[CML 021034] ジュネーブ報告記 Г佞しま集団疎開裁判の柳原敏夫さん

Yasuaki Matsumoto y_matsu29 at ybb.ne.jp
2012年 11月 17日 (土) 20:12:45 JST


みなさまへ    (BCCにて)松元

先月末、ジュネーブの国連人権理事会に福島の惨状を訴えに行った「ふくしま集
団疎開裁判」の弁護団柳原敏夫さんの報告を紹介させていただきます。 重たい
メッセージです。

ガザも戦争ですが、日本も戦争です。嘘と誤魔化しから子どもと未来を守り自然
を回復する戦争です。昨年4月にガザで殺害されたイタリアの活動家 ヴィットリ
オ・ アッリゴーニのシンボルメッセージが「人間になるために」でした。奇し
くも以下の柳原敏夫さんのメッセージも「人間になるために」です。いま世界
の民衆は、同じ境遇にあるようです。

「ジュネーブ報告記」4回分を2回に分けて配信いたします。

■ふくしま集団疎開裁判ブログ
http://fukusima-sokai.blogspot.jp/

======以下、転載=====

◆ジュネーブ報告記(1)人間になるために(弁護団 柳原敏夫)

以下は、10月28日〜11月1日、ジュネーブの国連人権理事会に、福島の惨
状を伝えに行った疎開裁判の弁護団の柳原敏夫の報告の一部です。
さしあたり、4回に分けてアップします。

   ***************************

   人間になるために(ジュネーブ報告記)
                      ふくしま集団疎開裁判 弁護団
 柳原敏夫

8.世界中の皆さんへ
私達を守ってくださ い。助けてください。
子どもの健康を守っ てください
これ以上、放射能被 ばくをさせないで下さい
日本政府がやらない 移住を助けて下さい
世界の常識で我々を 救って下さい
私達を直接調査して 下さい、本当の姿を見る ために
子供達は我慢の限界 です
                  井戸川克隆 双葉町長

*1、はじめに*
な ぜ国連に行ったのか。3.11以来、福島の人々、とりわけ子どもたちは前
代未聞の危険な状態に置かれ、なおかつ愚劣極まりない非人間的な 扱いを受
け、このままでは奴隷か生きる屍(しかばね)と変わらない存在に貶められてし
まうから。そこから抜け出し、人間となるために。


◆ジュネーブ報告記(2)個人的な感想―ドブネズミの涙―(弁護団 柳原敏夫)

今 回、スイス・ジュネーブの国連人権理事会に福島の惨状を訴えることを決め
たものの、双葉町長の井戸川さんと共に行くメンバーが最後ま で決まらなかっ
た。 「あなたが行くべきだ」という妻の声に背中を押されて私が行くことに
なった。パスポートのなかった井戸川さんが途中で迷子になった り、誘拐され
ないために もボディーガードが必要だった。

5日外泊したのは親父 <http://song-deborah.com/zizi/>の介護以来初めてのこ
とで、家族のおかげで彼の命はつながった。帰国して、彼を 「ベンジャミン・
バトン」のラストシーンのように、2度目の育児を30年ぶりにするような気持ち
で、命に対する感情に 襲われながら接することができる気がした。

1917 年、新潟県佐渡島に生まれた今年95歳の親父は、戦前、生来の人柄
と大陸での生活のおかげでお人好しの極限形態みたいだったのが終戦 前夜の
1ヶ月余りで突 然変異を起こし人格が豹変した。それまで特に何も考えない極
楽トンボが、1ヶ月で、誰が何と言うとぜったい撤回しない不動の確信を 持っ
た反戦平和主義者に 変貌してしまった。それまで、満州鉄道の下っ端職員とは
いえ、植民地生活の特権の端くれを享受していた彼は、終戦前夜に至っても、大
本営発表をうのみにして避難もしなかったふつうの市民だった。

しかし、8 月9日、ソ連参戦の報と同時に現地招集されて事態が一変した。ろ
くな装備もないズサンな軍隊としてソ連兵と向かい合う羽目となり、偶 然にも
命を落とさず終 戦1週間後に武装解除を迎えたが、今度はソ連兵に捕まってシ
ベリア抑留になるまいと、ドブネズミのように満州平野を逃げ回る羽目と なっ
た。昼間は草原に身 を隠し、夜間に行動して、1ヶ月後に中国撫順市に辿り着
いた。彼は自分が奇跡的に生き延びたことを、この1ヶ月の体験で知った、そこ
で見た、未だ語ること もできない、満州開拓民の家族たちの命が無惨に奪われ
ていく光景と共にまざまざと知った。さらに、彼は次の真実を知った――自分は、
戦争推進者たちが逃げ のびるための「盾(たて)」として召集され、ソ連兵と
の戦闘の最前線に立たされたのだ。自分はただの兵士ではないのだ、いけにえに
さ れたのだ!

おそらくこのとき、彼はそれまでの自分の無知を 恥じ、「無知の涙」を流し
た。それまで行儀よくしつけられ、学 校で社会で大本営発表をうのみに する羊
のようにマインドコントロールされた自分の タガが外れて、満州の荒野でドブ
ネズミになってみて、初めて見えてきたものがあった。このとき彼は人間になっ
たのだ。それが、戦争と 平和に対する彼のその後の態度を決した。彼は終生こ
の認識を手放そうとしなかった。

今回、スイス・ジュネーブの国連に行くときに思い出されたのがこのことだっ
た。つまり、福島に生まれた人たちもこ れと同じ目に遭っているのではないのか。


(ジュネーブ報告記(1)(2)転載終わり、(3)(4)につづく)

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