[CML 020995] 【毎日記事】 記者の目:ベネズエラ大統領4選=國枝すみれ 「チャベス政権下の13年余で、ベネズエラは南米で最も格差の少ない国に変わった」

uchitomi makoto muchitomi at hotmail.com
2012年 11月 15日 (木) 02:23:37 JST


さすが毎日!南米情報の少ない日本でこんなすぐれた記事を書く記者に感謝!


記者の目:ベネズエラ大統領4選=國枝すみれ

毎日新聞 2012年11月15日 00時21分
http://mainichi.jp/opinion/news/20121115k0000m070110000c.html

 南米最大の産油国ベネズエラのチャベス大統領は10月の選挙で4選を決め、さらに社会主義革命を深化させると宣言した。チャベス政権下の13年余で、ベネズエラは南米で最も格差の少ない国に変わった。

 ◇危うい石油頼みの社会主義革命

 問題はこれからだ。財政は石油頼みで、腐敗と生産性の低下が忍び寄る。こうした問題に対処し、少なからぬ反対派の声にも耳を傾けなければ、チャベス氏がとなえる「21世紀の社会主義」の発展は危うい。有限の石油資源の先を見据えた国造りが必要だ。

 ◇貧困層へ石油収入をばらまく

 大統領が実施してきた貧困層向け社会事業は、貧困世帯数を半減させ、失業率を15.3%から8.8%に低下させた。あるシングルマザーは「縫製工場の賃金では5人の子どもに豆しか食べさせてやれなかった。大統領は暗闇に差し込んできた光だ」とまで称賛する。

 一方、反対派は「権力維持を目的としたばらまきだ」と批判する。そのとおりなのだが、票と引き換えに石油収入をばらまく政治は、石油ブームが起きた70年代から続いている。チャベス政権になり、恩恵を受ける階層が貧困層に代わっただけだ。

 大統領の考えを、地方の貧村で育ったエドアルド・ロテ記者が説明してくれた。「人間の基本的な生存権を守るために石油の金があるんだから使おう、ということだ。国民全員が無料の医療や教育を受ける、いい考えだろう? 共産主義だと批判する者は、持つ者だ。金持ちは自分が住む世界が普通だと信じている。教育の機会がない世界なんて知らないんだ」

 ベネズエラで起きていることは、持つ者と持たない者の闘いだとも言える。この「階級闘争」に油を注ぐのが、大統領の進める国有化だ。

 これまでに製造業、金融業など1168企業、農地約200万ヘクタールが国有化された。資本主義の原理を根本から揺るがす国有化は、国内の大土地所有者や産業界、さらに外資も敵に回した。撤退を余儀なくされた米国の石油会社やカナダの金採掘会社は、ベネズエラ政府に損害賠償を求め、世界銀行の投資紛争解決国際センター(ICSID)に訴えている。ベネズエラが抱える提訴数は世界一だ。

 チャベス大統領は「どんな判定が出ても無視する」と宣言し、6月までに欧米の銀行に預けていた金準備のほとんどを引き揚げた。敗訴して海外資産が凍結、押収される場合に備えた措置と見られる。「国際ルール無視」の姿勢には、資源豊富な南米諸国が協力し合えば生きていける、との考えがにじむ。

 		 	   		  


CML メーリングリストの案内