誘拐してきた。誘拐された人物は、アルゼンチンで誘拐されたナチ高官のアドル
フ・アイヒマンからイタリアで拉致されたイスラエルの核技術者 モルデハイ・
バヌヌまで、かなり幅広いジャンルの人々が含まれている。誘拐がイスラエル兵
器庫の一部である以上、アスガリー司令官がこのやり方を 踏襲されたというこ
とは十分考えられることだ。

イスラエルの治安機関は米国のゆるぎない保護のもとで、刑罰を受けないという
特権を享受している。実際、イスラエルの例外主義と米国のそれとは興 味深い
類似点である。この二つの国は、いかなる法的帰結が導かれようとも利益追求の
点では独善的な行動を積み重ねてきた。唯一均衡する力が彼らの 敵の軍事力に
よる確実な脅威であり、約半世紀にわたって米国の攻撃的衝動がソビエト連邦に
よって抑止されてきた所以である。

イスラエルはこの数十年、植民地的入植国家が追放や移送によって敵意を引き起
こしていることを認めるより、むしろ「新たな反セム主義」を含む理不 尽な理
由をあげてパレスチナ人や他のアラブ人の敵意のせいにしてきた。こうして、
「彼らが理解する唯一の言葉」で日常的な暴力行使を正当化してき た。

米国および他の西側諸国は、ソビエト連邦の国家分割後まもなくこのドクトリン
を喜んで採用した。例えば、ツインタワー攻撃の実行犯の敵意は、米国 の西ア
ジア政策に対する拒絶というまったく合理的な理由ではなく、むしろ「われわれ
の生活様式に対する彼らの憎悪」のせいであったというように。 舞台は「文明
の衝突」という発想であり、アフガニスタン、イラク、パキスタンでのあからさ
まな軍事力行使のために準備され、のみならずイランに対 する軍事力行使の脅
迫を増大させることであった。これは、米国の策略がイスラエルの手口を模倣す
るようになったことを示している。誘拐は「特命送 還」と改 名され、さらに幾
つかのヨーロッパおよびアラブ諸国の積極的な協力を取り付けて実行されるよう
になった。イスラエルと米国がこうした試み に協力し合っていることはほとん
ど疑いの余地はない。したがって、アスガリー司令官の誘拐がイスラエルと米国
の共同事業として実行されたというこ とは十分に考えられることである。

他国の国防副大臣の誘拐を正当化するために、イスラエルはイランのイメージを
危険で分別のない敵として描き出さなければならなかった。こうしてイ ランの
マフムード・アフマディネジャド大統領は、地図上からイスラエルを抹殺すると
脅す反セム主義者として描かれたわけである。

この二つの主張は、誤りであることが証明された。彼は、明白な反シオニストで
あるが、反ユダヤではない。それどころか、もし反セム主義者であった なら彼
はその地域の核武装した超大国を非難するよりも、イランのユダヤ人に嫌がらせ
をしていただろう。そして彼は、シオニストの宣伝機関が主張す るように地図
上からイスラエルを抹殺するとは脅迫してはいなかった。より正確に言えば、イ
スラエルをソ連と比較して、「時のページから」シオニス ト国家としてのイス
ラエルの消失を目撃したいという願望を表明したのだった。ソビエト体制が核兵
器の嵐の中でも消滅しなかったように、彼は、隣国 と和睦して生きる平等な市
民による普通の国家にイスラエルが変わるために軍事力の行使など示唆していな
い。大勢の非、反、およびポスト・シオニス ト・ユダヤ人のように、彼は、イ
スラエルがユダヤ人のための国家からすべての市民による差別のない国家に発展
することを望んでいるにすぎない。

イスラエルがこの道を発展させるのを目撃したいという彼の願望は、イスラエル
市民に対する現実的な脅迫として偽って伝えられた。こうしてイラン大 統領に
浴びせられたこの感情的な反発を招きかねない主張は、イスラエルおよび米国で
は既定の事実となり、さらに行動の根拠となってしまった。

シオニズムは、ディアスポラのジュダイズム(離散の民のユダヤ思想=訳者注)
およびその敬虔で謙譲な宗教に対する、ひとつの反乱であった。かなり 多くの
ユ ダヤ人思想家たちが、この苦境について警告していた。シオニスト指導者に
よる一方的な独立宣言の後まもなく1948年、そのうちの一人が次のよう に予言
し ていた。

『そして、たとえユダヤ人が戦争に勝利したとしても、…「勝ち誇った」ユダヤ
人たちは、ひたすら敵意を持つアラブ住民に包囲され、絶えず脅かされ る国境
の 内側に閉じ込められ、物理的な自己防衛に没頭して生きることになるだろ
う。…そしてこれらすべてが一民族の運命を決めるだろう―どれほど多くの移 民
を常時 受け入れようと、その国境線をどれほど遠くに広げようと―敵意を抱く隣
人たちが数では圧倒し依然ごくわずかな国民にとどまること になるだろう。』

この警告は、現地住民および周辺地域のすべての諸民族の意思に反して国家を創
設することの危険性を理解していたドイツ系アメリカ人知識人のハン ナ・アー
レ ントによるものである。同様に世俗的および宗教的思想家たちは、シオニズ
ムがユダヤ人を恒常的な暴力に巻き込んで滅亡の危機にさらすだ ろうと恐れて
いた。実際、「敵意をもつ隣人たち」に自分を押し付けるため、イスラエルは地
域で最強の軍隊を我が物にした。しかし、聖書の預言者サムエルの 言葉「人が
打ち克つのは武力によるのではない」(サムエル記毅押В后砲魍両擇垢襪のよ
うに、その市民たちに平和も平穏ももたらすことはなかっ た。

今日、どのアラブ国家もイスラエルにとって何ら軍事的脅威とはならないので、
イスラエル人が恐怖と名指しされているのはイランである。今のところ 核ポテ
ンシャルの獲得からはほど遠いイランの隣に、想像上ではなく実際に核兵器を保
有している不安定な体制、パキスタンがある。まさにアーレント が適切に も予
言したように、もしイスラエルがシオニストの性格を維持するなら現実の脅威は
際限なく広がるだろう。第三国で他国の副大臣を誘拐する ことが、シオニスト
の心性ではまったく道理にかなうということが続くだろう。私は、誘拐が実行さ
れたという確たる証拠を持ち合わせてはいないが、 むしろその確率はかなり高
いように思われる。(完)
(松元保昭訳)


【関連参考記事】東京外国語大学「日本語で読む中東メディア」HPより
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/news_j.html
■アリーレザー・アスギャリー元国防次官の行方、いまだ不明
2007年03月10日付 E'temad-e Melli紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20070311_223619.html
■「イラン人核専門家がサウジアラビアの協力によってアメリカに移送」:外務
省報道官が明かす
2009年12月09日付 Iran紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20091217_171621.html
■イラン外務省、海外で「略取」されたイラン市民の追跡に着手
2009年12月10日付 Iran紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20091217_155405.html
■アミーリー氏「アメリカによって誘拐され、8ヶ月にわたって厳しい拷問を受けた」
2010年06月08日付 Jam-e Jam紙
http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20100626_225353.html


-- 


===================
Palestine Solidarity in Sapporo
パレスチナ連帯・札幌 代表 松元保昭
〒004-0841  札幌市清田区清田1-3-3-19 
TEL/FAX : 011−882−0705
E-Mail : y_matsu29 at ybb.ne.jp
振込み口座:郵便振替 02700-8-75538  
===================



CML メーリングリストの案内